もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

プリンセス ランサム55

咄嗟にゼブルンは横に飛んで避けた。床のような場所にヒビが入ったが、大丈夫だろうか。
「キルシュさん、ペシェさん、こういう傷って大丈夫ですか・・・・?」
『重要なデータはボックス化されていますから、それを壊さない限りは修復できますよ』
「な、なら大丈夫ですねって、うわあああ?!」
「オラオラオラ!! 誰とか知らねーが、喋ってるヒマなんかねーぜ!!」
エレクトロン星人は楽しそうに笑いながらゼブルンに向かって飛んでくる。
「や、やめましょう! 他の人の迷惑になることをやってはいけません!」
ゼブルンの脇腹を静電気が掠めた。
「ぎゃあ!」
「何寝言いってんだぁ?」
『ゼブルン、早くやっつけちゃって!』
『そうです!』
「し、しかし・・・・」
女の子が物騒な事を言うのに戸惑って、ゼブルンはエレクトロン星人の方を見た。
「そ、そうだ! 話し合いましょう! 暴力だけでは何も解決しませんし!」
「バーカだろおまえ」
エレクトロン星人は、これ以上ない程面白いものを見つけたと唇を吊り上げる。足を振り上げて虚空を蹴ると、稲妻が迸る。
「ひいっ!」
咄嗟に避けたゼブルンの眼前に拳が迫る。それをぎりぎりで仰け反ってかわし、伸ばされた腕はバック転で開いた足の間を通して逃れた。
エレクトロン星人はその動きにイラっと来た。逃げるのが上手いといえばそれまでだが、これだけの図体をしているのに、まだ一度も掠っていない。
「話合う必要なんかねぇ! 必要なら奪い取る!!」
拳から肘までが一気に光輝く。一足飛びに距離を詰め、喜色に満ちた表情でゼブルンの顔目がけて右ストレートを放つ。
一瞬にも満たない刹那、ゼブルンの両腕もきらきらと輝く粒子を身に纏った。左腕でエレクトロン星人の拳を弾くと同時に右腕が星人の腕を抱きこむ。
「暴力はいけません!!」
ゼブルンは一本背負いで星人を投げ飛ばした。
「ぐおおお・・・・・!!」
叩きつけられた床をぶち抜いた星人は、更に下層のフロアを5段ほど破壊しながら落下していく。
「あ、あれ・・・・ええええええ?!」
断末魔の声が聞こえた気がして、ゼブルンはあたふたと無意味に壊れた床の周りを走り回った。
「ど、どうしましょう?! そ、そんなに力を入れたわけじゃないのにっ!」
『やりましたね、ゼブルン!』
『流石ですよ! 凄い!』
「いえ、あのー・・・・」
『エレクトロン星人の消滅を確認。ゼブルン、帰還しなさい』
ディナの無慈悲な声が数値だけの世界に響いた。

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プリンセス ランサム54

強制的に自らの体を数値化されたゼブルンの目の前には、宇宙空間が広がっていた。無数に散らばる星々はそれぞれ企業や個人の、あるいは政府や公共団体等のネットワーク窓口で、そこからたくさんの小さな光が飛び出し、吸い込まれ、情報のやりとりをしている。それはまるで珊瑚のような、海洋生物の動きに見えた。
ゼブルンの目の前に、トゥインクルウェイのような煌めく道が敷かれている。
「これは?」
『プラネットムービーワールドへの直通路です』
『それを通って、ワールドのセキュリティシステムに入ってください』
テレパシーでキルシュとペシェの声が聞こえる。
「はい」
ゼブルンは言われるまま、光のトンネルの中をくぐっていく。
着いた先の星に足を踏み入れると、縦横無尽に光のネットが張り巡らされ、蜘蛛の巣を通りこして何かの繭の中に来たような感じがした。
「へっ、来たかよ。宇宙警備隊がよ」
初めて聞く声にゼブルンがそちらへと顔を向けると、繭の中心に微かに静電気で体の周囲をガードしているかのような、白金色の星人がいた。
『やっぱり、エレクトロン星人です!』
『気をつけてください! ゼブルンさん、電脳空間だと身体が全部数値化してますから、あいつにヘタに接触したら、体のデータを書き換えられちゃいますよ!』
「ええ?! そ、そんなのどうやって相手したらいいんですかっ?!」
「おーおー、誰かに外からお守してもらってんのか~? 図体のデカイガキは帰んな。俺の相手するならゾフィーでも連れてこいよ」
エレクトロン星人は、げらげら笑って手を振った。その声が唐突に途切れる。
「そうかな? 私を相手にするには、君は少々役不足な気がするがね」
背後から聞こえた声に慌ててゼブルンが振り返る。開いた扇子をぱたぱたと動かしながら、ゾフィーが涼しい顔をしていた。
「てめえ、ゾフィーか! へっ、まさか本当に出てくるとは思わなかったぜ」
エレクトロン星人の口元が三日月のように釣り上がる。
「皇帝陛下に出す土産にゃ丁度いい」
「だろうな」
ゾフィーは自分の喉を撫でた。
「だが、それも実際に私を倒せたらの話だ。まずは彼の相手をしてもらおう。
まあ、瞬殺だと思うがね」
「ええ?!」
驚くゼブルンの肩に、ゾフィーがぽんと手を置く。
「ハッタリは効かせた。あとは一瞬で決まるぞ。相手が君を侮って今すぐ仕掛けてくるか。様子を見ている合間にこちらから仕掛けるか。
頑張ってくれ」
「た、隊長ーーーーー?!」
そのままスゥっとゾフィーの姿が消える。
「瞬殺だぁ? それはこっちの、話しだぜっ!!」
エレクトロン星人が、ゼブルン目がけて一直線に飛びかかってきた。
「わーーーー?!」

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プリンセス ランサム53

「ええ?! わ、私がですかっ?!」
ゾフィーはもう一口ハーブティーを飲んだ。
「うむ。彼女達は戦闘訓練は最低限しか学んでいないし、私とディナは当然出られないし」
「し、シメオンさんはっ?!」
「あたしもダメ~。一応、王女と顔見知りだから、調印の時にいなくちゃいけないの~☆」
お姫様を不安にさせちゃいけないでしょ? とシメオンはパックを取り出した。自分のお手入れにかかったら、絶対にシメオンは動かない。
「し、しかし私は戦闘が苦手でっ!」
「戦いにハッタリは重要なファクターだぞ。向こうがひるんだ隙にテキトーに倒してしまえばいいのだ」
「ハッタリなんて、そんな・・・・! その、口下手ですし・・・・」
「黙って睨みつけていればいいだろうに」
「睨みつけるヒマなんてないようにしちゃえばいいんですよ!」
完全に息巻いているキルシュとペシェは、ゼブルンの腕を両側からそれぞれ取ると、画面の前に引きずっていく。
「電脳空間で一番強いのはエレクトロン星人ですから、たぶん今回も出てきてると思います」
「でも大丈夫! ペシェ達がちゃんと外側からサポートしますから!」
「あの、ちょっと、キルシュさん、ペシェさん?!」
二人の少女の行動力に、2人の二倍は体格の良い大男がわたわたと焦る。
「「行ってきてくださーーい!!」」
「わあっ?!」
ゼブルンの巨体が、赤い粒子となって情報の渦巻く世界へと突き落とされる。キルシュとペシェはすぐに自分の席につくと、猛烈なスピードでキーボードを叩き始めた。
「今から敵さんの居場所をサーチして、ゼブルンに送ります」
「そちらも何か情報を見つけたら、こっちに送ってください」
『は、はい・・・・・』
三人のやりとりを見ながら、ゾフィーはまたお茶を飲んだ。
「ディナ、休憩時間にしよう」
「はい」
思ったよりも穏やかに返事をしたディナに、ゾフィーは機嫌良く追加した。
「何か甘いものでもないか?」
「探してまいります」





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プリンセス ランサム52

「たいちょ~、目が疲れてきましたぁ~・・・・・」
「しぱしぱしますぅ~・・・・」
キルシュとペシェは画面からげんなりとした表情で顔を離した。
「ええい、文句を言うな! 私だってやっているんだぞ!」
そもそも最初に監視カメラを見だしたのはこの二人のはずである。
「やっぱりカメラが多すぎますぅ~」
「目に良いハーブティーを淹れましょう」
ゼブルンが席を立って、いそいそとキッチンスペースに向かう。
「隊長」
文句の一つも言わずに同じく監視カメラの映像を見ていたディナがゾフィーの方を向いた。
「どうした?」
「これを」
ゾフィーは席を立ってディナの隣に立つと、彼女の指す画面を見た。
「見てください。今、この映像が流れています」
「うむ」
「この映像は、15分程前にも流れました」
「なんだと?」
ディナは別のプレートで同じ画面を出すと、さっき読み取った画像をそちらでリプレイさせる。
「本当だ! 全く同じ姿の人間が、同じ行動を・・・・・」
「時間の表示だけずらしてあります」
「「ええーーーー?!」」
キルシュとペシェはステレオで声をあげると、ディナの後ろから画面を覗き込む。
「そんな!」
「ループも定期的ではなく、ランダムに組み替えているようです」
「あ~ん!」
「バラバラに行動しているのか、計画的なのかはわからんが、いっぱい食わされたな」
「やー! 悔しい~~~!!」
冷静に状況を分析するゾフィーとディナの後ろで、双子の少女は悔しがって飛び跳ねた。
「あたしたちがコンピューターネットワークで負けるなんて・・・・!」
「許せません!!」
「この様子では、テーマパーク内で起きたトラブルも、管理センターに伝わっていないかもしれません。最悪、王女の身に何かあっても・・・・・」
「すぐにイサカルと連絡をとって、現場だけで動くように指示をしなければいかんな。
それと、タロウを呼び戻せ。今すぐに」
「「隊長!!」」
「うわっ?!」
左右の耳元で怒鳴られたゾフィーは跳ね上がった。
「あたしたち、これから電脳空間の中に入ってきます!」
「ネットワークシステムを乗っ取った星人をやっつけてきます!」
「お茶入りましたよー」
呑気にゼブルンがトレイの上にティーカップを乗せて戻ってきた。
「意気込みは買うが、君達の戦闘力は前線に出せる程高くない」
ゾフィーはゼブルンから渡されたお茶を一口すすった。
「うん、美味いな」
「ありがとうございます。ディナさんもどうぞ」
「ありがとう」
「ゼブルン」
「はい」
「ちょっと電脳空間に入ってきてくれ」
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テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

ディシディア クリアーーー!!!

睡眠時間も削って、ひたすらボタンを押していた格闘ゲーム、やっとクリアです!
レベル100でもまだ3回もやられましたが、なんとかクリアー! やったーー!!
指にマメだのダコだのできるほどボタン押しまくったゲームなんて初めてですよ。RPG畑の人間には、これでも難易度高すぎます。
あー、でもクリアできて良かった! EDよかった! 最高!

あと9人分のムービーがあるんでで、もうちょっとゲームにはまります。でもカオスレポなんて集めていられません。素材集めとかアイテムコンプリートなんて無理!



拍手、ありがとうございます!

4コマさん>メビは三人そろうと必然的に冷静な感じに。でもゼノンが頑張ってくれるので、中間というか、割となんでもこなしてくれるポジションです。

yamiさん>はーい、普段は地球人と変わらないサイズで過ごしています。コーヒーセットとか地球のアイテムをそのまま使うのに、そっちの方が都合がいいので、そういう設定にしています。「アフターケア」で、巨大化しようとするメビもいとう書いてます(してないけど)。
体のサイズを変えるだけ、ウルトラ世界とその他の世界(今回なら列車強盗とか)の切り替えができるのがいいかな~と思っています。マックスはタロウと似ている?からか、手のひらに人を乗せる感じが似合うと思います。アグルもやったけどね。でも、なんかほのぼの感が漂うのはマックスだと思います。

テーマ:小さなしあわせ - ジャンル:日記

プリンセス ランサム51

目を回したマックスの視界の正面を、やけに大きくなったメビウスが飛んでいく。
「メビ?!  そうか!」
マックスも身を起こすと、窓の外へと飛び出した。
メビウスは落下する車両の先頭を抱えた。念力も加えて、ふわりと優しく。だが、次々と落ちてくる長い車両の全ては、メビウスの腕だけでは足りなかった。7両目と8両目のつなぎ目が、みるみる鋭角的になっていく。
「待って!」
金属の悲鳴が聞こえたメビウスが叫ぶと、赤い光が車体を包んだ。
「おー、間に合った!」
自分と同じく巨大化したマックスが真ん中の車両を抱えている。
「マックス!」
「へへ・・・・間に合ったぜ」
「こちらも無事だ」
最後尾の車両はゼノンが支えている。
「良かった、間に合った・・・・・」
マックスの抱えている車両の中から、アルテアが手を振っているのが見えて、メビウス達はほっと胸を撫でおろした。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

プリンセス ランサム50

「くそ、こうなったら直接外に・・・・・」
「先行くね!」
窓から身を乗り出しかけて振り返ったメビウスは、ゼノンを視界に見とがめて思わず叫んだ。
「ゼノン、足!!」
ゼノンが反応するより先に、マックスがゼノンを突き飛ばした。車掌と一緒に狭い床と壁に挟まれるようにして倒れたが、ほんの微かにしか表情は変化しなかった。
「なんだ、こいつは・・・・!」
制御基板の影から、ナイフを持った黒い手だけが伸びていた。手は何かを探すように、くるりと周囲を見渡す(?)と、そのまま影の中に戻っていく。
「どうやら、ここを破壊した犯人のようだ」
ゼノンは立ち上がると車掌を助け起こす。だが、猛烈な衝撃が来て、体が宙を舞った。
「うわああああ!!!」
マックスも車両の出入り口に叩きつけられる。窓から身を乗り出していたメビウスは、風圧で外に放り出された。
(列車が!)
飛ばされ、回転するメビウスの視界の中で、壊れたレールの上から転落していく列車が、窓の中でシートにしがみついているアルテアの姿が見えた。
(間に合え!!)
メビウスは反転して体を40メートルクラスに巨大化させると、転落していく列車の下に飛び込んだ。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

プリンセス ランサム49

「ほ、本当ですか?!」
車掌が身をかがめて、若すぎる隊員を見た。種族が違うから、外見年齢からどうのこうの言えるものではないが。
「はい」
マックスとメビウスは猛烈な勢いでゼノンの腕を引っ張った。
(ちょ、ちょっとゼノン! そんなこと言って大丈夫?!)
(おおおおまえ、ちょっと言いすぎだろ!)
(先に言ったのは君だ)
(そりゃ言っちまったけど! でも、こんな大々的じゃ・・・・・)
既に周りの乗客たちも車掌も、かなりの期待を込めた視線を送ってきている。
(ひいいぃぃぃ・・・・! なんか怖いいぃぃぃ・・・・!)
ゼノンは相変わらず無表情だ。この野郎と、マックスはゼノンを睨みつけた。
「で、ではこちらに!」
車掌は敬礼すると三人を制御基板のある車両へと連れていく。
「頑張ってくださいましね」
アルテアが笑顔で見送った。


制御室は、一目でわかるほど、破壊されていた。
「ここで、衛星軌道上にあるコントロールルームから遠隔操縦を受けているのですが、それを壊されてしまって・・・・」
マックスとゼノンは基盤の破壊跡を見た。
「短めの刃物で何度も切り裂いているようだ」
「つーか、これ無理だろ。治すの」
多分、ウルトラダブルスパークでもないと無理だろう。
「って、そんなこと言ってる場合じゃないよ!」
メビウスはここだけは開くようになっている窓から外を見た。
「もう崖が目の前に来てる!!」

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

拍手! ありがとうございます!

すみません、ディシディアにどっぷりハマリ中です。指痛い。でも頑張って全員LV70になりましたよ!
あともうちょっとでクリアできそうです。589トリオの可愛らしさってなんですかもう! どうも私はトリオに弱いようです。

4コマさん>獅子兄弟、なかなか出てこなくて申し訳ない! ひきつってるお子様たち。大騒ぎしながらも事件が解決できるような子供になってほしいですねー。

テーマ:小さなしあわせ - ジャンル:日記

プリンセス ランサム48

「皆さん、落ち着いて! 落ち着いてください! 間もなく救助隊が到着します!」
車掌は声を張り上げて、必死になだめて回るが、パニックになった乗客たちは誰も耳を貸さない。
「おい、ポイント切り替えって?!」
マックスがメビウスの方を見た。
「この映画って、最後捕まえた盗賊達と一緒に、暴走して崖から落ちそうになる列車を止める映画なんだよ! 敵だった人が仲間になってくれるから、好きなんだけど。それで、崖と通常の道との間のポイント切り替えが・・・・」
「要は二股に分かれた線路の片方が、崖だ」
ゼノンが完結にまとめた。
「って、ことは崖に真っ逆さまってことか?!」
「た、たぶん・・・・・」
「マズイじゃねーかあぁぁぁ!!」
「そんなことはわかっている」
絶叫するマックスにゼノンは真顔で返事をした。アルテアはイマイチわかっていない表情で、メビウスに尋ねた。
「メビウス様、わたくし達、これから崖から落ちてしまいますの?」
「みたいなんですけど、でもどうやったら落ちるのを止められるか・・・・・」
「途中で何かにひっかかれば、落ちることは止まりますわ」
「そうですね」
ゼノンは車掌の方を向いた。
「ブレーキの故障具合を教えていただきたい。我々は宇宙警備隊です」
淡々とした落ち着きのある口調に、周囲の乗客たちが静まって行った。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

プリンセス ランサム47

「うわあああ?!」
突然の衝撃で、体がシートから浮き上がり、叩きつけられた。
「痛っ・・・・」
「な、なんだあ?!」
他の乗客たちも悲鳴をあげ、ついで不満を口々にぶちまけはじめた。
「皆さん、落ち着いてください!」
少しボロボロにやった車掌が他の客車を回って入ってくる。
「お静かに! 脱線はしておりません! このまま運行は続けていきます。ただ、申し訳ないのですが、アトラクションは中止とさせていただきます!」
「えー!」
「なんで停車しないんですか?!」
「窓ガラス割れてますよ!」
それはさっきツルク星人が割ったやつである。
「停車しないのにアトラクションショーはなしになるんですか? なんで?」
「そ、それは・・・・」
しどろもどろになる車掌に車内の視線が突き刺さる。
「でも、もう少しスピードは下げた方がよろしいかと思いますのよ」
窓の外を見ていたアルテアは、隣に座っているメビウスに話しかけた。
「ごらんになってくださいませ。先程メビウス様と外を拝見した時よりも、どんどんスピードがあがっておりますわ。これではせっかくの景色が見れなくなってしまいます」
「!! まさか・・・・」
メビウスは車掌の方を振り返り、駆け寄って小声で囁いた。
「もしかして、ブレーキが利かないんですか?!」
車掌の顔が一気に蒼褪めた。
ゼノンはある事に気づいて、破れた窓から身を乗り出した。
「まずい、先頭車両がポイント切り替えを通過した!」
「ポイント?」
隣の席の客が悲鳴をあげる。
「ぽ、ポイント切り替えまでがアトラクションじゃないか! 崖から落ちちまうぞ!!」

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プリンセス ランサム46

「なっ・・・なっ・・・なっ・・・なんで、エンペラ星人が・・・・・」
ようやく我に返ったものの、メビウスは上ずった声をあげた。光の国の者からすれば、とんでもない巨悪の化身だ。
「ええと、ゾフィー様からお話があったと思いますけれど、わたくし達リーリブはエンペラ星人の支配下を離れ、銀河連邦に加盟することになりましたの」
「申し訳ないが、そういった機密事項は我々にまで届いていない」
「ひぃぃぃぃ・・・・た、隊長クラスの機密事項って、エンペラ星人って・・・・・」
「ま、まずいよね? まずいよね?」
あたふたと無駄にパニックになっているマックスをメビウスを横に、外面に引きずられて冷静になりつつあるゼノンはアルテアに再度質問をした。
「念のために、『ウオーリアオブライト』とは関係ないのですか?」
「まあ、わたくしその方のお名前は存じ上げませんでしたわ。どなたですの?」
アトラクションとは完全に関係ない。ゼノンは楽観的すぎた自分たちの考えを頭の中で光線技を使って燃やした。
「知らないなら構いません。
あなたはここまで一人で来たのですか?」
「いいえ」
アルテアは何かを思い出して嬉しそうに微笑んだ。
「ここまではレオ様とアストラ様が連れてきてくださいましたの。デスパイダー星人に襲われた時は、レオ様がお守りくださいましたのよ」
「ああ・・・ウルトラ兄弟が出るような事態があぁぁぁぁ・・・・!」
「あああああの、レオ師範とかアストラ師範代はどうしたんですか?」
アルテアは頬に手を当てて首を傾げた。
「そういえば、どちらに行かれたのでしょう?」
(迷子になったんだな)
(勝手に出歩いたな)
(たぶん、困ってるよね)
のほほんとしたアルテアにつられて、落ちつきを取り戻した子供達は、額を寄せ合った。
「どうする?」
「レオ師範とか、何処にいるんだろう?」
ふうっと溜息をついた瞬間、列車が激しく揺れた。

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プリンセス ランサム45

金属がへし折れるような悲鳴が上がる。腕が後ろにまで回らないのを幸いに、三人はツルク星人の背中に乗っかり、手当たり次第にキックやパンチでボコボコにしていった。卑怯だとかは考えない。何しろ怖いのだ。
やがてパタリとツルク星人の剣が地面に落ちたのに、メビウスが気づいた。
「し・・・死んじゃった・・・・?」
「いや、生きてる」
ゼノンはツルク星人の背中に耳をつけると、そーっとその上から退いた。マックスとメビウスもそれに倣って、そっとツルク星人から降りる。
「気絶、したか・・・・助かった・・・・」
「こ、恐かった・・・・・」
寄りそう三人の元へ、アルテアが少しふらつきながらやってきた。
「皆様、ご無事で何よりですわ」
「う、うん・・・・」
「とりあえず、この場から逃げた方がいいな」
「早く列車に戻ろうぜ」
三人はどちらかというとアルテアに寄りかかるようにして固まると、まだ走っている『パニック列車』に飛んで戻った。


列車の破れた窓から戻り、車掌さんに説明はしないがとりあえず謝った。
「あ~、疲れた~・・・・」
座席に戻ったマックスは、開口一番にそう言った。
「アトラクションにツルク星人はないだろ。怖すぎる」
「いや、あの・・・多分、違うと思うけど・・・・」
メビウスは隣に座ったアルテアを見上げた。さっきこの席に座っていた時と同じように、アルテアはにこにこしている。
「アルテアさん、誰に狙われているんですか?」
「エンペラー星人ですわ」
子供達は一瞬で石化した。

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プリンセス ランサム44

「メビウス、しゃがめ!」
上から聞こえたゼノンの声に、メビウスは考える暇もなく、しがみついているツルク星人から手を放した。そのまま頭を抱えるようにしゃがみこむと、暴れるツルク星人に蹴飛ばされた。
「うう・・・・・」
痛みにうめくメビウスの頭上では、ゼノンとマックスが必死にツルク星人を押さえていた。
「落とされるなゼノン!」
「わかっている!」
ゼノンはツルク星人の目を押さえたまま、前後に振り回されるのを必死に耐えていた。目の見えないツルク星人は、闇雲に自分の頭上めがけて刃を向ける。
「させるかよっ!」
マックスはちょっとだけ体を放すと、勢いをつけて再度ツルク星人にタックルした。バランスの崩れた星人は、メビウスに躓いて地面に倒れる。
「痛い!」
「メビ!」
すぐ側で聞こえたマックスの声にメビウスは顔をあげた。ツルク星人が倒れている。ゼノンもだ。
「今しかない!」
マックスが真っ先に立ち上がり、ツルク星人の背中に飛びかかった。両足をそろえたドロップキックが背骨に決まる。ゼノンが立ちあがるのが見えて、慌ててメビウスも地面に手をついて立ち上がる。卑怯だとか思う以前に、地面を蹴ってジャンプすると、ツルク星人の足を思いっきり踏みつけた。

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プリンセス ランサム43

「あ、アルテアさん、逃げて!」
とっさにメビウスは立ち上がり、身構えた。膝がガタガタと震えて、腰がみっともなく引けている。それでも逃げるマネだけはしたくなかった。
ツルク星人は、メビウスに見せつけるように大きく右腕を振りかぶる。
「う、うわああああーーーー!!」
メビウスは声をあげて突進した。怖くて目を開けていられなかった。軽く出された爪先に転ばされ、転倒する。
「わわっ・・・・・!」
手を付いたメビウスの頬の横を、刃が疾った。
「ひっ・・・・・」
短く息を飲んで目をつぶる。だが、衝撃はこなかった。
代わりに金属が擦れるような、嫌な声が聞こえた。
「ゼノン!」
マックスの喜色の混じった声がして、思わずメビウスは振り煽いだ。
ゼノンがツルク星人の肩の上に乗って、目隠しをしていた。
「い、今なら・・・・!」
メビウスは立ち上がって、よろめきながらゼノンを振り落とそうとするツルク星人に飛びかかる。
「それっ!」
同時にマックスもツルク星人の背中からタックルをかけてきて、蹈鞴を踏んだツルク星人の刃が、メビウスの背ビレを掠った。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

イラスト、ありがとうございます!!

M787の管理人、う さんから、またもや素敵ないただきものが!!

10000


ありがとうございますーーー!!!

なんでも屋さんの兄さんとヒカリちゃんの二人に、お子様トリオ!
さらにおちゃらけたc調(タイラーか!)な兄さんまで!
もうもうもう! 私の大好きなウルトラさんばかりで大感激です!
仲良しトリオは大好きなのでもう最高に!
扇子と兄さんも実に良い取り合わせ!
何より兄さんの膝から先と足が! やばい、銀色のラインに見惚れてしまう・・・・・(うっとり・・・・)

本当にありがとうございます!


拍手、ありがとうございます!!

4コマさん>はい、レオに出てきたツルク星人です。怖いです。
当初は「ヘッポコ星人」とかテキトーにマヌケな星人を用意していたのですが、お風呂上りに書いたら、いつの間にかツルク星人になってしまいました。何故。
しかもツルク星人、スーツ改造してキングになったんじゃないかって疑惑まででてきましたよ。ハハハ・・・・。
お子様たちなので、今回はあまり痛くないように頑張ります!

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プリンセス ランサム42

そしてメビウスとゼノンの方にターゲットを定めたのか、ゆっくりとそちらに体を向けた。
「ひえええ・・・こ、こっち来る・・・・・」
メビウスが慄いた一瞬、ツルク星人が飛び上がった。
「わあああ!!」
飛び退く間もなく、メビウスは横に転がった。地面が裂ける音が背後でして、剣圧でふわりと体が浮かび上がった。
「!」
そして地面に叩きつけられる。
「うわあ!」
受け身も取れずに倒れたメビウスの肩を、誰かがそっと優しく触った。
「メビウス様、大丈夫ですか?」
「うう・・・・あ、アルテアさん?!」
メビウスはアルテアの顔を見ると、背後を振り返った。ゼノンの姿がない。ツルク星人が空振りした剣を彷徨わせている。
「ゼノン? ゼノンは?!」
「おりゃーーー!!」
マックスがマクシウムソードを手に、ツルク星人の背後から殴りかかる。星人は、それを振り返りざまに弾き返した。
「うわああああ!!」
短剣と共にマックスが吹っ飛ばされる。頭から地面に落ちたマックスはすぐに立ち上がろうとしたが、右手に力が入らなかった。
「くそ、痺れてる・・・・なんて、パワーだ・・・・・」
「ああ、マックスが・・・・・」
「マックス様!」
アルテアが口元を覆って悲鳴をあげた。ツルク星人は赤い瞳を光らせて、ゆっくりとメビウスとアルテアの方へと歩いてきた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

プリンセス ランサム41

「何ーーー?!」
首だけ振りかえったマックスは、体だけは構えつつ、ちらちらとツルク星人の方を見た。
「マジか! なんでもっと早く言わないんだよ!」
「だ、だって・・・今やっとじっくり顔見たから・・・・」
「ヤバさマックスだろ! ツルク星人なんて!」
「マックスは君だ。落ちつけ」
緊張している気配はするものの、相変わらず無表情なゼノンを少々頼もしく思いながら、マックスは星人を睨みつけながら一歩下がった。
「レオ師範がボコボコにされたって聞いたぞ。どうするよ。喧嘩売っちまったぞ」
「だ、だってアルテアさんを見捨てるなんてできないよ・・・・。や、やるしかない・・・・」
「その通りだ。倒す必要はない。彼女を奪還できればいい」
メビウスの声は震えているが、感情の伝達神経がぷっつり切れているゼノンの声は何時も通り平板だ。
「で、作戦あるのか?」
「敵の手は二本。おまけに片手は塞がっている。我々は三人だ」
「こっちより早く動かれたらどうするんだよ」
「空振りさせればいい」
続きを促すヒマはなかった。ツルク星人が、アルテアを捨てて、獰猛な笑みを浮かべて子供達に向かって飛びかかってきた。
「「「ぎゃーーー!!!」」」
咄嗟に左右に別れて転がる。さっきまで固まっていた地面が、一文字に切り裂かれていた。
「や、やばい・・・死にそう・・・・」
「は、早い・・・・っ!」
振り返ったツルク星人は、ふた組に分かれたどちらから狙おうか、楽しみに目を動かす。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

プリンセス ランサム40

アルテアは、先程までいたジャングルの方面へと連れ去られているのがわかった。何故そちらに向かっているのかわからないが、間違いなく自分を殺しに来ているのだ。
「わたくしを殺しても、我がリーリブの決定は覆りません。大人しくエンペラ星人の元へ帰りなさい」
赤い目をした星人は、アルテアを見下ろすと、金属を軋ませるような声を発した。唸り声かとも思ったが、それが長く続くと、その星人の言語かも知れないと思い直す。
星人が一旦言葉を切り、更に何か言おうとした時だった。突然星人が首を反らせた。と、同時にアルテアを抱えたまま落下し始める。
「きゃーーーー!!」



マックス達は猛スピードで空を飛んだ。幸い、向こうは飛ぶスピードはそれほど速くないらしく、姿は見えている。
「アルテアさんはまだ無事みたいだ」
「だが、なぜ彼女を狙ったのだ? あれは本物の強盗かテロリストか?」
「わからないよ。無関係な人を一方的に人質に取る、非道な星人もいるって聞いたことがあるもの。
・・・・それとね、」
「どっちにしろ、俺達の前で誘拐しようなんて100万年は早いって教えてやるぜ!」
メビウスが言い終わる前に、マックスは頭部に手を当てた。大分距離が縮まっている。威力は弱いが、アルテアがいる以上、むしろ都合が良い。
「いっけええーーーーー!!」
マクシウムソードが空を裂き、星人の後頭部を直撃した。イイ音がして、星人の首が90度ぐらい曲がる。
「よしっ!」
そのままアルテアを抱えたまま落下した星人に向かって突進する。だが、星人は途中で体制を整えた。空中で一回転すると、アルテアを抱えたまま着地し、マックス達を睨みつける。
距離を取って着地したマックスは、金属音のような声を立てる星人に向かって得意そうに指をつきつけた。言葉はわからないが、たぶん怒っている。
「その人を放せ! さもなきゃ、宇宙警備隊が相手になってやるぜ!」
「マックス様、ゼノン様、メビウス様!」
アルテアが嬉しそうに子供達に気づくが、ゼノンがマックスの後ろでぼそりと呟いた。
「まだ予備役だがな」
「余計なこと言うな!」
「マックス、ゼノン」
二人の背中を、そっとメビウスがつついた。
「あれ・・・・・ツルク星人に見えるんだけど・・・・・」

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プリンセス ランサム39

列車が動き始めて30分程経った頃だった。
突然、車内のモニターが点灯した。映ったのはコミカルな仮面をつけた男たちの姿だ。
『はーっはっはっはー! パニック列車の乗客の諸君! この列車は我々”キシソノクア盗賊団”が乗っ取った!』
車内が一気にわっと盛り上がる。
「待ってましたー!」
「ひゅーひゅー!」
マックス達もモニターの中の盗賊団を見て、「よっしゃー!」とカードをかたずけ始める。
この後盗賊団が乱入してきて、車掌と一緒に運転席に行って、列車を乗っ取った盗賊団を退治しにいくのだ。映画でもマヌケな盗賊団だったから、アトラクションに向いているのだ。
「早く来ないかな」
「うん」

         バリーン!!

突然、窓が割れた。外から何かが飛びこんでくる。いきなりの事であっけにとられている乗客たちを無視して、それは立ち上がった。銀色の印象の薄い顔だが、目だけが赤くギラギラと輝き、髪が生え、両腕は手の代わりに幅広の刃になっている。
「あれ? 盗賊団、あんな格好だったっけ?」
「いや、違う星人の姿していたと思うが・・・・・」
「というか、あの星人の姿、どこかで見た気がす」
メビウスが最後まで言い終わらないうちに、星人はつかつかと彼らの方にやってくると、おもむろに刃を手に変形させて、アルテアの腕を掴んだ。
「きゃあ!」
無理矢理立たせられたアルテアが悲鳴をあげる。
「何す・・・・」
マックスは一瞬声を上げようとして、途中で思いとどまる。これはアトラクションかもしれないのだ。
星人は子供達には目もくれず、アルテアを引きずって割れた窓から出て行った。周囲の乗客たちは、予測していた展開とは違う流れに、ざわざわと騒ぎ始める。
その時、車両のドアが開いて、車掌が現れた。
「皆さん! 今”キシソノクア盗賊団”からの予告が入りました! 彼らは操縦室を狙っています! これから皆さんと一緒に・・・・・」
「あの・・・・・」
車掌の近くに座っていた女性が控えめに声をかけた。
「さっき窓割って入ってきたんですけど・・・・・」
「は?」
間の抜けた車掌の答えに、メビウス達が立ちあがる。
「ごめん、車掌さん! ちゃんと戻ってくるから!!」
そのまま一気に割れた窓から、外に飛び出した。


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プリンセス ランサム38

『パニック列車』は20両程の長さの列車で、一度に千人程が移動できる。車両の内部はどこも同じで、対面式に4人が座れる席が窓際に並んでいて、各車両間をつなぐ通路の上には、中型だが、見易いのモニターが取り付けられていた。
乗客たちが席につくまで、駅員の制服を着たスタッフが誘導してくれる。
「それでは、皆さん、良い旅を!」
スタッフ達が手をあげて車両から出て行くと、メビウス達は早速窓にへばりついた。アトラクションとは言え、1時間のうち半分以上はただの列車だ。それまでの間、開くことのできない窓の外を眺めることしかできない。
「あ、ほら! 動いた!」
メビウスはジャングルの中の駅から列車が動き始めたのを感じて、嬉しそうに窓にへばりついた。
「パラシュートリスザルが飛んでる! 見て!!」
メビウスの後ろから、アルテアも窓の外を覗いた。
「まあ、可愛らしいですわ」
徐々にスピードを増していく列車に、ジュエルバタフライが近づいてきて、置き去りにされていった。
「あー、もう見えなくなっちゃった」
「残念ですわね」
二人は残念と言いながらも、変わっていく景色から目を放さない。
「メビー、カードゲームやるかー?」
「うん、あとで・・・・・」
「あちらで走っている動物はなんでしょう?」
「あれはガガゼトっていうですよ」
「そうですの。とても早く駆けることができますのね」
ゼノンは二人の会話を聞きながら、座席についている小さなテーブルを引き出すと、カードを置いた。
「気にするな。1時間程度だ」
「ま、それもそうだな。よし、どっちが先行が決めるか!」
二人は真剣にカードの山を睨みつけ始めた。

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プリンセス ランサム37

「?!」
4人は突然聞こえた声に、顔を見合せた。
「だ、誰かの足、踏んじゃった?!」
だが4人で輪になっている中に、前後の人の足は入っていない。顔をあげて周囲を見渡すが、一緒に行列に並んでいる人達は、皆それぞれのグループで話をしたり、パンフレットを見たりしている。
「気の所為か?」
「だが、全員が聞こえたぞ」
「ひょっとしたら、こちらと同じものが地面にもあるのかもしれませんわ」
アルテアは行列用の通路のあちこちに立てられているポールの一つを押した。
『ようこそパニック列車へ! 私は車掌のマールートです。この列車は大陸を縦断する超高速弾丸列車です。ジャングルエリアから砂漠エリアまで地上をひとっ飛び! さあ、快適な旅を楽しんでください!』
隣のポールを押すと、今度はチケットを売っているブースの画像が出てきた。サクラの親子が列車のチケットを買っている映像だ。
「ほら、こちらも押すと映像が出てきますのよ。とても楽しいですわ」
「いや、でもなんかギャアって悲鳴が・・・・・」
「もっかい踏んでみるか?」
マックスは順番にアルテア、メビウス、ゼノンの影を踏んだ。ゼノンが足を伸ばしてマックスの影を踏む。
「・・・しない・・・・・」
「あら、残念ですわね」
「残念っていうか・・・・なんで?」
子供達は顔を見合せて首を捻った。
「あ、ひょっとしてこれが『お姫様を狙う刺客』じゃないのか?」
「だが、アトラクションの一部なら、もっと大々的に名乗りあげてくるはずだ。おそらくそれは関係ない」
「小人さんでも踏んじゃったのかな・・・・」
「皆様、前の方々が移動をし始めましたわ」
アルテアの声に誘われて動きつつ、まだメビウスは足元の影を、心配そうに見ていた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

プリンセス ランサム36

「あ~、それにしても行列待ってるだけってヒマだなあ」
マックスが少しだけ苛立ちの交じった声をあげた。さっき少し動いた所為か、体がなまっているような気がしてしょうがない。ここ数日、机にかじりついていたのだし。
「だが、ここでおおっぴらに体を動かすわけにはいくまい」
自分たちの後ろにも行列はできつつある。
「わかってるさ」
「あ、じゃあ影踏みしようか」
メビウスはストレッチをしはじめたマックスに向かって提案した。
「影踏み?」
「うん。タロウ教官に教わったんだけど、足元にできた影を踏むの。踏まれそうになったら逃げる」
「それだけ?」
「うん。前とか後ろの人に迷惑にならないようにちょっとだけ動けばいいと思うんだ」
「おー、ナイスアイディーア!」
マックスが喜んでメビウスに飛びつくと、アルテアも背中からメビウスに抱きつく。
「あ、アルテアさん?!」
「メビウス様、それはとても良いお考えですわ」
相変わらずのほほんと笑うアルテアが腕を解く。
「そうそう。んじゃ早速」
マックスがえい!とメビウスの影を踏んだ。
「あ、まだやるって言ってないのに!」
お返しにメビウスがマックスの影を踏むと、隣からゼノンもマックスの影を攻撃してきた。
「あ、このー!」
「動くのは一歩だけだ。それが周りに迷惑をかけないルールにしよう」
「じゃあ、はい一歩」
マックスは隣にいたアルテアの影を踏む。
「ぎゃあ!」
と悲鳴があがった。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

拍手、ありがとうございます!

すみません、最近日曜日はPSPばかりやっています。お返事とか遅れて申し訳ないです!
やっとLV30になったばかり・・・・。だってライトさん格好良いんだもの! スコール、8本編だとヘタレだとしか思えないというか、こいつクラウド以上の二重人格か?!ってなもんでしたが、ディシディアだとまとも! これなら違和感なし! 589のトリオが可愛すぎる! わーーー! 

いっつも拍手、ありがとうございます!

4コマさん>お子様なのでご都合主義なオツムです。状況しらずに大変なことに頭つっこみます。
そしてマックスは最強の運の持ち主だと思っています。たぶん運の良さはマックス>>>>ゼノン>メビぐらい。

報告さん>この三人は大物になると思いますー。てかメビは兄弟入りしているから大物ですね。マックスも巨大化できるから大物ですね。あれ、ゼノンがダメじゃないですか。ちょっくらゼノンの話でも考えてみます。

テーマ:小さなしあわせ - ジャンル:日記

プリンセス ランサム35

ゾフィーは久方ぶりに胃の痛みを覚えた。
「王女が、いなくなったぁ~~~~~?!」
『あっしも少々タカをくくってました。すいやせん』
『しかもやっぱテーマパークだから人が多くてさー。無理だった』
悪びれる様子もなく言い訳をするアシェルの横で、レオとアストラが肩を落としている。ルベンは見えないが、たぶん本でも読んでいるんだろう。
「あら~、じゃあ方向音痴の王女探すの、大変じゃないの~?」
ゾフィーの背中に胸を押しつけてシメオンが楽しそうに言う。つっぷしたゾフィーには、シメオンが何をやっているか気づく余裕がない。
「それだったらキルシュとペシェにお任せですよ!」
双子が元気良く手をあげた。
「プラネット・ムービーワールドの監視カメラにアクセスして、何処にいるか調べちゃいます」
天才ハッカーが二人がかりで、あっという間に巨大企業のネットワークを把握していく。
「たいちょー、惑星内だけで26万個ぐらいカメラありますけど、どうしましょう?」
「・・・・ジャングル付近から範囲を広げてくれ。各エリアは専用ルートを使わないと空も飛べないようになっているはずだが、ルート付近にしぼって検索だ」
「わかりましたぁ~」

メビウス達は、『パニック列車』の行列に並んだ。ジャングルのあるエリアから、『ゴールデンナイトアドベンチャー』のある砂漠のエリアへと走る、アトラクションも兼ねた列車である。
「前から乗りたかったんだよ~~~!!」
メビウスがやたらとはしゃいでいた。
「君は乗り物が好きだな」
「うん! だって乗ってるだけで景色が変わっていくから」
「自分で飛べばいいじゃん。風だって直に感じられるしさ」
「そうじゃなくて、のんびりしているのがいいんだよ。飛んでたら早くて、景色ゆっくり見るれないし」
「わかりますわ。わたくしも、庭を時々飛びますけれど、のんびり飛びまわっている蝶々たちを見ていると、とても和みますもの。一緒についつい立ち止まってしまいますわ」
アルテアの背中の透明な翅が、少しだけピンと伸びた。
その爪先から伸びる影の中から、刃が見えた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

プリンセス ランサム34

スナモグリオオカミキリムシは、腹を見せて泡を吹いていた。マックスはしゃがむと、マクシウムソードの先っぽでつんつんとつつく。細い脚がプルプルと震えている。
「虫って泡吹いて気絶すんだな」
ひっくり返っているだけだと判断すると、頭にソードを戻した。念力なんて使っていないから、ただの鈍器である。もっとも、使っていたって今のレベルではペーパーナイフ程度にしかならないが。
わっ! と歓声があがった。
「?!」
「な、なんだ?!」
いつの間にか、周囲をぐるりと取り囲むギャラリーで壁ができている。ピーピーと口笛がしたり、しまいには小銭まで飛んできた。
「あー、ショーと間違えたのかもしれません」
スタッフが身を屈めておひねりを拾う。
「あまり騒ぎにもしたくないので、そういうことにしておいてもらえませんか」
マックスは大きく頷くと、見物人たちに向かって、「イエーー!」と大きく手を振った。拍手が沸き起こる中、スタッフ達はスナモグリオオカミキリムシを担いで退場した。
「それにしてもアルテアさん、続けて大変でしたね」
さっきのエキストラの事も思い出したメビウスは、歩きながら彼女を見上げた。
「いいえ、皆様のお役に立てればそれだけで幸せですわ」
「お姉さん、エライね」
「我々もそうなるように努力しなくてはな」
「うん」
「まあ。では、皆様に恥ずかしくないようにふるまわなければいけませんわね」
アルテアは子供達を微笑ましく見下ろした。


(宇宙警備隊の連中は、あの場に釘付けだと思っていたが、まだいたのか。
だが、それも大した意味はない。この俺の前ではな・・・・・)
影がこそりと呟いた。

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