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もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

私は卑怯な人間なので誰かの所為にせずにはいられない7

脱いだコートをハンガーにかけるかの様に、ごく自然に。

フェニックスネストに戻ってきた。あともう少しで日付が変わる。照明を落とした廊下を歩いて自室に戻る。
(戻ったらお風呂を落として、コーヒー淹れて、ミサキさんからの報告書を見て、タケナカにメールして、勇魚くんと連絡取って)
暗証番号を打ち込むのが面倒なので、メモリーディスプレイを翳してロックを開ける。
(ああ、面倒だな。まあ、しょうがないけど。セリザワ君の代わりに自分が隊長になるって言ったわけだし)
灯りをつけて、書類の入ったバッグをテーブルに投げるように置く。手袋をコートのポケットに突っ込むと、真っ先にエスプレッソマシンに豆を放り込んだ。これから文字を見るなら、モカマタリか。
(というか、組織ができあがったら、別の人間に任せればいいんじゃないか? 俺が現場に出るの前提で作った組織なんだし)
デスクトップの電源を入れる。
(あの大きな、銀色の背中。それを照らす爆発の閃光。あれをもう一度見たいだけだ)
ため息が出る。
(ミライも・・・メビウスも、あれにはまだ及ばない。でも助けている実感はある。むしろ理想的だ。
そうだ、最近ゾフィーから連絡をもらっていないな)
パソコンが立ち上がる間にお風呂にお湯を張りに行く。
(ただ、何時までも子供のお守じゃ困るってこと、わかって欲しいんだけどね)
『お兄さん、お仕事かい? 充実しているなぁ』
ついさっきかけられた言葉が頭に浮かぶ。
(充実ね、確かにしてますよ。隊長の仕事もするし、総監の仕事もするし。科特隊の仕事もね。こっちはちょっと興味本位過ぎたな。地上勤務の捜査係なんて、ほとんどやってないのに首つっこんじゃって)
洗濯物を外に出しっぱなしだったような気がする。
(科特隊本部にもうまわそうか。ちょっと一週間ハードワーク過ぎたし)
窓を開けて外を確認すると、ちゃんと取りこんでから出て行っていた。ただ、ハンガーだけが吊り下がっている。
(今日はもう寝ちゃおうかな。明日の朝、少し早く起きて仕事をすればいい)
コートを脱いでハンガーにかける。マフラーを取って、物干し竿に結ぶ。
(服は着たままだけど、まあ、いいか。どうせクリーニングに出すんだし)
輪になったマフラーに首をかけ、一息ついた。
(お湯は規定量になったら勝手に止まるから、朝に入ろう)
くっと、喉に負荷がかかる。
ミライやリュウ、ジョージにマリナにコノミ、テッペイが泣き叫んでいるのが見えた。
(何があったの? もう今日は勤務時間過ぎたんだから、明日聞いてあげるから・・・・今日はもう、寝させて・・・・)

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テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

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