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もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

赤い影46

「中のご案内をいたしましょうか?」
受付にいた人が申し出る。
「あ、いや、結構。
・・・・母に聞いていますから」
咄嗟にタロウはそう言って案内を断った。
思わず口から出た言葉に、タロウ自身が驚いたが、おそらく昨日ゼノンに言われたことが頭の隅に残っていたのだろう。
タロウは生徒達を連れて研究棟の廊下に進み出た。
内部は普通の研究施設とさほど変わりはなかった。患者の姿は見当たらず、職員や研究員が足早に歩いているのとすれ違うぐらいで、中には警備員もいない。
「なんだ、フツーの会社みたいだ」
「そりゃそうだ。警備員を増やしたってあまり意味はないからな」
研究資料が盗まれると言った意味での警戒よりも、バイオハザードの方がよほど怖い。研究棟のセキュリティシステムは、最高のものが使われている。受付のチェックは、余計なウイルス等を持ちこんでいないかの検査の意味合いの方が強いのだ。
「君達が見た人影は、フォトン反応を示していたんだな?」
「はい」
マックスの手には、測定器がある。
「出現した時間は、大体夕方から夜」
「そうです」
時間的に今はぴったりだ。
「あとは、何処に現れるか、だ・・・・」
ゾフィーがよこしたメールには『面白そうな場所へ行け』と、余計な一言があった。
「出現した場所に共通点は?」
「ありません」
「ただ・・・・」
ゼノンはプレートを取り出して、アカデミーの校舎の中で遭遇した位置を呼び出す。
「一般教室のある場所での目撃は、多くありませんでした。美術室や図書室、実験室や体育館・・・・」
「それに近い場所なんてあるの? ここに?」
シトロネラがプレートを覗き込む。
「入院患者のためのレクルームならありますが・・・・」
テルピンが研究棟の地図を見て言った。
「そうだな、他にアテらしいものもないし、行ってみるか」
子供たちをざっと見渡し、タロウが決を下した。
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テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

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