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もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

赤い影39

「あの・・・それは・・・・」
シトロネラは小声を出し、俯いた。
「君が仕掛けたのか? 一体どうして?」
タロウがシトロネラの前に歩み寄る。
「盗聴器を仕掛けるなんて犯罪行為だぞ。それをわかっててやったのか?」
「ええ?!」
シトロネラどころか、テルピンもメビウス達も、顔を青ざめさせる。
「そんな・・あ、あたし、そんなつもりじゃ・・・・・」
「先生に言わないでください!」
うろたえるシトロネラの前に、テルピンが庇うように進み出た。
「お姉ちゃん、僕のためにやったんです! 僕が何時も授業に出れないから、それで、授業の様子を教えてくれるために・・・・だから、怒られるのは僕です!」
「テルピン・・・・」
シトロネラは、それまで大声など出したことのないテルピンの、必死の態度に弾かれて顔をあげた。
「タロウ教官!」
「隊長!」
メビウスとマックス、ゼノンも立ち上がって懇願する。
「お願いします、シトロネラを怒らないでください!」
「あと、アカデミーの先生とか先輩にも言わないでください!」
「我々はこの事実を知っていました! 報告義務を怠ったのも同然です!」
一斉にシトロネラを庇う子供たちに、少し気圧されたタロウは振り返ってゾフィーを見た。
「教諭に対して報告は必要だろう」
宇宙警備隊の隊長は、扇を閉じて静かに言った。
「そんな!」
「隊長! お願いします!」
「そして堂々と録音をすればいい」
「え?」
続けられた言葉に全員がゾフィーの方を向いた。
「こそこそやっているから怒られるのだ。特例として許可をもらえば良かろう」
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テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

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