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もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

赤い影12

レオは隊長室のインターフォンを押した。
「レオ、アストラ、任務完了報告に参りました」
「入れ」
内側から鍵の開く音がして、扉が開く。目の前に青い女性が現れた。
「ひえっ!」
アストラは短い悲鳴をあげてレオの後ろに隠れた。
「おい、アストラ!」
レオは軽く叱責するが、ディナの表情はアストラの悲鳴程度では動かなかった。
「隊長がお待ちです」
アンドロイドよりも無機質に言い放つと二人の前に立って歩き出す。
(こら、アストラ!)
(だって、この人怖いんだもん)
「どうぞ」
ディナは意外と優美な仕草で来客スペースのドアを開けた。
「隊長、レオ、アストラ両名が到着しました」
「ああ」
ゾフィーの短い返事に、アストラは急いで部屋に入る。レオは一瞬立ち去るディナを見て、遅れて入った。
部屋には先客がいた。
「あれ、80?」
「珍しいな」
「ちょっとお茶をもらいに。タロウ兄さんが出ちゃっていないんですよ」
80は緑茶の入った湯呑を掲げた。二人は80側のソファに座ると、ゾフィーの出したフロラフルル茶を受け取る。
「タロウ兄さんが?」
「また外に泊まりで研修?」
「いえ、基礎学年の引率で、アカデミーに」
「ええ?」
「なんでまた?」
「そう、なぜまた私に知らせなかったのだ? こんなに面白いことを」
反対の席に座ったゾフィーは長い脚を組んで、不貞腐れた。
「仕方ありませんよ。ルベド先生からの連絡がないのがわかったのが、急でしたから」
「ルベド?」
「本来、今回の引率を担当する先生です」
「ルベドか。確か、タロウの後輩で居たと思ったが・・・・」
ゾフィーは例のプレートを出すと、ルベドの項目を見た。
「ああ、アカデミー時代からの後輩か。うん、確かに見た」
プレートに表示されたレッド族の青年の姿は、レオ達にも見えるように拡大される。
「ああ、この先生か」
「で、タロウ兄さんが、代わりに?」
「もう一日早かったら、レオ兄さんかアストラ兄さんに引率を頼んだんですが」
「すまなかったな」
レオはお茶を啜って、軽く謝った。



「じゃ、次の場所に行ってみようか」
「そうだな」
残っているのは、美術室、図書室、体育館と、校庭の隅でも見かけられたようだった。
「校庭の方が近いが・・・・」
「他の教室にも近いとなると、美術室だね」
三人の指が、プレートのホログラムの上を滑る。
「おし、美術室に行ってみよう!」
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テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

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