もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

星が降った町6

ヒカルは校長先生に頼んで、空いている教室の一つを借りた。夕飯は理科室から借りてきたアルコールランプでビーカーにお湯を沸かして作ったカップラーメンである。
床に寝袋を広げる。本当は屋上で寝ようかと思ったが、今夜は薄い雲がかかっていて、満点の星空とはいかなかった為に明日以降にすることにした。暑いので窓を開けて寝るというと、校長先生が使わなくなった蚊帳を貸してくれた。プール脇のシャワーで汗を流せば、後は寝るだけだ。
健太は「俺も学校に泊る!」と最初騒いでいたが、ホツマが反対した為、結局家に帰ることになった。
「さてっと、どうするかな」
夜の廃校。なんて最高のホラー舞台。探検するにはもってこいだ。しかしただ校内を見るだけではつまらない。
「そうだ、御神体! 御神体を見てみよう!」
ヒカルは御神体を見たことがない。祭りの時も決して開かれることのない御厨子の中に祭られている御神体は、代々の神主でも見たことがないという。先日の火事で持ち出したホツマ以外。
「最初じゃないが、見たことがないのは確かだしな!」
ヒカルは懐中電灯を取り出すと音楽室へ向かった。
祭壇の前で膝をつき、一度拝むと、口に懐中電灯を咥えて御厨子の扉を開く。
祀られていたのは、銀色の少し太めの棒の様なものだった。金剛杵のような形に見えなくもない。尤も、あれは上下で、これは上だけだったが。
「神様の像じゃないんだ」
古びた紗の布に包まれたそれを、そっと手に取る。持ち易い。柄を握って取り出すと、中央に走ったラインから光が溢れ、突風となってヒカルに叩きつけられた。
「うわっ?!」


それは”記録”だった。誰かが、誰かと戦っている。人間ではない、何かと何かが無数に拳を、蹴りを繰り出し、時には炎や光が交差した。その中、一際巨大な黒い影が立ち上がり、手にした何かを振りかざす。戦っていた者たちは黒い霧に巻き込まれ、苦悶の声をあげた。
それから守るように誰かの手が、同じ何かでそれを打つ。金属の音が響いて、ヒカルは床に倒れた。


「な、なんだこれ?!」
頭を擦ることすら忘れて手に持った金剛杵をまじまじと見る。持っている右手の甲に熱を感じると、神社の御紋と同じものが一瞬現れて消えた。
「お、俺の手・・・・っ?!」
「それは、選ばれし者の紋章。やはり光の国の言い伝えは本当だったか」
「だ、誰だっ?!」
慌てて床に落とした懐中電灯を広い、窓や出入り口にライトを当てるが、誰もいない。
「何処にいる?!」
「ここだ、ここ」
声のした方にライトを向けるが、誰もいない。
「空耳? 今ので頭ぶつけちまったかな?」
「何処を見ている。ほら、お茶を出さないか」
「お茶ぁ?」
ヒカルは御厨子の前の卓袱台にライトを向けた。10センチぐらいの大きさの赤い人形が突っ立っていた。
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星が降った町5

校庭にあるジャングルジムによじ登り、ヒカルは健太と話しをした。昔は見上げて登っていた遊具が、今は本当に小さく感じる。千草も結構お転婆なのか、健太と一緒にスカートを気にしながらジャングルジムに登った。美鈴は保護者みたいに三人を見ている。
「そうか、祖父ちゃんは今、健太の家にいるのか」
「うん。ヒカルも泊るか?」
「いや、寝袋持ってきたからここで寝るよ。後で校長先生に聞いてみる」
「寝袋?! ヒカル君、お祖父さんの神社に泊るつもりだったんじゃないの?」
「寝ながら星を見るためさ」
ヒカルはジャングルジムの一番上に登って空を見上げた。慕情にはまだ早いが、陽が暮れ始めた夏の空。
「銀河神社ってのはなあ、星がすげー良く見えるからつけられた名前だってのいうもあるんだぜ。
境内の裏の空き地なんか絶好のスポットなんだよ」
「そうなんだ」
「でも、神社の裏って怖くないですか?」
美鈴はヒカルを追って空を見上げたが、千草は不安そうにヒカルを見た。
「オバケとか出てきそう」
「出てきたら、俺がとっ捕まえてやる!」
ヒカルは片手で鉄棒を握ったまま、もう片方の手で拳を作った。
「モケレムベンベの前哨戦だ!」
「何それ?」
「アフリカの奥地に居るって言う伝説の生き物だ。まだ誰も見たことないんだ。
俺が最初に見つけてやる!」
「ヒカル君、昔良く言ってたものね。『世界一の冒険家になる』って」
「おう! 俺はエドモンド・ヒラリーみたいな冒険家になるんだ! 未知の世界を見るんだよ!」
「もう地球で未知の場所ってないだろ。現代科学舐めんなよ」
「まだ行ってない場所なんてたくさんあるだろ? 海の底だって、銀河の果てだって。
おまえはもっとロマンを持てよ」
ヒカルは健太を軽く拳でつついた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

うわー、やばい

一週間ぶりの更新がチャットのお知らせって悲しすぎる!

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では、後ほど!

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チャットしますよ

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誰か来るかな?

アニオタWikiのTEAM R-Type見てたら、外道戦闘機乱舞で笑ってしまったという。
やべーわ、なんかツッコミどころ多すぎるわ。外道も行きすぎるとギャグになる。

テーマ:伝えたいこと - ジャンル:日記

また一人

今度はメフィラスさんが・・・・。

御冥福をお祈りいたします。

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星が降った町4

美鈴は持ってきたお守りやお札を、教卓上に錦布を広げただけの、簡素な棚の上に置いていく。
爪は清潔に丸く切ってあり、柔らかそうな指先が、数が少なくなって乱れていたお守りを整えていた。
「ふーん、おまえネイルとかしてないんだ」
「やだ、何じろじろ見てるのよ」
美鈴は指の大半を袖の中に隠すと、僅かに顔を背けた。
「別に。俺、そういうの嫌いだからさ。してない方がいいし」
「え?」
美鈴がヒカルの方を向いた。
「なんだよ?」
「な、なんでもないわよ。ほら、邪魔だからあっち行って!」
一転して頬を膨らませた美鈴は、袖から手を出してヒカルを追っ払う。ホツマはその様子を実に微笑ましく見ていた。
「なんだよ、もうちょっと気の利いた事言えよ~」
音楽室のドアから子供の声がした。5,6年生ぐらいの男の子が、ニヤニヤと笑いながらヒカルを見ている。隣には同じ歳ぐらいの女の子がいた。
「ヒカルはレディーファースト習ってる割りに気が効かないんだよな」
「健太! おまえはまた人の事を呼び捨てにしやがって!」
偉そうに腕を組んで入ってきたのは、ヒカルの従兄弟の渡会健太だった。年下のくせに何時もヒカルを呼び捨てにする大変生意気なクソガキである。ヒカルは毎度毎度、健太のこめかみに拳を当ててグリグリやった。
「痛ててて・・・・! 痛い、痛い! やめろって!」
「『やめてください、ヒカルお兄さん』だろ?」
「ヒカル、やめろー」
「まだ言うか」
「もう、やめなさいよ」
見かねた美鈴が口を挟む。ヒカルがやっと健太を解放すると、一緒に居た女の子がぴょこんとお時儀をした。
「どうもすみません、ヒカルお兄さん」
「へ? あ、ああ・・・・。
誰?」
「久野千草と言います。今は近くの公立星北小学校に通っています。六年生です」
「おれの彼女」
「はあ? 何、彼女って?!」
健太は千草と仲良く手を繋いだ。
「おれ達もうチューまでしてるもん。ヒカル遅れてるぜ!」
「ねー」
顔を見合わせる二人にヒカルは頭を抱えた。
「祖父ちゃん! こういうの注意すべきだろ!」
「何、将来は銀河神社で式を挙げてくれるそうじゃ」
「ちげーよ! 
校長先生!」
「いいじゃないの。何時までも仲が良いというは素晴らしい事よ」
「先生、わかってる? わかって言ってます?!」
軽いパニック気味のヒカルの耳に、ころころと笑う声が聞こえた。
「もう、そんなに驚かなくたっていいじゃない。
それに、健太君も千草ちゃんも、神社のお手伝いだってしてくれてるのよ」
「そ。ヒカルもたまには手伝えよ」
「お、ま、え~~~」
ヒカルがどうしてやろうかと手をワキワキさせている様子を周囲が面白がって見ている。その光景をまた白井校長先生が嬉しそうに眺めていた。
「嬉しいです。ここにまた子供達が笑顔で戻ってきてくれて」
「私も嬉しいです。白井先生の笑顔が見れて」
「はい?」
「いえ、深い意味はありません」
ホツマは何時も通りの笑みを浮かべ、右手の甲を袖越しにそっと押さえた。

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今日はお休みします

今日は風邪ひいてしまったので、一回休み。

一日医者4件ハシゴ。ヘルニアの方は、医者に行ったら治ってきてるって言われて嬉しかったw
その後、心療内科に行ったら「薬効いた? あーダメね、はい次の」と、すげーぞんざいに扱われました。そんだけかよ! 医者変えようかと薬剤師の弟に相談したら、「他の精神科じゃ薬追加しまくって増えすぎて胃が荒れて、挙句に死んじゃう患者とかいるぜー。薬単品で変えてるだけマシだよ」と言われました。そうなのか。予約時間に行っても余裕で1時間待たされるカウンセリングメインとどっちがいいんだろうな。

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星が降った町4

美鈴に案内されるまま、後ろ側のドアから音楽室に入った。二人で一台使っていたオルガンはもう売られてしまったのか置いていない。壁際の棚にトライアングルやピアニカがひとまとめに積み上げられていた。
祝詞をあげる声がする。
音楽室の半分に祭壇と注連縄で仕切られた、「神社」が出来上がっていた。
「じいちゃん!」
ヒカルは祝詞が終わるのを待って声をかけた。
「おお、ヒカルか!」
「大丈夫かよ?!
てか、ここが神社?!」
確かに年始に県外からも人が殺到するような有名神社ではない。だが、季節ごとの祭りをやれば地元できちんと人が集まる程度には知られている。廃校の一角を借りなければいけない程ビンボーだった記憶はないのだが。
「なんとかご神体だけは運び出せたんでな。白井先生の御好意で、こちらに間借りさせてもらっているというわけだ」
音楽室の前側のドアの方から、校長先生が微笑みながら近寄ってきた。卒業以来だから、五年ぶりになる。
「礼堂君、すっかり大きくなって」
「校長先生、俺のこと憶えていてくれたんですか?」
「もちろんよ」
祖父のホツマと同じ歳の校長先生は、ホツマが何時見てもお爺ちゃんだというのと同じで、何時見てもお婆ちゃんの手前という感じがして、優しくて、おっかない担任の先生よりも好きだった。
「校長先生、学校は・・・・」
「ごめんなさいね。残念だけど廃校になってしまったのよ。
でもここに神社があれば、お参りがてらに、時々こうして来られるわ」
「そうだったんですか」
だがヒカルは少し引っかかった。この音楽室からなくなったオルガンのように、この学校も何時かは売られてしまうんじゃないかと。
「それで、祖父ちゃんは今どこに住んでるんだ? まさかここじゃないだろ?」
「心配するな。ちゃんと寝泊まりする場所はある」
「おはようございます」
ヒカルが放っている間に、巫女装束に着替えた美鈴が、しずしずとお守りを抱えて入ってきた。
「おお、美鈴ちゃん。今日もよろしくな」
「はい」

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星が降った町3

ヒカルは祖父の家のある銀河神社まで歩いていた。美鈴もそちらに要があるというので、一緒に並んで歩く。
「ヒカル君、てっきりイギリスだと思ってた。この間、お祖父さんが言ってたし。
ね、どうして帰ってきたの?」
「勘だな。この町に行かなきゃって思ったんだ。何かに呼ばれた気がして」
「呼ばれた? それに、まだ”勘”とか言ってるの?」
「最後に決断するのは勘だからな」
話しながら歩いていると、美鈴は昔懐かし小学校の方へ曲がろうとした。
「おい、神社そっちじゃねーぞ」
「え? まさかヒカル君、お祖父さんに聞いてなかったの?」
「何を」
「銀河神社、火事で焼けたんだよ? 一か月前に」
「なっ・・・・!」
「何でも、近くに隕石が落ちたんだって」
「隕石ーー?!」
そんなニュース、聞いたことがない。慌ててヒカルは神社のある山の方を見た。しかしそこは只の山だった。クレーターができたわけでもハゲ山になっているわけでもない。
「山は無事か・・・・放火とかじゃないか?」
「うーん、警察もお祖父さんも、不審者とか発火しそうなタバコとかなかったって言うし・・・・」
「それで、祖父ちゃんは?!」
「無事よ。こっち」
美鈴はヒカルの手を引っ張って、「私立 星降小学校」の中へと入って行った。
中は夏休みとは言えども、大分ホコリを被っていた。開けっぱなしの引き戸から見える教室の中は、机と椅子が押しやられている。
「美鈴、学校・・・・」
「・・・・廃校、になっちゃったんだ。3月の終業式が最後だった」
少子化による児童の減少、低所得者の増加により公立へ通う児童が増えた事、小学校だけよりも中学や高校までの一貫教育の方が歓迎されていることなどが原因だった。
「廃校・・・・。
もう、誰もこないのか・・・・」
ヒカルは、誇らしげにランドセルを背負って、母親を引っ張りながら桜並木の校庭を走った時を思い出した。
「きみはなぜ歩いていくの・・・・」
知らず知らずのうちに校歌が滑りだしていた。
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チャットしますがいかがです?

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さっきまで列伝見てましたw
録画すっかり忘れてたんだぜ・・・・。

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親指メビ12

しばらくサタンビートルと話しをしていると、そこへサタンビートルの奥さんがやってきました。しかもご近所さんと一緒です。サタンビートルはメビウスを奥さんに見せました。
奥さんは、
「ふん! この子ブスねぇん」
と、言いました。ご近所の奥様方のサタンビートルも口をそろえて言います。
メビウスはそんなことは初めて言われたので、びっくりして何も言えませんでした。
(えーと、どういう意味なんだろう?)
しばらく首を捻っていると、次第にメビウスを連れてきたサタンビートルまで、
「おまえは虫翅もないし、腹で呼吸もできないじゃん」
と言いだしました。
「はい、種族が違うので」
メビウスは正直に返事をすると、サタンビートルは奥さんに腹からガトリングミサイルを喰らってしまいました。
「痛たたた・・・・。
お、おまえなんかどこへでも勝手に行っちゃえばいいじゃん」
メビウスは「よくわからない怪獣だなあ」と思いつつ、「はい」と返事をしました。
しかし今は空を飛ぶことができません。一生懸命に幹を降りていると、
「わっ?!」
うっかり手を滑らせて、幹から落ちてしまいました。しかし幸いなことに、落ちたのはヒナギクの花の上でした。
「良かった。助かった」
ヒナギクの上で太陽の光をたっぷり浴びたメビウスは、川の上流を目指して歩くことにしました。ユリアン王女のところに戻らなければいけません。
しかしそれはとても遠い道のりでした。

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星が降った町2

アメリカンスクールが夏休みに入ると、礼堂ヒカルは「星降駅」に降り立った。
名前こそロマンチックだが、それだけの駅だ。単線で、一時間に二本しかない電車が停まる田舎の駅である。
どうしてここに来たのかと言えば、「勘」である。
冒険家を目指しているヒカルは、勘を大事にすることにしている。道に迷ったらとりあえずペンや枝を倒し、クジは目を瞑って引き、マークシートは利き手と逆で記入した。今のところ結果は芳しくないが、勘は養えていると思っている。
夏休みには両親のいるロンドンに行く予定だったが、急遽祖父のいる星降町に行こうと思った。
それは勘だった。
ギター一本でストリートライブから始めたロックミュージシャンの父親は、笑って「そうか」と答え、既にロンドン行きのチケットを送りつけていた母親は「アホ」と冷淡に言い放った。
ヒカルは山に面した祖父の家に行くために荷造りを終えると、勘に従って星降町へとやってきたというわけだ。

「おー、懐かしいねー。7年ぶりか」
町を一望できる丘の上の展望台というか公園というか、まあそういうところに登ると、ヒカルは街を見下ろした。
駅前の少し賑やかな商店街と、平屋の多い住宅の近くに団地がまた別に固まっている。
「きゃーー!」
突然女の子の悲鳴が聞こえた。咄嗟にそちらに視線をやると、ベビーカーの中で尻もちをついている女の子が、丘の斜面を下っている。
「マジか?!」
「誰か止めて~~~!!」
ヒカルは荷物を放って走りだすと、三歩目で思い切って前に飛んだ。そのまま女の子を横抱きに抱えて芝生の上に転がる。ベビーカーはそのまま小石に躓いて宙を舞い、遊歩道の隣の雑木林に突っ込んだ。
「お~、間一髪~~!」
ベビーカーの行く末を耳で聞きとると、ヒカルはゴロンと空に向かって転がった。蝉の声がする夏空だ。
「あ、ありがとうございます!」
「いやいや、大丈夫」
何しろ冒険に危険はつきものだ。柔道と合気道の受け身だけはきっちり習っている。
ヒカルは起き上がって女の子の方を見た。セミロングでぱっちりした目の可愛い女の子だった。普通にタイプの子である。
「・・・・あれ? もしかして、ヒカル君?」
「はい?」
思わずヒカルは近眼のように目を細めた。女の子の顔を失礼ながらジロジロ見る。
「・・・・美鈴か?!」
「うそ?! どうして? なんでここにいるの?! また転校?」
「いや転校じゃねーし。今夏休みだろ。
ていうか、おまえこそ坂の上で何危険な遊びしてんだよ」
女の子がそんなことしちゃいけません。と妙に古臭い事を言いだすヒカルに、美鈴はぷくっと頬を膨らませた。
「しょうがないでしょ! 坂の上で『そのベビーカーを止めて! 中に私の子が!』って声がして、止めたら載ってたのがプードルの子犬で、私、犬が苦手だから『ワン!』て吠えられた途端に仰け反っちゃって、そしたらベビーカーに落ちちゃって」
「ケツがでかいからああなったと」
「ケツがでかいは余計よっ!」
眦を吊りあげた美鈴は、思いっきりヒカルを突き飛ばした。
「おおっと」
軽く後ろに両手を着いただけのヒカリは、そのまま笑い転げた。
「あははは・・・・! おまえ、犬見た時のリアクション、まだおかしいのかよ!」
「うるさーい!」
「お嬢ちゃん、大丈夫だった?」
そこへ犬の飼い主のちょっと太った派手なおばちゃんが来たので、慌てて二人は立ち上がった。
ヒカルは雑木林に落ちたベビーカーを拾い上げると、簡単に砂と葉っぱを払っておばちゃんに渡す。


(ふむ、なかなか見どころのある青年だ。
もしかしたら、選ばれし者の可能性がある)

その光景を、見ていたモノが呟いた。

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