もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

FLYING TLOUBLE11

ゾフィーとヒカリは光の国へと戻った。ウルトラタワーの下では、既にウルトラの父や兄弟達が揃っている。
「あ、ゾフィー兄さん!」
エースが二人を指差した。
「ヒカリ!」
メビウスが着地した二人のところへと真っ直ぐ走ってくる。
「遅かったね」
「ああ、ちょっとな・・・・」
ヒカリはあの惑星での”愉快な”出来事を思い出し、顔を反らした。周囲に集まる弟達を軽く手で制止し、ゾフィーが父の前に進み出る。
「ウルトラの父。喜ばしい中、失礼します」
「どうした?」
「エンペラ星人の紋章の入った、小型のブラックホール発生装置を発見しました」
「なんだと?!」
父のみならず、兄弟達の間にも衝撃が走る。
「メビウスよりも先に戻ろうとした際に発見し、破壊してきました」
メビウスはその発言に固まった。
「す、すみません!」
そして勢い良く頭を下げた。
「隊長やヒカリがそんな大変なことをしていたのに、僕は・・・・」
「ああ、構わないぞ。メビウス。通常とは違うコースを通ったのは私だ。偶然だが、それが功を奏しただけだ」
「そうだ。こいつが勝手に・・・・」
親指でゾフィーを指したヒカリだが、はっと気づいて慌てて居ずまいを正す。ウルトラの父の目の前にいるのだ。自分は。
だが父はそれには気付かなかったようで、少し考え込むように俯いていたが、やがてマントを翻した。
「エンペラ星人の負の遺産は、まだこの宇宙に多く残っている。お前たちはそれを探しだし、破棄しなければいけない」
「はい!」
宇宙警備隊員達はピシリと敬礼をする。ゾフィーは弟達の方に向き直る。
「闇雲に探してもそうそうには見つかるまい。情報部が絞り込んでくるまで待機とする。
じゃ、今日はパーっとやるか」
「おお~~~!!!」
「え? え? え?」
おろおろするメビウスの脇で、兄達は早速打ち合わせに入る。
「ほら、メビウス。今日は君が主役なんだぞ」
タロウは満面の笑みを浮かべてメビウスを誘った。
「・・・・・・・・いいのか・・・・・・?」
「ヒカリ」
脱力するヒカリにゾフィーが声をかけた。
「なんだ?」
「私は一旦部屋に戻る。君も来てほしい。これからの配属先もあるし」
「わかった」
ゾフィーがウルトラの父に挨拶をして、先に二人はその場を離れた。ウルトラの父になんと言っていいかわからないヒカリは、ゾフィーについて頭を下げたのみだ。
二人は光の国の中心部にある、宇宙警備隊の本部ビルに向かった。ゾフィーは難しいそうな顔をして、一言も口をきかない。
(珍しいな)
やがて隊長室のあるセキュリティフロアに着くと、やっとゾフィーは口を開いた。
「博士、先程ウルトラの父が言われた、エンペラ星人の遺産だが・・・・・」
「ああ。あんなものが他にもあるとなると・・・・・」
「もしそれが、預金通帳だったらどうしよう?」
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FLYING TLOUBLE10

「どうもありがとうございました」
「気にするでねって。こっちこそ、元通りになって助かっただがや」
村人に介抱してもらったゾフィーは、彼らを見上げながら頭を下げた。ヒカリも少し浅めに頭を下げる。
ずんぐりむっくりだった村人達は、ひょろりとした本来の身長に戻っていた。見た目では、身長が三分の一ぐらいに縮んでいたようだった。
「皆さん、身長がお高かったのですね・・・・」
「あっはっはっは・・・まんず、小さいと不便でいけねって!」
豪快に笑う彼らにつられてゾフィーも笑うが、「こんなに細長かったのか?!」と耳打ちするヒカリの脛を蹴とばすのは忘れなかった。
「そうですね。やっぱり本来の大きさが一番ですよね。お役に立てて何よりです」
「おめたち、これから郷里さ帰ぇるのか?」
「はい」
「そうかぁ。まあ、また近くにきたら寄ってけろ」
彼らはそう言うと、村に伝わるお守りだと言って、素焼きのペンダントのようなものをくれた。
「ありがとうございます」
「それでは、失礼します」
二人は頷くと、光の国めがけて飛び立った。
「あんれま。人が空を飛んでるだよ」
村人達は、口を開けて彼らを見送った。



「良い人たちだったな」
「そうだな。それに、この陶器・・・かなり変わった土だ。地質を調べるのに、また来ても良さそうだな」
「ああ。比較的地球に近いし、パトロールに組み込むように言っておこう。エンペラ軍団の残党が残っているだろうしな」

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FLYING TLOUBLE9

「声もなく気絶してたら、死んでいたぞ! 確実に!」
怒鳴り返したゾフィーは、上半身の圧迫感・・・・というよりも、強力な磁石にでも吸い込まれそうな感じがしていた。
「ちょっと、動かないでくれ・・・・」
ゾフィーは腕を動かそうとしたが、もうそれほど努力をしなくても良かった。体が勝手に吸い寄せられる。地中圧と摩擦で傷だらけになった指先に何かが当たる。手の骨が砕けそうなほどの圧力だ。
「ヒカリ、これが何か、わかるか・・・?」
ゾフィーの声に、ヒカリも引っ張られる手を必死に抑えながら、土を引っ掻いた。暗い中、ほのかに点滅を繰り返す球体の装置がわかる。
「これは・・・・小型のブラックホール発生装置だ!」
「ブラックホールだと?!」
「今は予備電源しか稼働していない状態だ」
「予備電源でこの威力か・・・・・いったい誰が・・・・」
ゾフィーも苦労して首を上に向け、目を見開いた。
「エンペラー星人!!」
「なんだと?!」
「これはエンペラー星人の紋章だ!」
ヒカリは声を失って、小さな球体を見た。
「やつはこれを地球に落とすつもりだったのか?!」
「そこまではわからん。だが、やつの武器の一つには違いない」
ゾフィーは発生装置を握りしめた。
「ヒカリ・・・・・・・少し顔を・・・・・・退けてくれっ!!」
ゾフィーの右手が強烈な光を放つ。重力の影響と相まって光が揺らぎ、土が動く。そして猛烈に暑くなってきた。
「何をする気だ?!」
ヒカリは慌てて足の方から後退をし始める。
「うおおおおおおおおおおーーーー!!!」


クレーターの表面から、大量の土砂が沸き上がった。中心から光が立ち上り、膨れ上がった熱が爆発した。
「う、うう・・・・・」
土砂と一緒に更に削られたクレーターに叩きつけられたヒカリは、雨あられと降ってくる土砂を避けて飛び上がった。
「飛べる・・・・重力が戻った!」
上から見下ろしたクレーターは、削られた範囲を拡大させ、岩の多くが溶解していた。中心の最も深いところに、焼け焦げたような銀色が倒れていた。
「ゾフィーーー!!」
ヒカリは熱気の立ち上るクレーターに降り立つと、慌ててゾフィーを抱きかかえる。
「おい! しっかりしろ! 大丈夫か?!」
薄らを目をあけたゾフィーは、ヒカリの無事に微かに微笑んだ。
「・・・・あー・・・・・重かった・・・・・・」
そのままくたりと、気絶した。

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拍手、コメント、ありがとうございます!

報告さん>ヒカリは兄さんと一緒にいると、常に恰好悪くなってしまいますw つぶれたカエルのようにベッドから落ち、そのままほふく前進をして、クレーターに転がり落ち・・・・はて、なんででしょうか?

4コマさん>ブラックホールって光線が曲がるんですよねえ。兄さん、どうなっちゃうんでしょうか?

MAYUさん>ストーリーがちょっと・・・でした。あと、平成三人とミライが会話をしていないのが残念だな~と。格好良いD4はでしたけど。あと市民の応援が多すぎるっていうか・・・・。
だもので、自分で再構成小説、考えてみます。

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FLYING TLOUBLE8

何かが這ったような跡をつけていくと、やがてクレーターに辿り着いた。
クレーターの表面にも、誰かが転がり落ちたような溝と穴が空いている。
「・・・・落ちたな・・・・・」
ヒカリは呆れたように溜息をつくと、腕に力を込めた。
「重力異常はこのクレーターの中心から・・・・ということは、うかつに近づけば更に強くなった重力に押し潰される・・・・」
しかしゾフィーを助けに行くにはこの中心に入らないとダメっぽい。多分。一瞬念力でなんとか持ち上げられないかとも思ったが、そもそも自分一人すら飛べないというのに、ゾフィーを持ち上げられるとは思えない。
「仕方ない・・・こうなったら、やるしか・・・・!」
ヒカリは全身に力を込めて、立ちあがろうとした。
「うおおおおおお・・・・!!!」
腰が浮きあがり、大地を踏みしめ、両手をついて立ち上がる。よろめきながらも踏み出した一歩を、そのまま踏み外した。
「おわあ~~~~~?!」
比較的体重の軽いヒカリは、そのままクレーターの斜面をごろごろと転がって行き、中心の超重力に、埋まった。



「よし、腕も、なんとか、なった・・・ぞ・・・」
息も絶え絶えのゾフィーは、なんとか体勢を整えた。
「これで、なんとか、下に潜れ・・・・・・」

               ごん

「おぐっ?!」
「ぐはっ!?」
頭部に強烈な打撃を食らう。
「ぎゃーーー! 首ーーー! 首がああーーーー!!」
「やかましい! ゾフィーか?! ゾフィーだな?! なんでおまえはそんなに騒がしいんだ?!」

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FLYING TLOUBLE7

「うぐぐぐ・・・・・ち、地中の方が、更に重力、が・・・・」
ゾフィーのカラータイマーが点滅した。落下したおかげで不自然な大勢のまま地中に埋まってしまっている。おまけに重力は更に増大して、今にも骨が折れそうだ。
「い、いかん・・・・これではエースに笑われてしまう・・・・」
ゾフィーは土砂に押しつぶされそうになりながらも、必死に手と足を動かし始めた。
「重力は、もう少し下から発生しているようだが・・・・・」
頭がやけに引っ張られる感覚がする。膝の痛みに耐えながら動いていると、右足がやっと真っ直ぐになってきた。
「よし、次は左足だ・・・・」



「うぐぐぐ・・・よいしょ、よいしょ・・・・」
ベッドから脱走したヒカリは(派手な音を立てたので、バレている可能性が高いが)、ゾフィーの行ったと思われる方向に向かって、必死に這っていた。匍匐前進なんて、養成所の1年生の頃に少しやったぐらいで、ほぼ2万年ぶりぐらいになる。普段使わない筋肉が悲鳴をあげている。
「この重力下で怪獣が出たら、あいつ一人じゃどうにもならんぞ・・・・」
ヒカリのカラータイマーも既に赤く点滅を始めていたが、それでも進むのをやめなかった。

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映画、見てきました!

会社サボって(笑)

で、感想は・・・・ちょっと、こう、ビミョウ・・・・・。
展開的には悪くないんだけど、こう、パラレルワールドにしなくても、なんというか・・・・。
ちょっと歯切れが悪い? てか、人数の割に尺が足りないんだな。うん。
前作の映画のシーンが出てきたのは嬉しかったですね。
あと、北斗と南の仲良し夫婦! 「え、僕らが一番最後?」ってところが本当に! アキちゃんと郷さんも良かったな~v
D4は今回、ハヤタと郷さんという割合珍しい組み合わせな気がしました。
平成3人組も、仲が良くて良かったです。こちらは各ヒロインとの対話のおかげでちょっと間延びしてしまった感がありますが・・・というか、オメーら怪獣でてるのに、何黄昏てんだよと(笑) メビが可哀想じゃん! たぶん1日ぐらいほったらかしだったよ! 三日間野ざらしにされたゾフィー兄さんよりマシだけど! 
平成三人は変身シーンも感動しましたね! てか、我夢の声が低いよ! 渋いよ!
渋いといえば、藤宮が落ち着いて格好良くなってました。なんてこった。わけのわからない天才で面白かった藤宮が!(笑)
リョウとアスカのシーンはあれでOKだけど、アッコと我夢はちといらない気も・・・てか、個人的にはキャスが良かったなあ。
赤い靴の少女がダイゴのレナの子供と遊んでいるっていうのも良かったです。

で、ちょっと消化不良に感じたところは・・・・これ、小説にします。DVD出てからか、ゾフィー兄さん終わってからか、構成考えながら決めますが。セリフ全部憶えてきてないし。
思い切ってキャスティングも変更で。光太郎とゲンと矢的先生と・・・・って、養成所のメンバーじゃん(笑)
最大の不満点はですね・・・・なんで「だるまさがころんだ」しなかったんだよと。
シルバゴン出したなら、前回のガッツ星人みたいにコメディ担当させないとダメでしょーーー?!
怪獣もあと2,3匹欲しいなあ。ガンQなんかいいかもしれない。
ウルトラさんはやっぱり戦ってナンボなので、戦闘シーンが短いのが残念でした。

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FLYING TROUBLE6

ゾフィーは息も絶え絶えになりながら、震源地といわれる場所に辿り着いた。
そこはクレーターの様になっていて、中心に小さな穴が開いている。その穴の付近は、穴に向かってかなりの量の土が落ちているようだった。
「あの穴に、この異常な重力を発生させいてるものが落ちたんだな」
しかし、穴の付近を見る限り、接近すればこれまで以上の重力に押し潰されることは確実だ。
「ただの隕石だったらな~。このままM87光線で済むんだが・・・・・」
ヘタをしたらこの惑星のマントルまで撃ち抜いてしまうが。ゾフィーはそれに気づいて盛大に溜息をつき、地面に突っ伏した。
「・・・・仕方がない、行くか・・・・・」
やむなくクレーターを下りていく。ただし、顔面落ちは勘弁してもらいたいので、体を反転させて足からそろそろと。
が、埋まった。
「ぐおっ・・・・・・」
クレーターの内側は更に重力が凄まじく、ゾフィーの体が転がり落ちる以前に埋まっていく。腕に力を入れてなんとか立ち上がろうとするが、逆に埋まってしまう。
「こ、これは・・・アリ地獄より、酷い・・・ぞ・・・・・」
このまま埋まり続ければ、大量の土砂と熱とで死んでしまう。
「・・・・もう、四の五の言ってられないか・・・・・」
ゾフィーは慎重に体内のエネルギーを調整した。そして埋まっている地面に向けてM87光線を叩きつける。噴き出したエネルギーの反動で、一瞬ゾフィーの体が宙に浮いた。
「よしっ!」
が、光線が途中でねじ曲がってしまう。
「なんだとぉ?! この異常重力の所為か?!」
中途半端に浮き上がったゾフィーの体は、クレーターの中心に向かって、土砂と一緒に転がり落ちていった。
「うわああーーーーー!!」

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FLYING TROUBLE5

「う・・・・・・」
ヒカリは体中の痛みにうめき声をあげながら、ようやっと目をあけた。体全体に物凄い圧力をかけられている感じがする。
「ああ、あんたぁ、大丈夫かね?」
ヒカリの顔を、見たことのない星人が覗きこむ。
「あ、ああ・・・・・すまないが、ここは・・・・?」
全身を拘束されるような感覚に警戒しながら、ヒカリはずんぐりとした星人を見た。
「ここはわしらの村じゃけん。あんたの友達が、あんたが倒れてるから看てくれいうてな。うちの旦那があんたを連れてきたんじゃよ」
「友達・・・・ゾフィーか・・・・・」
しっくりくるんだかこないんだか、ヒカリは『友達』という言葉を言いづらそうに呟いた。
そしてなんで拘束されているのか聞こうとして、自分の体を見る。愕然とした。
「縛られて、ない・・・・?」
首を動かすのもロクにできない程の異常重力だ。星人は家の中を比較的ゆっくりと動いているが、それはこの重力故なのか。
(かなりの筋力だ・・・・・)
「そ、それで・・・・その、私の友人は何処へ?」
「三日ぐらい前に地震があってな。その中心を調べるっちゅーって、えっさか這っていきなさったよ」
「この重力下で這って行ったぁ?!」
思わず叫んだヒカリだが、口や腹筋にかかった圧力に身悶えした。
「・・・・ぜー・・・ぜー・・・・い、いかん・・・その地震の原因が怪獣だったりしたら、このままだとやられるぞ・・・・・」
ヒカリは必死に立ち上がろうとして、ベッドの下に転がり落ちた。
「あれま、寝相の悪い人さね」
星人は腰の曲った姿勢ながら、ヒカリを抱き上げて、あっさりとベッドに戻した。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

拍手、ありがとうございます!

報告さん>お子様にはトラブルがつきもので(笑) 学園生活はさぞかし毎日大騒ぎだったと思います。タロウ教官や80先生が子供相手に駆けずり回るとか、そういうのを書いていきたいです。
てか、タロウ教官の大活躍って初めてだったかも・・・・。
大統領の弱みを握った事件は、そのうち書きたいと思います。


4コマさん>子供は元気なのが一番です。大人が心配しても、なんとなく自分達で事件を解決しちゃったり。でも大人の威厳は大事に・・・・昔の子供が主人公のTV番組ってすごいですね。
イメージは思いっきり探偵団とか、暴れはっちゃくとか。ちょっとノスタルジックに行きたいです。

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FLYING TROUBLE4

ずりずりとほふく前進をしながら向かっていると、向こうもこちらに気づいたのか、人影がだんだんと近づいてきた。
地球人や自分達のような、二足歩行型の星人だが、かなりずんぐりむっくりで背が低い。それでもこの重力下で二足歩行ができるだけ、大したパワーだ。
二人の星人が恐々と、持っていたツルハシをゾフィーに向けた。
「おめ、なにもんだ?」
「私はゾフィーと言います。ついさっきこの星に墜落してしまって」
「ついらく?」
「はい。空を飛んでいたらこの星の重力に引っ張られてしまいまして。はっはっはっは」
「あはははは・・・・ばーかこくでねぇ。空なんか飛べるわけねえべさ」
「なあ? あはははは・・・・」
二人の星人は顔を見合せて笑った。悪い星人ではなさそうだ。ゾフィーは地面に伏せって彼らを見上げたまま、適当に話を合わせた。
「あはははは・・・そうですよねえ。ところで、ここは何時もこんな風なんですか?」
「は?」
「ええと・・・・体が重いな~とか、なんとか」
星人達は驚いたようにゾフィーを見下ろした。
「ああ、それだべさ」
「三日前ぐらいに、大きな地震さあっただよ」
「したら、いきなり体が重たくなったり、家が壊れたりしてな」
「さっきも地震さあってな。今度はコップがひっくり返っただ」
多分、自分とヒカリが地面に激突したからだろう。
「・・・・すみません・・・・」
少し重力に従って地面に埋まる。星人二人はゾフィーの動きに首を傾げ、掘り起こしてくれた。
「あ、三日ぐらい前にいきなり重たくなったんですよね?」
「んだ」
「その地震、どっちの方でありましたか?」
「あっちの方だ」
星人達はゾフィーの来た方向を指差した。
「ありがとうございます。じゃあちょっと調べてみます」
「あんたぁ、そんな這いつくばってて大丈夫かね」
「まあなんとかなるでしょう。あ、そうだ。一つ頼みたいことがあるんですが」
「あん?」
「私の友人が倒れているのですが、看ていてもらえませんか?」

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FLYING TROUBLE3

「あ~あ、つぶれちゃって・・・・・」
ゾフィーはほふく前進でヒカリの側に近づくと、頭をつんつんとつついた。
「お~い、大丈夫か~? ヒカリ~、ヒカ~りちゃ~ん」
へんじがない。
「やっぱり顔と腹の同時は痛いからな・・・・・」
ゾフィーはしばらく放置しようか迷ったが、仕方なしにヒカリの肩に手を回す。
「う・・・重い・・・・・」
重力が地球の数十倍はある惑星である。
「むぐぐぐぐ・・・・・」
肘や膝で地面を抉り、やっとヒカリの上半身を持ち上げる。
「こ、これは重いなんてもんじゃ、ないぞ・・・・・・」
半ば地面に体を埋没させながら、ゾフィーはなんとかヒカリの上半身を背負い、ほふく前進で移動し始めた。


ゾフィーのカラータイマーが点滅してしばらく経った頃、前方に何やら動く影を見た。
「この星の住人、か・・・・・?」
敵か味方かまだわからない。ゾフィーはとりあえず、近くの岩陰にヒカリを隠すと、動いた影の方に向かって移動することにした。



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FLYING TROUBLE2

恒星の重力に気をつけながら、二人は目指す小惑星の近くに来た。
とたんにグン! と大きく体が引っ張られる。
「な、なんだ?!」
「とてつもない重力だ・・・・・! あの惑星の質量からでは、ありえない!」
二人は慌てて引き返そうとするが、小惑星の重力は触手のように二人を絡め取り、引き寄せていく。クレーターばかりの、暗く乾いた地表が見えた。
「「うわあーーーーー!!」」


              どしーん!!

ゾフィーとヒカリは、顔面と腹を大地に盛大にぶつけて落下をとめた。
「いっ・・・いたたた・・・・・ここまで酷い墜落は久しぶりだ・・・・・・」
ゾフィーは痛む体をなんとか起き上がらせようとする。
「よいしょ・・・・・」
だが、体中にかかる負担が凄まじく、腕を使って立ち上がることすらできない。
「ふん! あれ? おかしいな、エンペラー星人とは格闘してないから、それほど体力は使ってないのに・・・・・おりゃ!」
上半身を無理に起こすと、あまりの重力に潰れた。
「ぐはっ!」
やむなく突っ伏したゾフィーは、やむなく首を巡らせて、一緒に落ちたはずのヒカリを探した。
「お~い、ヒッカリ~、ヒカリ~」
しかし見える範囲にヒカリの姿はない。肘と膝をつかって体を動かして反回転すると、ヒカリがつぶれたカエルのような格好でつっぷしていた。
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キサス キサス キサス41

          ごん    ごん    ごん

「「「いった~~~い」」」
所長室に良い音が響き、マックス、ゼノン、メビウスの三人は、頭を抱えて蹲った。
「当たり前だ! 君達は命令違反をしたんだぞ!」
タロウは仁王立ちで三人を見下ろした。後ろで80がウンウンと頷いている。
「せっかく悪いやつをやっつけたのに・・・・・」
「見つかったから良かったものの、あのまま発見が遅れていたら、殺されていたり、他の星に売り飛ばされていたかもしれないんだ」
「それに、門限違反もある」
80が厳かに言った。
バツの悪くなった三人はうなだれて目混ぜをした。
「まあまあ、その辺にしておいたらどうだね」
所長が珍しく上機嫌な声で二人をなだめる。
「結果的に君達は暗殺者集団の逮捕に大きく貢献した。これは評価されるべきだろう」
所長はそういうと、三人にそれぞれプレートを渡した。
「宇宙警察から感謝状が来ている」
「ええっ、感謝状?!」
慌てて中身を見る。ゾフィーがぶんどってきた経緯を知っているタロウは、少々複雑な表情で生徒達を見た。
「あれ、どうやってもらったんですか?」
80がすぐに気づいてこっそりと声をかけてきた。タロウはテレパシーに切り替えると、今朝隊長室で実に機嫌良く鼻歌なんか歌っていた兄の姿を伝えた。
(まあ、ことのあらましは、兄さんが暇になったからって映画とサーカスに行ったことなんだ)


「なんか父さんから聞いた話だと、物凄く途中を端折ってる気がするんですが」
ゾフィーのデスクに両手をついてよりかかったタロウは、胡散臭そうなものを見る目を長兄に向けた。
「別に気を使わせることもないだろう。マックスのことを聞いたら、逆に宇宙警察をつぶしかねんぞ」
「まあ、そうですけどね。で、いつからあそこのサーカスに目をつけてたんですか?」
「マックスが玉乗りをした時にな、玉から手が伸びた。あれはクライブの習性で必ず擬態する前に対象生命を掴むのだ。もっとも、私は実物のクライブを見たことがないから、ただ裏からスタッフが支えていた可能性もある。だからわかりやすく私もコピーされようと思ったのだ」
「単に玉乗りしたかったんじゃないんですね」
「それもある」
呆れたタロウが軽く机の端からずり落ちる。
「それでまあ、クラトーにサーカスに一緒に行こうと言ったら断られてね。そうしたらマックスが泥棒の容疑をかけられたと。今、自白させているだろうが、泥棒はおそらくテストだろう。我々の姿もコピーできるかどうかのな。調べさせたら、その日はマックスのみならず、子供の窃盗や傷害事件が複数起きていた」
「それって、全員玉乗りした子供達・・・・・」
「そうだ」
ゾフィーはコーヒーを一口飲んで続ける。
「こっちも調べてみたのだが、最近テロや暗殺のあったときに、似たようなパフォーマンスを売りにしているサーカスが、同じ星に滞在していた。あとついでにいうなら、あのピルナスの顔は手配書で見たことがあった」
「でも入国管理は通過してますよ」
「ピルナスは、顔だけ本人で、体は別の惑星の人間に擬態していたんだ」
「はあ?! もしかして、体つきが違うからって・・・・・」
「それで見落としたと思うぞ。で、そっちも確か警察の管轄だと思ったのでさっきクラトーに確認した」
タロウは養成所に来た二人の刑事を思い出して、思わず同情の眼差しをした。視線の先には隊長室の床しかなかったが。
「それから、今回のサミットで一番狙われそうなは誰かな~と、ヤマをかけてみた」
「兄さん、大統領にまで知り合いがいるんですか」
「あれはディナのげぼ・・・いや、先日ディナが担当した事件以来、懇意にしていると聞いたので頼んだんだよ。で、あとは怒られるといけないからイサカルに相談だけした。
警察の方だって都合がいいだろう。情報収集の甘さを、こちらに捜査委任したと言えば済むんだし」



(と、まあこういうわけで)
(警察の人、かわいそうですね・・・・いや、なんだか)
義兄弟が溜息をついている前で、子供達はもらった感謝状にはしゃいでいる。
「すげー! 学校始まったらみんなに見せてやろう!」
「ぼく、こんなのもらったの初めて!」
「いやまて。これは警察からだ。どうせならゾフィー隊長から・・・・・」
「こらこら」
慌ててタロウが止めに入る。
「いいかい。今回はあくまで特別だ。君達が卒業してから任務につけば、感謝されないことだって、任務を成功させたからって褒められないこともたくさんある。
感謝状をもらったからって、人に見せびらかしちゃダメだ」
「「「え~~~」」」
「『え~』じゃない!」
叱るタロウを見る80は、その後ろでこっそりと微笑んだ。
(だいぶ、教官らしくなってきましたね)




                             終わり
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拍手、ありがとうございます!

ランチさん>ウオールクラッシュ、凄かったですねえ。ヤモリと化したミライが(笑)皆、もこもこしたスーツ着て可愛くなるから、あのゲーム好きですw
ダイゴが一生懸命に「平成では僕が一番古くて~」と言っているのにさえぎられて、ちょっとかわいそうでした。ミライはまだまだ自分の必殺技言ってくれて嬉しいですね!「これ僕です」とか!

4コマさん>おおっ! 偶然とはいえ見てましたか! これはまさしくウルトラの導き。理不尽さを一言で言うのならレジェンドラ王のお導き。一回失敗しても、ちゃんと二回目にメダルとれるから、今回のメンバー最強ですね! 

あとは我夢とか孤門とかカイトとかも出てくれたらな~。
そうそう、ネクサス、見終わりました!
ハードでカッコイイ!! こういうウルトラも全然あり! てか西条副隊長かっこよすぎ! だって強いんだもの! 最後に闘えずにとらわれてしまったのは残念だけど、あれでジュネッス形態になってたら、ノアに次ぐ最強レベルじゃないのか。でも体の色はピンクだったりするんだ(笑) ウサリンですか、副隊長は。あとノアは微妙に目つきが悪いと思いました。
和倉隊長もかっこいいね! 最初は冷血かなと思ってたけど、だんだん優しくなって。反乱にも賛成してくれて嬉しかったし、怪我を押して一人で出撃するところには涙でました。かっこいい・・・・。
憐とかさ、もう見ていて涙でてきちゃいましたよ。イラストレーター、憐に触発されて、だんだん人間らしくなってくるし。余談ですが、先日イラストレーターにそっくりな女の子見かけました(笑)
最後、まだビーストはいるけど、皆で戦える素晴らしさが残って良かったと思いました。

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キサス キサス キサス40

サミットは会場を別の場所へと移して行われた。
ウルトラの父は参加する大統領や国王達に挨拶をした後、ゾフィーとクラトーを連れて別室へ入った。
クラトーは宇宙警察であるが、ウルトラの父が一時期警察に努めていたこともあり、また今回の警備責任者として、渋々ついていった。他に宇宙保安庁の長官もいる。
「さて、今回の事件はどういうことなのか、説明してもらおうか」
「はい。先程警察の方々が逮捕してくださったのは、宇宙的に指名手配されている暗殺請負組織・アントロリンの一人。ピルナスです。アントロリンは宇宙サーカスの隠れ蓑に紛れ、光の国に潜伏していました」
「なんと・・・・」
「「何ぃ?!」」
ゾフィーの後ろで盛大に驚いたのはクラトーと保安庁の長官である。
「彼らは違法に搾取してきたクライブを使い、ターゲットに近づくために擬態を行わせて、あの動物使いのピルナスの指示で暗殺を行っていたのです」
「なんと・・・・」
「私はサーカスでクライブらしきものを見たのですが、それ以前に実物を見たことがなかったので警察庁長官のクラトーに相談すると、物的証拠がない限りは、捜査ができないと」
「待て! 何時お前が私に相談を・・・・・・・・・・あ!」
微妙ながら心当たりにぶつかり、クラトーは顔を青くした。
「また、今回のサミットのために人員が出払っているため、調査は我々宇宙警備隊に任せると言われました。奴らの本拠地となっているサーカスには、現在タロウが向かっています。あるいはもう到着して証拠を掴んでいるか」
タロウの名に、ウルトラの父は若干嬉しそうに表情を和らげた。
「なるほど」
「クライブが本物かどうかを調べるために、私はサーカスのプログラムの一つに参加しました。これでサミットに私の偽物が出るかは賭けだったわけですが・・・・・」
ウルトラの父は苦笑の交じった溜息をついた。
「話はわかった。だが、今後はもっと被害を出さないようにしなければならない」
「心得ております」
「次からは、ちゃんと事前に説明をするのだぞ」
ウルトラの父の言葉にゾフィーは深く頭を下げた。つられてクラトーと保安庁長官も頭を下げる。
ゾフィーは頭を下げたままクラトーの耳元で囁いた。
「だから~、一緒にサーカスに行こうって言ったのに~」
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フレンドパーク見ましたw

ダイゴとレナとミライが出てましたね。
つーか、グランドスラムすごいよ!
ミライはクイズはう~んだったけど、運動方面で頑張りました。特にハイパーホッケー、あれはあのスピードのパックと、ゴールの隙間がちゃんと見えてるのか!? ものすごい動体視力!
大貢献です! ダイゴは着実なポイントゲッターで見ていて嬉しくなったし。
レナは・・・ひょうたんイカしてましたね(笑)
あれ、視聴者に当たれば尚最高だったのに!
そしてひょうたんに全員でサインをして送ればいいのに!
ついでにウルトラマンのサインもウルトラサインで書いてあれば! たとえひょうたんでも家宝にします。

今日は飲みすぎたので、ちょっとお休みします。ごめんなさい。

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キサス キサス キサス39

ロックラット達は、人々の体中によじ登り、噛みついてくる。
「おい、なんだよ、これはっ!」
アシェルはピルナスの胸倉を掴みあげた。
「あたしからタクトが離れたら、自動的にあたしのところに集まってくるように訓練したのよ。
ほら、返しなさい。あなたが拾ってね」
振り返った視線の先にいるディナに向かって微笑すると、ディナは無言でタクトを踏み砕いた。
「な、なんてことをするの!」
「別にあんたに操ってもらう必要なんかないってことさ」
アシェルはピルナスの顔を拳でぶん殴った。
「きゃあっ!」
倒れたピルナスは頬を押さえて涙目でアシェルを見上げる。
「女の顔を殴るなんて・・・・!」
「知らないのか? 女の顔を殴っていいのは女だけだってな」


「なっ、なんだ、これはっ?!」
「ロックラットですかい。こいつはやっかいな・・・・」
イサカルは片腕でネズミを振り払い、どうしようか思案にくれた。
「ひ、避難誘導をしろ!」
クラトーが部下に命じる。
「いや、今この場所から出れば、他の会場にまで被害が・・・・うっ!」
そして頭上からはレースノワエクラゲの雷撃が再開された。ウルトラの父がなんとかバリアーを張るが、ネズミが邪魔をしてどうにもならない。
「吩ーーーーー!!」
飛び上がったルベンが刀を疾らせ、次々とクラゲを切り捨てていく。
「ルベン、一体残しておけ!」
ゾフィーはマントでネズミを振り落とし、天井に向かって叫ぶと、足を交互にあげて騒いでいる双子のところに行った。
「キルシュ、ペシェ! 会場にいる人々を空中にあげてネズミから避難させるんだ」
「ええ~! む、無理ですよう・・・・」
「個別に全員をバリアで・・・きゃーー!」
「減俸するぞ」
「「やります!!」」
双子は涙目になって床に両足をつけて、精神を集中させた。会場にいる人達が、次々とバリアに包まれ、空中に浮かぶ。飛べないロックラット達は、残ったクラゲの雷に撃たれて、次々と焼け焦げて転がった。
「王手!」
ネズミが沈黙すると、ルベンが残ったクラゲを切り捨てた。


キサス キサス キサス38

床に数発電撃が当たった。
「あっははははは・・・・! そのまま暴れなさい!」

          バチッ! 

被害はそこで止まった。
「なっ・・・・?!」
クラゲと人々の間に、ラメのように輝く透明な壁が現れ、雷撃を防いでいる。
「これ以上好きにはさせません!」
「おとなしく捕まってください!」
キルシュとペシェが会場全体を覆うバリアで、クラゲの電撃を防いでいる。
「サインをもらっておかなくて正解だったかな?」
ゾフィーがゆっくりと対峙する女性たちの方へと歩いて来た。
「貴様、ゾフィー・・・・・」
「ゾフィー! おまえは・・・・」
声をあげたウルトラの父の斜め後ろに、すっとイサカルが出現した。テレポーテーションではない。透明人に擬態できるのだ。
「旦那」
「イサカルか。これはどういうことだ?」
「カマかけたんですよ。まあ、あっしも容認しちまいやしたがね。坊主がクライブと接触したってんですが、実物を見たことがないので確信できないと。だもんで大統領の替え玉を用意するのと、仮に坊主が襲われた場合、あっしが助けるようにだけしやした。ああ、ついでに偽物を潰すのも」
「大統領の替え玉だと?」
「無論、許可はもらってます。幸い、坊主んトコの嬢ちゃんが”知り合い”だったもんでね」
知り合った経緯まで話すわけにはいかなが、ウソはついていない。
「ズミカ、プリシラ、ドナテラ、アリョーナ・・・・・さて、警察で書くサインはどれなのかな? ピルナス」
「やっぱりあの時から感づいていたんだね。でも私は捕まらないよ」
「それはどうでしょうか」
背後から近づいたディナが、タクトを持ったピルナスの手を捩じり上げる。
「うっ・・・・・
「折りますか?」
「うう・・・・・」
タクトが床に落ちた。ピルナスが口元を吊り上げる。
「あはははは・・・・! やると思った! 思ったわ! あははははは・・・・・!」
「?!」
カリカリカリ・・・・と何かを削る音がする。
「な、なんだ?! この音は・・・・?!」
その音は会場のどの場所でも聞こえる。緊張する人々の耳に、チュ、という比較的可愛らしめの声が聞こえた。
「チュ?」
足元を見ればネズミがいた。楽しそうに小首を傾げたネズミは、来賓の足に噛みついた。
「うわーーーーー?!」
悲鳴を皮切りに、会場の床や壁、天井を食い破ったロックラットが大量に雪崩れ込んできた。
「きゃーーーー!!」
双子が悲鳴をあげて、抱き合った。

キサス キサス キサス37

背中から刀が刺さったゾフィーがぐらりと傾いた。ルベンが振り返ると、ゾフィーの体は茶色い土のようなものへと姿を変え、倒れた表紙に砕けた。
「これは・・・・どういうことだ・・・・・?!」
流石にウルトラの父が動揺する。会場の隅を、素早く駆ける影があった。
「あの女を捕まえろ!」
鋭い声が飛んだ。振り返ると、会場の出入り口にゾフィーが立ち、扇で人影を指している。
「ぞ、ゾフィー?!」
ゾフィーの後ろからディナとアシェルが飛び出した。先にアシェルがスタッフの衣装を着た人影の前に立ちはだかる。
「さあ、観念する時間だよ!」
「ちっ!」
人影は舌打ちをすると衣装を脱ぎ捨て、タクトを取り出した。サーカスの衣装を身につけたピルナスがタクトを振り下ろす。
「さあ、ダンスの時間よ!」
天井の隙間から、にゅるにゅると透明な液体が這い出てきた。出てくる量は時間を追うごとに増え、最後には一気に残りができると、それは空中で優雅に透明な体をくねらせる。数体のレースノワエクラゲが、ゆらした触手から放電を放った。

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キサス キサス キサス36

「ふわ~あ・・・・」
衛星軌道上で警護に当たってるアストラは大あくびをした。
「こら! 何をしている」
見回りに飛んでいたレオがそれを見咎めて、頭に軽くチョップを入れる。
「警備てさ、何もなければ緊張してるだけで疲れるよね・・・・」
「だからと言ってサボっていいわけじゃないぞ」
「わかってますよ~ちゃんと警戒してますよ~」
レオを見送ったアストラは足下の光の国を見下ろした。
「時間限定なら、警護するよりされる方が時間短くていいよな・・・・動いてはいるし・・・・」


ピエロが爪を伸ばして、牙を伸ばして、尻尾を、首を伸ばして、タロウに襲い掛かってきた。タロウは飛びあがって尻尾と首をよけると、牙を伸ばしたピエロにスワローキックを喰らわせる。床に倒れた際に牙が折れた。タロウは倒れたピエロの両足を抱えた。
「うおおおおーーーーー!!!!」
ジャイアントスイングで三回転し、そのままピエロ達に向かって放り投げる。一番近くにいた爪を伸ばしたピエロが下敷きになった。
ピエロの尻尾が伸びてきた。タロウがそれを掴むと、ろくろ首も追いかけてくる。
「はっ!」
タロウは尻尾を掴んだまますっと背後に飛び退いた。胴体のピエロがばたばたと暴れるが気にしない。ろくろ首は追いかけながら火を吐いてくる。タロウは屈んで炎をよけると、尻尾を持ったまま一足飛びにろくろ首ピエロの胴体に近づく。
「でやっ!」
タロウは力任せに首と尻尾を団子結びに結んでしまった。
「やった!」
「教官、さっすが!」
「素晴らしい!」
声援のする方へ顔を向けたタロウの首に、鞭が巻きついた。
「っ・・・・う・・・・」
「タロウ教官!!」
「おほっ! つーかまえた! 捕まえた!」
座長が飛び上がって喜んでいる。下敷きになったままのピエロが爪を伸ばした。
「!!」
紙一重でそれをよける。だが爪は一本ではない。次々と槍のように伸びてくる。
「っ! はっ・・・・ううっ!」
腕や太腿に数本の爪が刺さった、
「教官を離せ!」
メビウスが座長に飛びかかった。
「おほっ?!」
体重の軽いメビウスが圧し掛かっても座長はびくともしない。
「おほっ! 早くタロウにとどめを!」
「させるかーーーー!!」
マックスとゼノンも座長に飛びかかった。
「ぐえっ!」
座長が床に転がった。鞭が手から離れる。
「ああっ! しまったーー!!」
「教官、今です!」
タロウは頷いて鞭を首から捨てると、伸びてきた爪をチョップで次々と叩き折る。
「ああ~、なんてことを!」
「うるせー! 純真な子供を騙しやがって!」
振り上げたマックスの拳を、誰かが掴んだ。
「?!」
振り返る余裕もなく、座長の上から放り出される。ヘラクレス星人だった。
「おお、遅いぞ!」
メビウス、ゼノンも床に投げ捨てられた。
「メビウス、マックス! ゼノン!」
駆け寄ろうとするタロウに向かって、最後の爪が伸びた。
「でやっ!」
キックでそれを蹴り壊す。足首を座長が掴んだ。
「おほっ!」
タロウは両手を合わせると、シューティングビームを放つ。放電のような光に、座長が気絶した。
「こんのヤローーー!!」
マックスはヘラクレス星人に向けてマクシウムソードを投げつけた。だが、星人は軽く頭を動かしてそれをよけた。
「くそっ!」
「いいや、まだ間に合う!」
ゼノンの言葉に、マックスはハッと顔をあげ、メビウスも目を見開いた。
三人は天井の穴に向かって両手を突き出した。
「「「せーの!!!」」」
「はははは・・・・! なんだ、光線でも出すのかと思ったら・・・・・」
ヘラクレス星人が高笑いをして、ゆっくりと三人に近づいてくる。

          ゴン

重力と三人分の念力が加わったマクシウムソードが、ヘラクレス星人の脳天に直撃した。
「お・・・・・」
そのまま白目を剥いて気絶する。
「「「やったーーーー!!!」」」
三人は手を取って飛び上がった。

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キサス キサス キサス35

「ゾフィー! 何を・・・・・?!」
レーザーナイフの切っ先は、大統領の胸の数センチ手前で止まっていた。
「っく・・・・・」
なんと大統領は、自力でゾフィーの右手首を掴み、刃が届くのを防いでいた。
「ぬっ・・・・!」
ゾフィーの右手に更に力が入る。
「ゾフィー、なんということを・・・・」
「ゾフィー! やめろ! 
止めるんだ!」
牙をむいて命令をしたのは、宇宙警察長官のクラトーだった。SPがこぞってゾフィーと大統領の周りを囲む。ゾフィーは握手していた大統領の手を振りほどき、マントを投げ捨てた。
「うわっ!」
広がったマントに、警戒しきったSPやクラトー達は後辞去る。
檀上では、まだ大統領とゾフィーが一本のナイフの押し合いをしていた。
「この力・・・・能力までコピーできるというのは、あながち間違いではなさそうだ・・・・・!」
ゾフィーが右手に左手を添え、両手で押してくるのに耐えかねて大統領の両手でナイフを防ぐ。脂汗の流れる大統領の皮膚が、指先から赤く変化した。
「なっ・・・・?!」
「なん、だと・・・・?」
檀上でゾフィーと拮抗したせめぎあいをしているのは、セブン21だった。
「?!」
ゾフィーが驚いたように飛び退く。
「だ、大統領は?! 大統領はどうした?!」
周りがざわめく中、ゾフィーは檀上から飛び降りた。着地の瞬間、下を向いたほんの一瞬。
ゾフィーのカラータイマーを、内側から刀が貫いていた。
「ぞ、ゾフィーーーーー!!!!」
ウルトラの父が絶叫する。ゾフィーの背中から飛び降りて刀を納めた人物が顔をあげた。

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キサス キサス キサス34

「三人とも、下がっているんだ」
タロウは三人を腕で自分の入ってきたテントの破れ目の方に寄せると、餌を求めて近寄ってくる動物たちに向き直った。両手を合わせて一番左にいた回転式振り子ゾウガメに合わせると、
「ウルトラフリーザー!」
両手の中指の間から冷凍光線を発射した。そのまま真ん中のカメレオンワニ、右側の赤紫マダラ接続カニを次々と凍らせる。毒吐きハチドリは冷気を感じ取ると、上に向かって逃げた。
「やった!」
「凄い・・・・・」
「流石教官!」
爬虫類が動きを止めると、タロウは今度は上に目を向ける。キングブレスレットを虫取り網に変形させると、ホバリングをしながら警戒の動きを見せるハチドリを、
「でやっ!」
素早く捕まえた。網を捻って翻し、床に押し付ける。バタバタと翼を羽ばたかせてもがくハチドリに網の上から手を当てると、ハチドリは大人しくなった。
「・・・死んじゃったんですか・・・・・?」
「いいや、眠らせただけだよ。さ、早くここから・・・・」
どやどやと人の気配がした。
「あーーー!? なんだこれは?! 誰が逃がした?!」
「あっ! コノヤロー!!」
先頭で入ってきた座長を見て、マックスが進み出る。
「待つんだ、マックス」
引き留めるタロウを座長が見とがめる。
「むっ、貴様は!」
「教官、この人、クライブを飼っているんです!」
「クライブだって?!」
座長は鞭をタロウに向けた。
「ウルトラマンタロウだな? おほっ! 丁度良い。貴様のコピーも作ってやる!」
「今のでわかったよ。おまえがマックスの偽物を使って宝石泥棒をしたってな!」
座長の振るった鞭が伸びた。
「むっ!」
タロウが左腕でガードすると、腕に鞭が絡みつく。座長が引く鞭をタロウは踏ん張って自分の方へと引き寄せる。と、いきなりタロウの体が宙を舞った。
                
               ドガッ!!

スワローキックが座長の体を直撃する。タロウは二度、座長はゴロゴロと数回転がって床から上半身を起こした。
「くう~~~! クヤシイ~~~!! 
ええ~い、やってしまえーー!」


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5000ヒットありがとうございます!

うっそーん。


5000?! マジですか?!
まさか一年以内に5000行くとは!
絵も何もない、ほそぼそとしたネタブログに足を運んでくださる皆様、本当にありがとうございます!
これ5000踏んだ人誰なんだろう。り、リクエスト受け付けちゃおうかな・・・ドキドキ。

もうもう、本当に嬉しいです!

ありがとうございます!!


拍手もありがとうございます!

yamiさん>一応この頃はまだタロウはメビの担任じゃないつもりで書いているのです。(だってDVDのブックレットに最初は80先生にって教わったってあったし・・・・)でも学年を超えてメビは愛弟子じゃないのかな~と。ヒーローは颯爽と登場しないとね! 

ルナさん>メビとタロウ大好きですか! ありがとうございます!
作者が兄さんに傾倒してしまっているおかげで出番のないタロウですが、これから出番を増やしていきたいと思います。メビタロウゾフィーと、これ繋げていったらヒカリちゃんなんか、胃に穴開きそうだ・・・・。でも、メビタロウヒカリでヒカリ涙目みたいなネタはちょっと思いつきましたので、あとで書いてみたいと思います。

4コマさん>かっこいいタロウは初めてかもしれません(笑)おかしいな、シリーズでは一番タロウが好きなのに! 塩漬けとか塩漬けとかバケツとか! でもこの発想の元をたどっていくと兄さんな気がしてなりません。かっこいいタロウさん、頑張っていきますね!

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キサス キサス キサス33

「隊長、よろしいですか?」
シメオンが遠慮がちにトイレの中に声をかけた。ゾフィーが姿を現す。
「隊長、どこか具合でも?」
「なんでもない」
そっけなくゾフィーはそういうと、父の待っている控え室に戻った。
「戻ったか。そろそろ行くぞ。来賓がくる」
「はい」
父はゾフィーと共に控え室を出た。その前後に護衛がつく。
「おまえもわかっていると思うが、今回のサミットは、連邦に加盟したばかりの惑星アハツェンのお披露目だ。内戦もまだ完全に終わっていないうちに加盟したから、大統領はあちこちの勢力から狙われている。警察や軍もそうだが、未加盟のうちは我々を頼っていたから、これからもしばらくは何かと助力を頼まれるだろう」
「はい」
「そのために、出席者全員が集まる前に、挨拶をしてくれと依頼があった」
「はい」
「今回の挨拶はおまえに任せるとしよう」
「はい」
ゾフィーは表情一つ変えずに返事をした。
「おまえでも緊張するのかな?」
「はい」



メイン会場となるホールの前にはマスコミが詰めかけていた。ウルトラの父がその中を堂々と歩いて行く。ゾフィーは真っ直ぐ前を見て粛々と。まだ取材許可が出ていない会場に二人が入ると、檀上では連邦の主だったメンバーが新入りの大統領を迎えていた。
ウルトラの父は議員たちに呼ばれて進み出ると、ゾフィーをそっと前面に押し出した。
「私よりも時代を担う彼に挨拶をと思いまして。
さあ、ゾフィー」
ゾフィーは頷きもせずに大統領に近づくと、マントの下から左手を差し出した。右手を出そうとしていた大統領は、慌てて左手に切り替える。
「はじめまして、大統領・・・・!」
ゾフィーは大統領の左手を握ったままマントを翻した。
翻ったマントの下から突き出された右手には、高密度レーザーナイフが握られていた。


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拍手、ありがとうございます!

yamiさん>拍手、すごくたくさんありがとうございます! とっても嬉しいです!
兄さんは父の前だと殊勝でおとなしいです(笑) 偽物ゾフィーはクレイか。いいですね、それ!いただきます! タロウ、ひょっとしてまともにかっこいい活躍、初めて・・・・?

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キサス キサス キサス32

キン! キン! キン!

「切れたっ!」
「やった!」
「できた!」

三本の格子が、真ん中から切れた。上の方を引っ張ると、コクンと抜ける。人が一人出入りするぐらいの隙間ができた。
「「「おおお~~~~!」」」
「やればできるな、俺達!」
「うん!」
「何事も諦めないことが大事だな」
三人は顔を見合せて頷くと、順番に檻から這い出た。
「早く逃げよう!」
「ああ」
だが、マックスだけは一人別の檻へと走っていく。
「マックス、何するの?!」
「こいつらを逃がすんだ!」
「ええ?!」
「よせ。猛獣だぞ」
「だからだよ!」
マックスは電子ロックにマクシウムソードを振り下ろした。
「こいつらが暴れて外に出れば、警察が来る。これだけいたら、サーカスの連中だって一度には捕まえ切れない! その間に、ここの悪事が露見する!!」
檻が開いた。中の獣はまだ警戒しているのか、檻が開いたことに気付かないのか、出てこない。その間に、マックスは次々と猛獣達の檻を破壊していった。
「よし、逃げるか」
「ま、マックス・・・後ろ・・・・・」
メビウスが震える指で、マックスの後ろの檻を指差した。
のそり、と威圧感を与える巨体が檻の陰から姿を現す。体の色素を周囲に合わせて変化させ、長い舌でエサを絡め取り、そして獰猛な牙で自分の身長以上の生物でも噛み砕く。
カメレオンワニが、ようやく自由を認識して表に出てきた。
「お、おっす・・・・・・・・・・・・逃げろーーーーー!!」
「わーーーーーっ!」
「君が檻なんか開けるからだーーー!!」
脱兎のごとく逃げ出した三人の横から、回転式振り子ゾウガメが、赤紫斜めマダラ接続カニが、短い足でのそのそと(カニは横歩きで)出てきた。
「ゾウガメの尻尾には捕まるな!」
「カニの接続型爪にもねっ!」
ひたすら正面に向かってスピードをあげると、今度は正面からブン・・・・というハム音に似た音がする。
「毒吐きハチドリーーーー!」
宝石のように色鮮やかで美しいハチドリが、ホバリングをしながら、ふっと嘴をメビウス達に向かって突き出す。
「うわ・・・・・」
一瞬立ち止まった隙に、メビウスの腰にカメレオンの舌が巻きついた。
「!   うわっ!」
そのまま物凄い勢いで引きずられる。
「メビー!」
「メビウス!」
振り返ったマックスとゼノンはハチドリの嘴から放たれた毒を偶然にもよけながら、引きずられていくメビウスの両手を引っ張る。
「メビ、頑張れ!」
「ふんばらないと喰われるぞ!」
「うう~~~~~!」
メビウスは背後を振り返った。ずらりと並んだ牙が、まるで両腕を広げた母親のようにメビウスを誘っている。腰に巻きつく舌の威力は、全く衰えていなかった。
「うわああああーーーー!!」
半ばパニック気味になったメビウスとワニの間を、虹色の光が駆け抜けた。
「わっ!」
いきなりなくなった負荷に、マックスとゼノンは背中から転がる。メビウスがその上に落ちた。
「大丈夫か?! メビウス!」
焼け焦げたテントの向こうから、タロウが心配そうに駆け寄ってきた。

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FLYING TROUBLE1

ゾフィーとヒカリは、気を使ってメビウスを残すと、先に光の国へと向けて飛び立った。
「これで地球ともお別れか。短かったな。本当に」
もう涙が出そうな程。
ゾフィーがふっと遠い目をして、すでに足元で青く輝く小さな宝石と化した惑星を見下ろした。
「おまえが来るのが遅いんだ。全く。何をやっていた?」
「事前準備」
「準備だと?」
「そうだ。3万年前の悲劇を繰り返さないためにも、可能な限りの情報を集めておかなければいけない」
ヒカリは少し首を動かして、真横を通り過ぎる月を見た。
「犠牲者が出たの、知っているか?」
「知っている。サコミズと記憶を共有したから。さっきの言い方は軽率だった。すまない」
「それはメビウスに言ってやれ。救援が来たのも、あいつが頑張ったからだ」
「ああ」


そのままほぼ無言で宇宙を飛んでいると、不意にゾフィーが止まった。
「なんだ? どうした?」
少し先に行ってしまったヒカリが戻ってくる。
「なんだかピリピリするのだが」
「ピリピリ?」
「というよりも、引っ張られる・・・・重力が強いのか?」
ゾフィーはぐるりと辺りを見渡し、重力の強い方を探すと、そちらに体を向けた。
「あの惑星からだ」
ゾフィーが指さしたのは、恒星からは惑星の陰になっている、小さな惑星だ。
「外見の割に重力がかなり大きそうだが・・・・・ちょっと行ってみる。君は疲れているだろうから、先に帰っていてくれ」
「お、おいゾフィー!」
引き留めようとするヒカリを残し、ゾフィーはその惑星へと向かった。
「おまえっ! 隊長だろうが! あとからメビウスだって追いかけてくるんだぞ!」
ヒカリも慌ててその後を追った。
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キサス キサス キサス31

ウルトラの父とゾフィーはサミットの行われる会場へと足を踏み入れた。まだ来賓は到着していないが、物々しい警備には変わりない。会場を直接警備しているのは宇宙警察の面々で、その周りの都市部は連邦軍が。宇宙警備隊が行っているのは衛星軌道上の警備だ。
基本的に宇宙警備隊は、連邦未加盟惑星の保護とエンペラー星人の配下や、その他侵略者を倒すのが役目である。連邦加盟惑星間の戦争や侵略行為には関与しないし、本来ならばこういった会合の警備もしないが、本部のある光の国で行われる場合は例外として衛星軌道上から外側を警護する。
ゾフィーと父は案内された控え室に入ったが、ゾフィーは用意された椅子にも座らず、また出て行こうとした。
「どうした? ゾフィー」
「いえ、少し外の警備状況を見てこようかと。警察の警備や軍の警備も参考になりますから」
「ここでそんなことをしなくてもいいだろうに」
「迷子になったフリでもしますよ」
そう言って出ていくゾフィーを、父は呆れたような笑顔で見送った。

ゾフィーは控え室の近くのトイレに入った。今日の護衛はシメオンである。彼女は外に待たせてある。
別にトイレに用があるわけでもない。事前の情報で、今日はこのフロアの控え室には光の国の議員だけが揃っていて、トイレを使用する者がいないからだ。
(どうした、タロウ。さっきから)
(何やってんですか! 遅いですよ! テレパシーの反応が!)
(父の前では気づかれるだろうが。何かあったのか?)
(メビウス達がいなくなったんです! 外出禁止を言い渡したマックスも!)
(なんだと?)
(足跡をサーチしてきたら、一昨日のサーカスに突き当たりました。たぶん、中に捕まっているはずです。何かあったら僕が警備隊を辞めて責任をとりますから、メビウス達だけは・・・・)
(タロウ)
(はい)
(それは好都合だ)
(何が?! 僕がいなくなるのが?!)
(いや、彼らが捕まったのが、だ。)
(ちょっと、どういうことですか?! 兄さんもう知ってたんですか?!)
(いいや、予想外だ。責任は私じゃなくて宇宙警察がとってくれるから、衛星軌道上で欠伸をしているレオとアストラと)
そこでゾフィーの声は途切れた。
(ゾフィー兄さん?)
返事がない。父が迎えにきたのかとタロウは考え、テレパシーを切った。
「よーし、待ってろよ、メビウス、マックス、ゼノン・・・・!」
タロウは公園の隅からテントを見上げると、一気に走りだした。

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キサス キサス キサス30

ちゃりーんとマクシウムソードが床に落ちた。
「も~ダメだ・・・休もう・・・・・」
カラータイマーが弱弱しく点滅している。格子は予想以上に頑丈な金属を使っていた。どれだけの間削っていたのかわからないが、
「うん・・・・」
「確かにな・・・・」
メビウスとゼノンも同意して、床に座り込む。
「今、何時だろうな・・・・」
「門限過ぎてるよね」
「先生方にバレてるだろうな」
「「「・・・・・・・」」」
「疲れたな」
「うん」
「ああ」
「「「・・・・・・・・」」」
テントのあちこちからは、エサをもらっていない猛獣の唸り声がまだしている。
「やるか」
「そうだね」
「そうだな」
三人は再び道具を拾い上げた。






光の国に眩い朝が来た。
マントを羽織った正装で、ゾフィーはウルトラの父のいる執務室をノックした。
「入れ」
「失礼します」
ゾフィーが中に入ると、ウルトラの父も正装をしている。
「今日はイサカルはいないのか」
父はそういって少し笑った。
「すみません・・・・・」
「何を謝る必要がある。お前の身に何か起きたらと思うのは、おまえの秘書たちだけではない。私も一緒だ」
「はい」
ゾフィーは少し肩をすぼめて申し訳なさそうに頭を下げた。無論、ウルトラの父にも護衛はいるが、長年の付き合いのイサカルともなれば、気の使いようが、信頼が違う。
「では、行こうか」
「はい」
ウルトラの父の後をゾフィーがついていくる。今日のサミットでは父の挨拶がある。
建物間の移動中にゾフィーは遠慮がちに尋ねた。
「私よりもタロウが同行した方が良いのでは?」
「おまえにはまだ教えていないことがある。それに、タロウは何時また出ていくかわからないしな」
父は実に寛大に、そして優しく笑った。
「いずれお前から教えるがいい。それまでは、私の後継者はおまえだ」
「身に余るお言葉です」
ゾフィーはそっと頭を下げた。

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