fc2ブログ

もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

謎解きはスペシウム光線の後で17

思わず悲鳴をあげた瞬間、灯りが戻った。窓の向こうの庭の電灯も全部ついていて、紅キララ子の姿はどこにもない。
・・・・うそ、うそ・・・・うそぉぉぉ?! 
タタリって本当にあるの?! うそでしょ、ゾフィー! あなたよね?! こういう手のこんだ悪戯大好きでしょ?!
「あの方は、愛した人の子孫である私達を、守ってくださっているのかしら・・・・?」
「さあ、出てきたまえ犯人君!」
ゾグさんの呟きを盛大に蹴破りやがってお出ましてしてくれたのはシャマー警部だった。
「やあ、お待たせしてしまいましたね! 御婦人の悲鳴に只今参上!
で、犯人はどこかねユリアン君」
「そこで腰を抜かしているマグマさんです」
「よし、逮捕だ!」
制服を着た巡査達を従え、騒がしくマグマの手に手錠をかけた。
「警部、もう夜も遅いので先に失礼してもいいですか?」
「おお構わんよ。後で報告書をきっちりとあげるように。なはははは・・・・!」
わたしはシャマー警部の視線を振り切るとゾグさんとエンペラさん他、家の人達に頭を下げて退室した。身内から犯人が出るなんて気の毒だわ。


離宮に戻った私は、仕事着のブランドもののスーツをベッドの上に放り投げた。そのまま寝椅子の上に寝転ぶ。
「本当、バカよね。勘違いして殺すなんて。奥さんも子供も可哀想」
ゾフィーが私のスーツを手に取ってクローゼットに戻していく。
「世の中の怪奇現象と同じでございます」
「え?」
「ヒトは、見えない何かに怯え、自分勝手に解釈をしてしまう」
見えない何か・・・・あいつの場合はローランの心だったってわけね。
「ヒトを疑うことは身を守るためには大切ですが、しかし疑い続ければ必ず怒りや憎しみが生まれる。素直にヒトを信じることも大切だということですが・・・・王女様はその辺はよくおわかりでいらっしゃいます」
あら褒めてるの?
一礼して退室しようとするゾフィーに、さっきのことを聞いてみた。
「さ、さっきの紅キララ子、あなたがやったんでしょ?」
「はて?」
ドアノブに手をかけたまま首を傾げる。ちょっと、ニヤリと笑うぐらいしなさいよ。
「あなたああいう悪戯好きそうだし。何時の間に用意したの?」
「・・・・ということは、あれは王女様にも見えたということなのですね?」
「え?」
「あれは私が仕掛けたものではございません。マグマがホラー映画好きだった場合、意味がないかなと思いまして」
「えええっ?!」
「王女様のお部屋にでしたら仕掛けようかと思っていたのですが」
「仕掛けるんじゃないのっ!!
じゃあ、じゃあ・・・・ゾグさんの言ったことって・・・・」
ゾフィーの銀色の手にちょっとだけ力が加わって、ドアが開いた。
「王女様、やはり光の国七不思議の謎は、容易には解けそうにありませんね・・・・」

・・・・・ウソだと言ってえええええ!!
あとドア閉めないで! あんた一晩中側にいなさいよぉぉぉぉ!!!


                      おしまい
スポンサーサイト



テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://superultra.blog122.fc2.com/tb.php/1786-853df0fe
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)