もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

キサス キサス キサス9

メビウス立ちがゾフィーの後をつけていくと、ゾフィーはスタッフ入口に堂々と入っていった。
「あれ、勝手に入っていいのかな?」
「知り合いがいるのかも」
見張りがいないのを幸い、マックスとゼノンも中に入っていく。
「ちょ、ちょっと二人とも!」
「へーき、へーき!」
マックスは逆に慌てるメビウスを手招きした。メビウスはあたりをキョロキョロと挙動不審で見渡し、恐る恐るマックス達のあとについていく。中ではピエロや裏方スタッフ達が忙しそうに荷物を移動させたり、隅っこで練習したりしていた。
「こら! 何処から入った?!」
いきなり後ろから怒鳴られ、三人は思わず首をすくめた。振り返ると、サーカスの座長がステージ用の衣装のまま、短い鞭を持って、小太りの体をゆすって歩いてくる。
「あ、あの・・・その・・・・」
「いかんなあ、勝手に入ってこられちゃ」
「す、すみません・・・・」
「ほら、帰った帰った!」
しっしっ! とまるで野良怪獣にでもするかのように手を振られ、マックスとゼノンはぶんむくれながら出口に体を向けた。
「やっぱり勝手に入ったらダメじゃないか」
「ちぇー」
「しかし隊長はどこに行かれたのか・・・・」
「ちょっと! お客さん、困りますよ! 勝手に入ってこられちゃ!」
座長の声がする。振り返ると、映画の土産の入った袋を抱えたゾフィーが、怒られていた。
「いや~、あの猛獣使いの彼女のサインが欲しくて、ついつい入ってしまいました。
えーと、ズミカさんでしたっけ」
「うちのマドンナを間違えないでいただきたい!」
「そう、プリシラさんのサインを! 是非!」
プレートとペンを差し出すゾフィーの背びれを、むんずと巨漢が引っ張りあげた。
「痛っ!」
ゾフィーが振り返ると、ゼブルンよりもまだ大きな、筋肉の塊みたいなヘラクレス星人が、ゾフィーの背びれを掴んでいる。
「さあ、お客様のお帰りだ」
「いや、ちょっと。サインを! 本人からーー!」
じたばた暴れながら、ゾフィーが連行されていく。
「隊長!」
真横を通り過ぎる時、マックス達は駆け寄った。
「おや、君達もサインをもらいに来たのか」
「いえ、その・・・・」
ヘラクレス星人はジロリと子供達を見下ろすと、三人をまとめてがばっと腕に抱えた。
「うわーーー?!」
「ああ、ほら、そんなに乱暴しないで。まだ子供なんだから」
星人はギンと眼光を鋭くすると、スタッフ入口からゾフィーと子供達をまとめて投げ捨てた。
「痛たた・・・・乱暴だな。君達は大丈夫だったか?」
ゾフィーは立ち上がると、顔面を地面に強打したマックスや、お尻を打ちつけたメビウスを助け起こした。
「あとゼノンがいたはずだが・・・・」
「あ、あのっ! た、隊長!」
背中をつつく感触に振り返ると、散らばった映画館の土産を集めたゼノンが、そっとそれをゾフィーに差し出した。
「おお、君が拾ってくれたのか。ありがとう」
ゾフィーに頭を撫でられ、ゼノンは顔を真っ赤にして頷いた。
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まいご9

ルナチクスが真っ直ぐに突っ込んでくるのを、アストラはひらりと華麗にかわしました。
「よくもよけたな!」
ルナチクスが睨みますが、アストラはそんなの気にしません。
「メビウス、ここはぼくにまかせてはやくにげるんだ」
「でも・・・・」
「タロウがしんぱいしているよ」
「でも、アストラさんも、ぼく、しんぱいです」
「じゃあ、こんどきみのいえにいくから、ごはんをもらおうかな」
ルナチクスは、今度は大きくジャンプしてきます。アストラもルナチクスに向かってジャンプすると、しゃっと手でひっかきました。
「うっ」
ルナチクスの口のあたりから白い毛がぱらぱらと落ちます。地面に着地したアストラは、舐めた手で胸の辺りを洗いました。
「ぼくのむねにいっぱついれるなんて・・・・・」
「こいつはおもしろくなってきたぜぇ・・・・・」
アストラはメビウスに向かって尻尾を振りました。
「さあ、はやく!」
「はい!」
メビウスは頷くと、金網の方ではなく、木で出来た柵の方へ走っていってしまいました。


「メビウスー! メビウスー!」
タロウは必死になってメビウスを探しましたが、来た道にはメビウスはいませんでした。
「どこにいったんだろう」
「お、タロウじゃねえか」
「むっ!」
上から降ってきた声に、タロウは顔をあげました。木の枝に、ハトが一羽止まっています。
「おまえはブラックピジョン!」
「ルナチクスがやさいをくうのにおれをみはりなんかにしやがって。ちょうどいい。おまえでうさばらしをしてやる」
「おまえのあいてをしているひまはない!」
タロウは急降下してきたブラックピジョンに飛びかかっていきました。


テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

拍手、ありがとうございます

yamiさん>当初はアストラを出す予定はなかったのですが、なぜかタロウの代わりに出てきてしまいました。自己顕示欲が強いみたいです、私の書くネコアストラは(笑)
代わりにタロウさんには別ペットと戦ってもらうことにしました。

テーマ:小さなしあわせ - ジャンル:日記

キサス キサス キサス8

最後に座長やピエロ、動物たち一堂が挨拶をし、サーカスは幕を閉じた。
「いやー、楽しかったなー」
「ああ、見たかいがあるというものだ」
「サーカスって面白いんだね! また今度見に行こうよ!」
「ああ! 今度はメビが玉乗りやれよ」
「ええ?! い、いいよ」
「はは・・・案外似合うかもしれないぞ」
レオが子供達の会話に入る。
「えー、そんな~」
困った顔をするメビウスに、皆の笑みがこぼれた。タロウがメビウスの肩に手を置く。
「じゃあ私が一緒に玉乗りをしてあげるよ」
「本当ですか?」
「ああ。ちゃんと支えてあげるから」
「って、本当にするって決まったわけじゃあるまいし」
アストラは鋭くツッコミを入れると、物足りなさを感じた。いつもならここで「面白そうだな」と一言入るはずなのだが。
「あれ? ゾフィー兄さんは?」
「そういえば」
首を巡らせて姿を探すと、まだサーカスの入り口にいる。もう一回見る気らしい。
「なんて時間の無駄遣いを・・・・」
「兄さん、自分のやりたいことは何をしながらでもやりとげるけど、一方的に空き時間ができた時は、どうしたらいいかわからないんだよ」
「まあ、それも可哀そう気がするが・・・・」
弟たちが兄に憐みの視線を送っている横で、子供達は別の視点を持って、彼らの隊長を見ていた。
「隊長が行こうとしているの、スタッフ入口だよね?」
「まさか、あのままサーカスでアルバイトとか・・・・」
「それこそまさかだ。あの方は宇宙警備隊の隊長だぞ!」
「でもピエロより受けてたじゃん」
「あ、でも、サインもらいに行ってるとか」
「ピエロの?」
三人はそろって首を傾げると、そーっとタロウ達の側を離れた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

まいご8

タロウは大きな道路に出ました。目の前をたくさんの自動車やオートバイが走り、人が歩いています。
「メビウス、ここをわたったらこうえんだよ」
タロウが横断歩道のところで振り返ると、メビウスがいません。
「メビウス?」
タロウは慌てて人の足の間をくぐって探してみましたが、見つかりません。
「メビウス、どこいったの?」
必死に鳴くタロウの声に、人間たちが下を見ます。タロウは元来た道を戻ることにしました。
「メビウスー!!」


「にゃっ!」
メビウスは、ルナチクスに飛びかかられて、地面に倒れてしまいました。
「うう~~・・・・」
ルナチクスは重いのです。まだ子供のメビウスは、前足で簡単に押さえつけられてしまいました。
「どうだわかったか。おれさまがエースなんかよりつよいって」
「え、エースさんは、こんなことしません・・・・」
メビウスは重くて痛くて泣きそうになりながらも答えました。
「ああ? なんだとてめぇー」
「うう・・・・」
上から怖い顔で睨まれてメビウスは首をすくめました。このままだったらもっと酷い目にあわされてしまうでしょう。メビウスはベロクロンに襲われた時のことを思い出しました。あの時も、とても怖くなって、必死に逃げました。
(はやくにげないと・・・タロウさんのところにかえらないと・・・・タロウさん、ごめんなさい・・・・)
「もうちょっとてめぇにはヤキをいれてやらねーとな」
ルナチクスは低い声でそういうと、にゅっと大きな前歯を出しました。
「ひえっ?!」
「かくごしろ!」

   しゃっ!

鋭い音がしました。続けて柔らかく何かが地面に飛び降ります。
「い、いてぇっ!」
ルナチクスは痛さのあまり、メビウスを放して飛び退きました。血の滲んだ耳をぴくぴくさせます。
「なんだ、まだそのみみうごくの」
「てめぇは!」
アストラがメビウスの前に立っていました。
「あなたは、アストラさん!」
「だいじょうぶかい? まあまいごになったらだいたいこんなもんだよ。おぼえておくんだね」
アストラはそう言うと、ルナチクスの方を向きました。
「さーて、ぼくはまだウサギはたべたことないけど、おいしんだろうね? それとも、おなかがいたくなっちゃうかな?」
「うるせえ! てめえはやっつけてベロクロンにくれてやる!」
ルナチクスは猛烈な勢いでアストラに突進していきました。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

キサス キサス キサス7

ピエロが自分達が使うのと同じ大きさの玉を持ってくると、ゾフィーは華麗にそれに飛び乗った。
「おお~~~!」
会場から声があがる。玉はぴたりと床に固定され、微動だにせず、扇を持ったゾフィーを真っ直ぐに立たせていた。下から伸びた手がゾフィーの足を一瞬触った。
「あ、あれって実はすごくない?」
「玉にのって直立不動はかなり凄いぞ」
アストラとレオが感心する横で、ゼノンとメビウスも驚いていた。
「隊長、流石です! 素晴らしいです!!」
「た、隊長ってやっぱり凄いんだ・・・・」
「いや、凄いっていうか・・・」
一人タロウは言葉を濁した。
ゾフィーは扇を投げた。慌ててマックスが走り出て、それをキャッチする。ゾフィーは両腕を広げてバランスをとりながら、前後左右に動き始めた。時折動かす足をクロスさせたり、ブレイクダンスのように前に進むように見えながらも後ろに移動したりする。そして玉の上で宙返りやムーンサルトをし始めた。
「おおーーーーーーー!!」
「すげーーーー!!」
「かっこいいーーー!!」
本職のピエロよりも大きな歓声があがる。
ゾフィーは玉に乗ったまま舞台の端まで移動すると、玉を大きく蹴ってジャンプをした。無人の玉が舞台の反対側にまで転がっていく。その上を、体を捻ってジャンプしたゾフィーが追いかけていく。
見ている側も浮遊感を感じた一瞬後、ゾフィーは転がってきた玉の上に着地した。

「ブラボーーーー!!」
「ステキーーーー!!」

玉から降りたゾフィーは会場のあちこちに向かってお辞儀をし、投げキスまですると、マックスを伴って席に戻ってきた。
近くの席からも尊敬の視線が投げかけられるが、タロウにはそれが痛くてたまらない。
「隊長、素晴らしかったです!」
「凄いんですね、隊長!」
メビウスも尊敬のキラキラした視線を向けた。
「あんなの何処で習ってきたんですか? いや、凄かったです」
「うむ、あれか」
ゾフィーはマックスから受け取った扇子で少し火照った自分の顔を仰いだ。
「昔、ベビーシッターのアルバイトをしていてな」
途端にタロウの目が泳ぎ始めた。
「子供を二人預かっていたのだが。ある日ご両親と一緒にその子達をサーカスに連れていったらいたく気に入ってな。帰ってきたら猛獣使いをやるから動物になれだの、空中ブランコをやって見せろだの言ってきてなー。まあ玉乗りぐらいなら一人でも練習できるから、なんとか習得して二人に見せてあげたのだよ」
「へー、それは凄いですね」
「しかしバイトでそこまでするとは・・・・」
レオとアストラが若干呆れた声を出す横で、生徒達は尊敬の眼差しを送る。
「その子供達、幸せですね」
「いいなあ、隊長に子守してもらってたなんて」
「子供相手でも手を抜かないその姿勢、流石です!」
「でもさ、飽きた頃に見せられても、あんまり嬉しくなかったよ・・・・」
タロウはぼそっと呟いた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

天から来た勇者15

「助ける? 何故、私にそのようなことを・・・・」
シリアスは眦をきつくすると、タクヤの手を無視して立ち上がった。タクヤはそれを気にした様子もなく、あっけらかんと言い放った。
「だって知り合いみたいだろ?」
「え?」
「俺たち見てたんだ」
「君が怪我をして手当されてたの」
カズキとダイもこの緊迫した状況の中、笑ってみせた。
スカイゴルドラン達は各々刀や槍を持ち、ガーゴイルの腕を狙って攻撃を仕掛けていた。
『でーーい!!』
『ぬおおーーー!』
『とあーーーー!』
『でやーーー!』
だが、ガーゴイルはそれを、メーテを持っている手を振り回して防ごうとした。
「きゃーーーー!!」
『何っ?!』
『いかん、離れろ!』
間合いをとった勇者達に向けて、ガーゴイルは太くて長い尾を振るった。それを辛うじてかわす。
『くそう、近づくことができない!』
ゴッドシルバリオンがトライランサーを握りしめる。
メーテは直感的に彼らは味方だと判断した。
「あたしのことはいいから、早く、この、モンスターを倒して! あ、あたしなら、とっくに・・・・覚悟はできてるんだからぁっ!」
メーテの声は震えていたが、はっきりとした決意はシリアス達にも届いた。
「メーテ!」
「メーテ!」
ユーバやアマタが叫ぶ。

  くーん

シリアスの服の裾をこっそりとレイザーが引っ張った。
「レイザー、どうしたのです?」
レイザーはしきりにシリアスの服を引っ張り、首を振った。あっちへ行けと。
「レイザー、私だけ逃げろと? このお子達の前で、おめおめと逃げろというのですか?!」
シリアスが睨みつけても、レイザーはびくともしない。ただただ、同じ方向を見るばかりだ。その間にも、上空ではスカイゴルドラン達がなんとかメーテを救出しようと奮闘している。
シリアスはレイザーの行動にイラつきながらも、愛犬の示す方向を見た。密集した木々の間に、白いメタリックカラーが微かに見える。
「あれは・・・・・!」
シュバンシュタインから乗ってきたランチだ。あれに乗ればすぐにこの惑星から離れることができる。
(だが、私に逃げることをしろと? お子達の一人も殺さず、パワーストーンの一つも手にせず?! そんなこと・・・・)
だが、ランチを見た途端に、シュバンシュタインに戻ってからの自分の動きも計算し始めた。
(あが、プラネットバスターで惑星ごと破壊すれば、残るはパワーストーンのみだ。お子達も勇者も消える)
「うえっ・・え・・・メーテ・・・メーテ・・・・」
ニーニャの耳障りな泣き声に苛立ったシリアスは、それを実行することにした。
「がんばれ、スカイゴルドラン!」
「レオンカイザー、後ろに回り込むんだ!」
タクヤ達が声援を送る中、そっとレイザーを伴ってその場を離れる。最後にそっと、苦悶の表情を浮かべるメーテを見上げて。
ランチの姿が見えると、完全に走り出した。
機内に入るとすぐに通信機のスイッチを入れた。
「シュバンシュタイン、これより帰艦する!」

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

まいご7

メビウスはお隣の家との境にある金網の下まで逃げてきました。
「びっくりした・・・でもトカゲさん、しっぽきれていたくないかな? ぼく、トカゲさんのしっぽ、きっちゃったのかな・・・・」
メビウスはとても悪いことをしてしまった気がして、しょんぼりとうなだれました。そうしたら、地面の上をアリさんが行列を作って歩いていました。
「うわー、アリさんだ! どこにいくんだろう?」
メビウスはアリさんの行列を追いかけて、金網の下をくぐりました。お隣のお家のお庭は、お花がありません。でも「南斗七星」でよく嗅ぐ匂いがします。
「おやさいのにおいだ!」
アリさん達もお野菜の匂いのする方へと続いています。メビウスは小走りになってお野菜の匂いのするほうへと行きました。
お庭の小さな畑の中心で、白い毛玉がもそもそと動いていました。ポリポリ・・・と音もします。長い耳がぴくぴくと動いています。
「あ、ウサギさんだ! エースさんかな?」
メビウスは、ウサギさんはエースさんしか会ったことがありません。
「エースさん! こんにちは!」
ポリポリ・・・という音が止まりました。
「ああ? エースだぁ?」
振り返ったウサギさんは、とても怖そうな顔をしていました。
「あ、あの・・・・」
「おぃ、チビネコ。てめぇ、このルナチクスさまを、あんなへなちょこウサギのエースといっしょにしやがって」
勝手に抜いて食べていたニンジンを更に一噛み。
「てめぇ、エースのなかまか。ちょっとおもいしらせてやるぜぇ」
ルナチクスはニンジンを投げ捨てると、物凄く高いジャンプをして、メビウスに襲い掛かってきました。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

拍手、ありがとうございます

yamiさん>今回は悪い子なメビネコです。だからまいごになってしまうのです。でもメビはちゃんとにタロウさんが教育してくれるでしょう。
乱歩なネタ、ありがとうございます。今度使ってみますね!

4コマさん>メビネコは可愛く、ほわほわした毛並みをイメージしておりますw
ゾフィー兄さん、むしろ自ら出陣してしまいました(笑)

テーマ:小さなしあわせ - ジャンル:日記

キサス キサス キサス6

「さあさあ、そちらのお坊ちゃんもお嬢ちゃんも! どうぞ乗ってみてください!」
マックスが喜び勇んで舞台に下りていく間も、座長は更に呼び込みをかけていた。小さな子どもが親に連れられて、自分の体と同じぐらい大きい玉にしがみつく。アシスタントのピエロが子供を支えている。
「大丈夫かな?」
アストラは目を眇めて舞台をよく見た。一つの玉にピエロは三人ついている。一人は後ろからボールを支えて、二人は両脇から子供を支えていた。
ピエロに抱えられて玉の上に乗った子供の足を、玉からにゅっと出た二本の手がつかんだ。
「大丈夫みたいですよ。ほら、ちゃんと玉に仕掛けがしてある」
メビウスは子供の乗っている玉を指差した。
「そうかい?」
タロウはメビウスの示した玉をよく見るが、仕掛けは何も見当たらない。ずりおちて泣きそうになっている子供や、逆に大笑いしてはしゃいでいる子が大半だ。
「ほら、ちゃんと手の形をした安全装置が・・・・あ、あれ?」
メビウスはさっきの子の玉を見たが、もうその子は玉から落ちてしまって、泣き出していた。ピエロが必死にあやしている。
「おー!」
と歓声があがる。マックスが子供に混じって一際大きな玉に乗り、危なっかしくバランスを取っていた。
「よっ・・とと・・・・こ、これなら、なんとか・・・・」
ハラハラしながらマックスの動きを見守っているメビウスは、手を握りしめた。
「ああ、マックス大丈夫かな・・・・」
「あいつなら大丈夫だろう」
ゼノンは重々しく言うが、ゾフィーの手前だけであるのはメビウスにはわかっている。
「あーー! っと危ない!」
「マックス、頑張れ!」
バランスの取れなくなったマックスは次第に足の動きを速めたが、
「うわーっととととと・・・・うわーー! うわーーー!!」
次第に間に合わなくなり、そのまま玉と一緒に転がってフェンスに激突した。
「マックス!」
慌ててメビウスは席を立ち、マックスの近くに寄ろうとした。
「待つんだ、メビウス」
それを引き留める手に、メビウスは振り返る。
「どうしてですか?! タロウ教官!」
タロウは観念したように黙ってマックスの側を指した。
扇子を広げたゾフィーがマックスを片手で助けている。
「うむ、実に良かったぞマックス」
「隊長・・・すみません、俺、玉乗り一つできなくて・・・・・」
「そう気にするものでもない。君は期待通りよくやってくれた。今度は私が期待に応える番だろう」
「え? 期待?」
ゾフィーは走ってきたピエロに向けて口元を扇で覆った笑顔を見せた。
「すまないが、これよりも大きめの玉を持ってきてくれないか」
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まいご6

蝶々さん達は、ダンスを踊りながら、少し背の高いお花にときどき止まって、蜜を吸っています。
メビウスは、仲良く止まっている蝶々さん達の側に、そーっと近づきました。草で音が出ないように、そーっとそーっと。
(おはなのみつっておいしいのかな?)
蝶々さんは、綺麗な羽をゆっくり開いたり閉じたりしています。メビウスが見ている中で、蝶々さんの羽がぴったりと重なって止まりました。
(いまだ!)
メビウスは、足に力をこめてジャンプしました。両手をお花の上にいる蝶々さんに伸ばします。
あとちょっと届く、と喜んだメビウスの目の前で、蝶々さんは二匹とも飛び立ってしまいました。
「あーーー!」
肉球に、ほんのちょっとだけ掠った蝶々さんの薄い羽根の感覚だけがあります。
「・・・・とんでいっちゃった・・・・」
蝶々さん達は、ひらひらと高く飛んでしまって、もうメビウスがジャンプしても届きません。
「ぼくもおそらがとびたいな・・・・・」
がっかりしたメビウスが地面を見下ろすと、何かがちょろちょろと走っていきます。
「なんだろう?」
メビウスは頭を低くして、草の間をよーく見ました。トカゲさんがちょろちょろっと走っては立ち止り、走っては立ち止り、としています。
「トカゲさんだ!」
メビウスは蝶々さんに逃げられてしまったことも忘れて、今度はトカゲさんを追いかけ始めました。
「まってー」
トカゲさんが立ち止まって上にかかる影を見上げると、ネコさんがいます。
「うひゃあ!?」
メビウスを見たトカゲさんは、慌てて逃げました。でもネコさんの方が早いのです。
(まずいぞ、まずいぞ! よし、こうなったらおくのてだ!)
トカゲさんが止まります。メビウスは今度こそ一緒に遊ぼうと、急いでジャンプしました。トカゲさんの尻尾をしっかり捕まえます。
「やった!」
メビウスの肉球は、じたばたするトカゲさんの尻尾をしっかりと触っています。
「トカゲさん、いっしょにあそぼうよー・・・・?」
なんとトカゲさんはあっという間に逃げてしまいました。
「ええ?!」
メビウスが慌てて手を放すと、トカゲさんの尻尾だけが、じたばたじたばた暴れています。
「うひゃあ?!」
メビウスは慌てて、そこから逃げてしまいました。

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キサス キサス キサス5

やがて天井から、他にも派手な衣装を着た女性たちが、宇宙クラゲの上に飛び降りてきた。クラゲの傘の部分が、ぽよんとたわむ。クッションにはなってもバネにはならないそれを上手く利用し、女性たちは最初に下りてきた女性の指揮に従って、空中でアクロバティックな動きを見せた。
「凄い・・・!」
「あれ、あんなにジャンプできないって!」
「まさか、飛んでいるのでは・・・・?」
「いや、それはない」
勘ぐる子供達に、ゾフィーはそっと売り子から買ったお菓子を差し出した。
「ジャンプしているのは空を飛べないメラニー星人だ。あれは彼女達の純粋な努力の賜物だろう」
「そうだったんだ・・・」
メビウスは改めてスポットライトに合わせて美しくジャンプしている女性たちの姿に見惚れた。
「それなら大したもんですね」
レオもお菓子をもらって口に運びつつ、ショーに見入る。
「あ、なんか準備している」
黒子たちが、クラゲの下で何か準備をしている。やがて音楽のフィニッシュと共に女性達がポーズを決め、クラゲと一緒に天井へと戻っていくと、今度は舞台の上にライトが灯った。舞台の上は砂がかなりの厚さで敷きつめられていた。
女性が指揮棒を優雅に振り下ろすと、砂から魚が飛び上がった。
「さ、魚?!」
「しかも人を乗せているぞ!」
「何あれ、何アレ?!」
「あれはスナハミだよ」
タロウが説明をしてやる。
「惑星デューンの砂漠の海に住んでいるサメだ。これも人に懐くなんて考えられないのに・・・凄いな・・・・」
まるで地球の水族館で見るイルカのショーのように、スナハミは上にピエロを乗せたまま、ジャンプをし、ボールを使った曲芸をする。
「は~・・・凄いね・・・・」
やがてショーが終わると、舞台が真っ二つに裂けて、中央に向けてピエロやスナハミが落ちていく。
舞台が再び水平になると、今度は玉乗りをするピエロ達が出てきた。
「なーんだ、玉乗りか」
マックスがつまらなさそうに頭の後ろで手を組んで言った。
「おーっと、そこお坊ちゃん!」
座長がにこにことした笑顔でマックスを指した。
「へ? 俺?」
「そう、そこ赤い体のアナタ! どうぞこちらで我々と一緒に玉乗りに挑戦してみませんか?」
「えー? いいよ、たかが玉乗り」
「マックス」
メビウスがそっとマックスの脇腹をつつく。
「あん?」
「そんな言い方悪いよ」
「だってさ」
「マックス」
二人のこそこそしたやりとりを、威厳のある声が遮った。
「隊長・・・・?」
タロウの隣に座るゾフィーは、実にイイ笑顔をマックスに向けていた。
「期待しているぞ、マックス」

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まいご5

メビウスはタロウの横を、少し遅れて歩いていきます。お家がたくさん建っている道を歩いていると、一軒分だけ空地になっていました。
「タロウさん、ここにはおうちがないんですか?」
メビウスは草がたくさん生えている空地を見て、少しだけ嬉しくなりました。大きな草がいっぱいあると、かくれんぼができるのです。バッタさんとかアリさんとかもいるのです。カマキリさんがでてくると、ちょっと怖いのですけど。
「うん。まえはあったんだけど、なくなっちゃった。うえきばちがいっぱいあって、おおきなおはなとか、きのみがあったんだよ」
「それ、なくなっちゃったんですか?」
「うん」
メビウスは草だらけの空き地を見て、今度は悲しくなってきました。おんなじ空き地なのになんだか不思議です。
「ほら、もうすこしでこうえんにつくよ」
「はい」
メビウスはタロウに呼ばれてまた歩き始めました。でも、空き地が気になって振り返ってしまいます。そうしたら、蝶々さんが二匹、お隣のお家の花壇からダンスを踊りながらやってきました。
「あ、ちょうちょうさんだ!」
メビウスは嬉しくなって、蝶々さんのところに走っていきました。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

コメント、拍手、ありがとうございます!

遅くなってしまいましたが、コメント、拍手をありがとうございます!

yamiさん>あの日は私の方も拍手コメントを見ることができなかったんですよー。ブログの調子が悪かったみたいですね。
アストラはオッドアイで。似てしまったからもうトコトン! 

4コマさん>そうですね~、ペット達の中では珍しく、ちょっと大人な視点のアストラです。でもゲンさn大好き。もっと好きなのは女の子かも?!

報告さん>タロウもメビも、ヨメの意味はあんまりわかっていません。まあ、とりあえず一緒に日向ぼっこができる間柄だと思っています。

テーマ:小さなしあわせ - ジャンル:日記

キサス キサス キサス4

新市街地区にある大きな公園の真ん中に、巨大なテントが貼られていた。付近には極色彩の衣装でビラを配る異星人達と、それにつられて中に入る人、遠くから生暖かい目で見ている人など、さまざまだった。
「結構行列ができていますね」
レオはチープなビラと、どちらかというと巨大なチューリップのような外見をしたテントを見比べ、少々驚いていた。
「僕、サーカスって初めて・・・・・」
メビウスはだんだんと近づいてくるテントに、次第に目を輝かせていく。
「えー、なんだよ、見たことないのか?!」
「う、うん・・・・だって別に空飛べるのとか普通だし・・・・」
「メビウス、それは違うぞ。できないから、できるように見えて不思議なのだ」
マックスとゼノンはメビウスの両脇で力説する。ゾフィーは二人の熱の入れように満足そうに頷いた。
「うんうん、子供はああやって好奇心でいっぱいなのが一番だ。おまえも昔はよく連れて行ってくれとせがんだなあ」
タロウは一人酢でも飲んだような微妙な表情で下を向いて肩を震わせた。
「ここは動物を使った芸が多いらしいな」
「まあヘタな曲芸よりもいいんじゃない?」
やがて列が短くなり、メビウス達はテントの中に入ることができた。
暗いなかな、ステージの中央にスポットライトが当たる。ステージの中央がせり上がり、中から派手な衣装のピエロが杖を持って現れた。
「レディースアーンドジェントルメーン! 今宵は当サーカスへとお運びいただき、まことにありがとうございます。いえ、まだ昼間ですけどね」
軽い笑いが広がる。
「当サーカスによる不思議で魅惑な世界を、しばしお楽しみください!!」
天幕の上から、淡い色を放つクラゲのような生物がおりてきた。ひときわ大きなクラゲの足に、一人の女性が捕まって降りてくる。
「わぁ、あれってレースノワエクラゲ?!」
「へえ、人に懐かない凶暴な宇宙クラゲだって聞いてたのに・・・・」
ゆらゆら揺れるクラゲのダンスに、思わず海の中に引き込まれたような感覚が起こる。
「綺麗だなー・・・・」
「うん・・・・・」
大人たちも最初のショーから引き込まれていた。

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まいご4

お池のあるお庭から離れ、タロウは道路に出ました。もう少し行ったところに大きな道路があります。そこを渡ったら公園に行けるのです。
大きな道路に出る前に、ブロック塀の上から「にゃん」と声がしました。
「やあ、タロウ」
「あ、アストラ!」
タロウは立ち止って、塀の上にいる猫を見上げました。ロシアンブルーの猫が首をタロウ達の方に向けています。でもすぐに大きなあくびをしました。
「あれ? どうしたんだい、そのこは?」
アストラはメビウスを見ると、尻尾でぱたぱたと塀を叩きました。
「メビウスっていうの。ぼくのおヨメさん」
「こんにちは!」
タロウがちょっと得意そうに紹介すると、メビウスも元気に挨拶をします。
「へー、かわいいこだね。でも、きみがおよめさんをもらうのは、まだはやいんじゃない?」
アストラは野良猫なので、少し意地悪みたいな言い方をします。メビウスはそんな風に言われて、ちょっと心配になってしまいました。タロウはメビウスがしょんぼりすると、すぐにわかるので、優しくメビウスの顔を舐めました。
「だいじょうぶだよ、メビウス。だってサコミズさんがそういってたもの。それに、ぼくもうこどもじゃないもん。こうたろうさんが、ぼくのこと『おおきくなったなあ』っていってたもの」
「だいじょうぶですか?」
「うん」
「やれやれ・・・・」
仲の良いタロウとメビウスの様子を見て、アストラは塀の上に立ち上がりました。
「おじゃましちゃったみたいだね。ぼくもそろそろさんぽにいこう。それじゃあね」
そういうと、タロウ達とは反対の、誰かのお家のお庭に下りていってしまいました。
「アストラさん、いっちゃいましたね」
「アストラは”たびびと”なんだって。すきなときにすきなところにいくんだって。だからね」
タロウはこっそり、メビウスにだけ教えるように耳の側で言いました。
「おおとりさんのいえのそばでよくねているんだよ」

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テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

キサス キサス キサス3

映画館の近くのカフェで、メビウス達はお茶を飲んでいた。無論、ゾフィーのおごりである。
「そういや兄さん、今日は会議だって言ってませんでした?」
タロウは店で一番高いお茶を飲みながら尋ねた。
「それが先方の都合で急に延期になってしまってな。もちろん、それなりの礼はしてもらうつもりだが。
今日は一日会議のつもりで調整してきたから、仕事がない。よって今日は休みにしたのだ」
「いや、仕事はあると思いますよ、たくさん」
アストラがそっとツッコミを入れるが、隣でレオが少し頷いてくれたぐらいである。
「たまには映画もいいものだな」
ゾフィーは嬉しそうにそういうと、買ってきたパンフレットを眺める。中には劇中で出されたクイズが全問載っていた。
「隊長は、やっぱりお忙しいのですね」
ゼノンが気遣うようにゾフィーを見上げる。
「何、ウルトラの父が先にやって見せてくださったことばかりだ。私にもできると思えば、忙しいとは思えないよ」
「隊長・・・・!」
「凄いです・・・・・!」
ゼノンとマックスは目をウルウルさせてゾフィーを見上げた。
(ああ、また・・・・)
メビウスはジュースの入ったコップを握りしめた。
「ところで君達は、この後は何処かへ行く用事でもあるのかね?」
「いえ、特には・・・・」
回りから視線を向けられ、タロウが代表で返事をする。
「そうか。なら一緒にサーカスでも見に行かないか?」
ゾフィーは映画館に入る間にもらったチラシを広げて見せた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

天から来た勇者14

「メーテ!」
「メーテ!」
ニーニャ達が叫ぶ。ガーゴイルは獲物を捕らえた喜びに咆哮をあげた。
「くそ! メーテを放せ!」
ロイテはとっさに構えたボウガンから矢を放った。それはガーゴイルの腹にすら届かずに地面に落ちた。
「ああっ・・・・・」
加わる握力にメーテが悲鳴をあげる。
「メーテ!」
「やめろ!」
タクヤがロイテからボウガンをひったくる。
「何するんだ!」
「そんなんじゃ届くわけないだろ!」
「そうだよ! それに、あの女の子に当たったらどうするの!」
ダイも叫んだ。
「うっ・・・うわ・・・・うわーん!」
頭の上で聞こえる怒鳴りあいにニーニャが泣き出す。アマタはまだ、ニーニャを抱きしめられるほど、冷静にはなっていない。
「メーテ・・・・・」
シリアスはまだ地面に膝をついたまま、メーテを見上げた。泣き続けるニーニャの声が酷く煩い。
「シリアス・・・・?」
タクヤがその微かなつぶやきを拾った。
メーテを掴んだガーゴイルの手が、徐々に口へと近づいていく。
「やめろーーー!!」
全員が叫ぶ中、ガーゴイルの後頭部が爆発した。
『主よ! 遅くなってすまない!』
『無事であったか?!』
『主ーーー!』
『ご無事でしたか?!』
青空とは全く対照的な黄金の翼がガーゴイルの横をすり抜け、子供たちの頭上で止まった。
「スカイゴルドラン!」
「皆も!」
ガーゴイルが乱入してきた異物を見下ろした。
「な、なんだよ、こいつら・・・・」
ロイタやユーバは狼狽してタクヤ達を見たが、見られた本人達は気づいていない。
『気をつけろ、人を手に持っている』
『うむ』
「皆、その人を助けるんだ!」
『心得た!』
主の命に、勇者たちは各々の武器を持ち、ガーゴイルへと立ち向かっていく。
それを見送ったタクヤは、シリアスの前に手を差し伸べた。
「大丈夫だって。あいつらが必ずあの子の事を助けるから」

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

ありがとうがとうございます!!

またもや4コマさんからイラストをもらっちゃいましたーー!
いつも本当に、

ありがとうございます!!

saikasou


キルシュとペシェが増殖しています(笑) いや、これはディナとアシェルものいるのでしょうか。
下のシメオンと、ルベン?イサカル? もいい感じで。着物で歌舞伎チック?! てか、男性はサマルトリアの王子かと思いましたよ(笑)
ありがとうございますーーー! またお願いします(笑)


そして拍手も!
yamiさん>いっぱいコメントありがとうございます! はい、「ししおどし」でございます。レオとアストラも仔猫ならびっくりしてしまうかもしれません。タロウさんはメビよりもお兄ちゃんの自覚があるので(笑)にゃんこになっても教官として頑張って背伸びしていますよ!

他にも、非公開のコメントをくださった方々、本当にありがとうございます!
光太郎総監もメビも、兄さんやヒカリちゃんも、色々ネタを集めて頑張っていきますね! 



・・・・・先週はゴルドラン書いてないんだよなあ。山場は過ぎたけど、あのつまらない戦闘シーンをどうしようか・・・どこまで苦しいんだ、この話はーーー!!

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まいご3

タロウは家々の垣根の間や塀の間を上手に通り抜けていきます。メビウスも遅れないように、一生懸命についてきました。垣根を通り抜け、誰かのお家のお庭に入ります。

          カッコーン!

突然音がして、びっくりしたメビウスは立ち止ってしまいました。
「な、なに?!」
「だいじょうぶ? びっくりした?」
タロウもちょっとだけびっくりしたのですが、もうお兄さんなので怖がったりしません。
「タロウさん、おっきなおとがしました!」
 
          カッコーン!

「また!」
「だいじょうぶだよ。ほら」
タロウは手で音のする方をさしました。お庭の向こうから、ちょろちょろとお水の流れる音がして、またカッコーン! と音がなりました。
「ここのおうちにはおいけがあるの。おいけから、このおとがするんだよ」
「おいけから?! でも、サコミズさんのおいけからはおとがしませんよ?」
「するおいけとしないおいけがあるんだよ」
タロウはそっと辺りを伺うと、お庭の茂みを潜ります。メビウスもふわふわする苔の上を歩いて後を追いました。二匹が南天の小さな木の下から顔を覗かせると、下の方から水の流れる音がします。お水が大きな石の間から流れてきて、長い筒の中に入ります。筒はお水をたくさんもらって、だんだん重たくなっていき、とうとう限界になると、カッコーンと音を立てて、下のお池にお水をこぼしました。
「わあっ!」
「すごいだろう?」
「はい!」
「かっこいいから、ぼくもここのおいけがだいすきなんだ」
タロウは尻尾でメビウスの背中を撫でました。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

キサス キサス キサス2

アストラの素っ頓狂な声に、ゾフィーは振り返って顔をあげた。そのまま袋を抱えてタロウ達の方に来る。
「おお、お前たちも来ていたのか」
「ええ、まあ・・・・」
タロウは背中越しにアストラの腕をぎゅーっとつねる。
(な・ん・で! 声をかけるんだよっ!)
(仕方ないでしょ?! 声かけたわけじゃないの! あげちゃったの!)
そんな二人の会話など露知らず、ゾフィーは表情を輝かせているマックスとゼノン、微妙な表情のメビウスの方を見た。
「君達も来ていたのか」
「は、はい! タロウ教官やレオ師範が連れてきてくださったのです!」
「そうかそうか。映画は気に入ったか?」
「はい! とっても楽しかったです!」
「仲間と力を合わせる大切さがすごくでていました!」
元気いっぱいに返事をするマックスの横で、メビウスも慌てて答える。
「うむ。この作品はテーマを見事に昇華させている。特に最後の試練などはその最たるものだ」
(あの早押しクイズが・・・・?)
「それぞれの得意分野を補って答えあう。実に素晴らしい」
ゾフィーは袋を抱えたままウンウンと大きく頷くと、売店を振りかえった。
「すみません、ここのグッズを全部3つずつ・・・・」
「いりません!」
慌ててタロウはゾフィーと店員の間に割り込んだ。異星人の店員がジロリと睨む。
「何をする」
「生徒に物をあげてどうするんですか! 兄さんもこんなピンバッチなんて使わないでしょう?! 擬態もしないし服も着ないくせに!」
「マントにつける」
そしてディナにむしりとられるのだろう。レオとアストラがどうやって間に入ろうか悩んでいると、メビウスが控えめな声を出した。
「あ、あの・・・・」
「ん?」
「その、寮の部屋にこんなに置く場所がないので、お気持ちはありがたいのですが・・・・」
「メビウス!」
タロウはよくやったと頭を撫でる。
「おいメビ! 何言ってんだよ!」
「そうだ! せっかく隊長がくださるというものを!」
「だ、だって・・・・」
タロウの方に逃げるメビウスを見て、ゾフィーは再び売店に向かった。
「すみません、『月刊お宝マガジン』のレプリカと、『トレジャーハンター7つ道具セット』と『ミラクルストーン』のレプリカを一つづつください」
「はいよっ!」
ゾフィーは商品を受け取ると、雑誌のレプリカをゼノンに、道具セットをマックスに、宝石のレプリカをメビウスにくれた。
「これぐらいならば問題はないだろう」
「あ、ありがとうございます!!」
マックスとゼノンは頬を紅潮させて頭を下げた。メビウスも値札のついたままの宝石のレプリカを見て、少しはにかんでお礼を言った。
「ありがとうございます!」
ゾフィーは三人の様子を見て満足そうに頷いた。苦虫を噛み潰したような表情をしている弟達の方も見る。
「さて、どうせならば近くで何か飲もうか。新市街地区はそれができるから良い」
これにはタロウ達も頷いた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

まいご2

タロウは頭を下げると、お庭をぐるりと囲む生垣の下に潜り込みました。メビウスもその後ろに続きます。生垣の葉っぱはちくちくするので、メビウスはあんまり好きではありません。下を見ると列を外れたアリさんがうろうろしていたので、メビウスはちょいっと手で戻してあげました。
タロウの前から、ブロー! という大きな音がしてメビウスはびっくりしました。
「うにゃ?!」
「だいじょうぶだよ。もうくるまはいったから。ほら、おいで」
タロウはそう言って先に生垣の下から外に出ました。メビウスも慌ててタロウの尻尾を追いかけます。
「おそとにでたら、くるまにきをつけるんだよ」
タロウは今通り過ぎていった車の後ろを見てメビウスに教えます。
「はい!」
「それじゃ、いこう!」
タロウはメビウスと一緒にお散歩に出れたので、上機嫌で尻尾を立てました。メビウスも尻尾をゆらゆらさせながら後をついていきます。
「タロウさん、これはなんですか?」
メビウスはタバコの吸い殻を見つけました。危険がないかちょんと触って手を引っ込めます。痛くなかったので、今度は匂いをかいでみました。なんだか嫌なニオイがします。
「それはたばこっていうどくなんだって。サコミズさんが、みつけてもたべちゃだめだっていってたよ」
「どく?」
「そうだよ、とってもいたくなるんだよ」
「いたいのいやです!」
メビウスは慌ててタバコの吸い殻から離れて、タロウの側に寄りました。
「にんげんがすってたらにげるんだよ」
「にんげんが、どくをたべてるんですか?」
でもお家でサコミズさんはタバコなんて食べていません。
「そうなんだよ。すうひととすわないひとがいるんだ。こうえんでもすっているひとがいたら、にげるんだよ」
めびうすはあわててコクコクと頭を振りました。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

ホロレチュチュパレロ!

ネクサス借りようとしたら、グランゾートを借りてしまいました。
だってワタルなかったもの。あと、エクスカイザーもありました。でもエクスカイザーは持っているのです。

・・・・一話見ると、面白い! え? こんなんだったけ?
OPとかスゲー格好良いんですが!  法衣ビラビラとレーザーブレードなエルディカイザーかっこえー! グランゾート召喚シーンも格好良いし、音楽いいし!
ちょっとウルトラと並行して借りてしまいそうです。

テーマ:つぶやき - ジャンル:日記

拍手、ありがとうございます

4コマさん>たまには動物で和みを入れようかと。ちょっとまじめっぽい話書いていたので、息抜きですw


ULTRAMANに感動したのです! あれ、凄く面白いですよ! 別所さん演じる真木がすごく良いパパで格好良くて!
特に二回目に変身して飛んだ時「飛んでる・・・俺はこの空を飛んでる・・・・!」って言った時がぶわーっと鳥肌立ちました。
ヒットしなかったのがもったいないなあ。でもこれウルトラマン映画ってより、ハリウッドのアクションヒーロー物のフォーマットだから、ウルトラマン期待していった人には不評なのかも。
でも私は大好き!

というわけで、続編のネクサスも見始めました。シリアスでハードでかっちょえー!
あ、ソリチュラの人だ! と。イラストレーターってそういう意味だったんだー。
早く続きがみたいですよ。これ、ガイア以上に中毒になりそう。

テーマ:小さなしあわせ - ジャンル:日記

キサス キサス キサス1

上映の終わった映画館から、ぞろぞろと人が出てきた。さまざまな星人が入り混じるなか、光の国生まれのマックス、ゼノン、メビウスの三人も余韻に浸りながらドアをくぐる。
「あ~、面白かった!」
「すっごくハラハラしたね!」
「続編ができないかな?」
まだ興奮が冷めやらぬ三人の後ろを、タロウ、レオ、アストラの三人が、人混みではぐれないようガードしながらついてくる。この映画館は、光の国でも異星人が多く集まる新市街地区にあるため、あまり問題は起こしたくなかった。
「うーん、どうだろうね。この手のB級映画は続編が面白くない時もあるし」
アストラは微苦笑しならがゼノンに応えた。
「そうなんですか?」
「難しいんじゃないかな」
「いやー、ヒットすればイケルんじゃないか? 面白かったし」
タロウが呑気に言う。映画の内容は、少年たちが仲間と力を合わせて宝探しをするという、ごくありふれたものだった。
「いやだって、面白いにしたって限度があるでしょ。普通、宝の前の最後の試練って、確かに問いかけがあったりするよ。でも、400問の早押しだなんて聞いたことないよ?!」
「あれ、番人イジワルだよなー」
「あの状況で引っ掛け問題はありえないよ」
「「「今何問目!」」」
子供達は顔を見合せ、声をそろえて叫んだ。そしてどっと笑い出す。タロウとレオも一緒に笑った。
「あれ、絶対に監督か脚本家が地球に行ってますよね」
「だよな。あ~、でも懐かしいな。後楽園球場に行った時のこと思い出すよ」
「行ったんですか?!」
「成田まで。グアムには降りれなかったなあ」
タロウは懐かしそうな目をした。
「なんですか、それ?」
メビウス達が好奇心いっぱいの目でタロウを見上げる。
「まあ、お祭りみたいなものだよ。あとで話してあげようか」
「はい!」
ロビーを横切り、グッズを売っている売店の前を歩いていると、
「ここの商品、全部一個ずつください」
と言っている人がいた。
「こういう映画でも買う人いるんだなー」
アストラは少々呆れて、声のした方を見た。大きな袋に入れてもらったグッズの山を抱える腕に仰天する。
「ゾフィー兄さん?!」


テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

まいご1

ぽかぽかとした、とてもお天気の良い日でした。メビウスが縁側でお昼寝をしていると、なんだかお鼻とお髭がもぞもぞします。メビウスは寝ながら手で顔を払いました。そうしたらもぞもぞしなくなったのですが、すぐにまたお髭の辺りが揺れるのです。何度払っても、すぐにもぞもぞしてしまうので、仕方なくメビウスは目を開けました。
「うにゃぁ~・・・・・」
おひさまの光がまぶしくて、メビウスの目が縦にきゅーっと細くなります。手で顔をごしごし擦ると、黄色いひらひらしたものが、お髭に近寄ってきました。
「あ、ちょうちょうさんだ!」
メビウスは蝶々さんが大好きです。とっても綺麗な模様と色で、お空をまるで踊っている様に飛んでいるのです。
「ちょうちょうさん、まって~」
メビウスは縁側からお庭に降りました。蝶々さんは上下にダンスをしながら、お池の側の花壇に咲いているお花に止まりました。
「ちょうちょうさん、いっしょにあそぼう」
メビウスは蝶々さんが逃げてしまわないように、そーっとお花に近づきました。葉っぱがメビウスの体をくすぐります。蝶々さんは綺麗な羽をたたんで、お花の蜜を吸っていました。
「あとちょっと・・・・」
ところが、メビウスがお花の上に顔を出すと、蝶々さんは飛び上がってしまいました。
「あー・・・・」
メビウスが手を伸ばしても、蝶々さんはメビウスがジャンプするよりも高く飛んでいて、届きません。
「いっちゃった・・・・・」
メビウスはしょんぼりして、花壇の上に座り込みました。
「どうしたの、メビウス?」
木の上でお昼寝をしていたタロウが下りてきて、メビウスの顔をそっと舐めました。
「タロウさん、ちょうちょうさんがとんでいっちゃったんです。ぼく、いっしょにあそびたかったのに・・・・」
「そうか・・・・・。
そうだ! こうえんにいこう!」
「こうえん?」
「うん! こうえんだったらちょうちょうさんもたくさんいるよ。すなばでもあそべるし」
「でも、サコミズさん、まだかえってきていませんよ」
メビウスはまだ歩いて公園に行ったことがありません。何時もサコミズさんがバスケットに入れて連れていってくれるのです。
「だいじょうぶだよ。ぼくがみちをしっているから。ふたりでいこう!」
タロウがとっても楽しそうに誘うので、メビウスはタロウと一緒に公園に行くことにしました。
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拍手、ありがとうございます!

yamiさん>アイディアどうもですー! ナオコをこれからちょっとずつでも出していくのは、結構面白そうですね。何かネタにならないか、考えてみますw

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もしも総監が東光太郎だったら第五話19

外である会合の為、光太郎はトリヤマ、マルと一緒に、迎えにきた車に向かっていた。
GUYSの総合受付の前を通ると、受付の女の子が会釈をする。受付で説明を聞いていた高校生の少女が、その仕草に振り返った。
「あ、東さん!」
ナオコは光太郎の姿を見つけると、手をあげてぱたぱたと走ってくる。
「やあ、ナオコちゃん。遊びにきてくれたんだね」
「ううん」
ナオコは首を振ると、少し得意気に持っていた大きめの封筒を見せた。
「ライセンスの受験申込書を取りにきたの」
「お、GUYSに入ってくれるのか。嬉しいなあ」
「まだ受かってないじゃない」
ナオコは笑った。
「受かったら入れてね」
「いいとも!」
「そ、総監! そんな軽々しくGUYSに入れるなどと言っては・・・・」
トリヤマが腰を低くしながら、ナオコを見下すという離れ業を見せた。
「いいじゃないですか。人手不足なのは確かだし。やる気があるなら大歓迎ですよ。
ねえ?」
後ろにいるマルに振る。
「まあ、専門職が多いですから、その他の資格とか適正も必要になってきますしねぇ。頑張らないと」
「やるわよ、そのぐらい」
ナオコは胸を張って言った。
「待ってるよ」
「うん!」
手をあげて玄関へと向かう光太郎を、ナオコは笑顔で見送った。



                    終

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もしも総監が東光太郎だったら第五話18

静かなモリマ山は、GUYSの救助部隊が到着したことで、にわかに騒がしくなった。本来ならば行動隊のリュウ達は撤退しても良いのだが、光太郎が率先して救助に当たっているのもあるので、残ってソリチュラに捕まっていた人達の救助活動に勤しんでいた。
「どうしてあのままにしておいてくれなかったの?!」
イサナが蔦を振り払うと、OL風の女性が叫んだ。
「そりゃ~お仕事だからね。宇宙人と怪獣はGUYSの担当。税金泥棒って呼ばれたくないもんねぇ」
イサナはOLの額を軽くつついた。
「ま、嫌だって言うなら、宇宙人に捕まった自分に文句言うんだね」
OLは何か言い返そうと口を開いたが、声を出す前に救助隊員が毛布をかけて連行していった。
「あのままの方が幸せだったのに」
「そうだ、余計なことしやがって」
「ああ、これでまた苦しまなきゃならないのか・・・・」
光太郎はナイフで溜息を吐き続ける人達の蔦を切っていった。
「そんなことはありませんよ。皆さんには、ちゃんと帰りを待っている人がいます」
「お、俺みたいな借金抱えた男なんか、女房が迎えになんか来るか! うう・・・・」
「大丈夫です。だってご夫婦でしょう?」
「はっ! 亭主の稼いだ金で遊びまわってるくせによう、俺がちょっと気分転換にパチンコ行っただけで文句言いやがる」
「それで借金しちゃったんですか? そりゃ怒りますよ」
「う、うるせい! 余計なお節介焼きやがって!」
突っかかる男と、真摯にそれを受け止める光太郎の間に、ファイルを持った手が割って入った。
「佐藤俊夫さんですね?」
「お、おう・・・・」
サコミズは穏やかな笑みのままファイルを開く。
「奥さんから警察とGUYSに捜索願いが出ています。連絡を入れておきましたがから、今はフェニックスネストにいらしているはずですよ。早く帰ってあげてください」
「女房が?!」
自営業風の男性は、立ち尽くすと唐突に泣き出した。
光太郎は救助隊員に男性を預けると、サコミズの方を向いた。
「ありがとうございます、サコミズさん」
「今の人はちゃんと証拠とか見せてあげないとダメなんですよ」
「あの、東さん・・・・」
救助隊の手から離れたナオコは、現場に戻ってきて光太郎におそるおそる声をかけた。だが光太郎は、サコミズと一緒に次の人の救助に取り掛かる。
ちょっとだけ溜息をついたナオコは、近くでまだ救助されてない、小学生ぐらいの女の子を発見した。
「大丈夫?」
蔦を払ってやるが、女の子はぷいっとそっぽを向いた。
「どうしたの?」
「おうちに帰りたくないもん」
「どうして?」
「だってママが学校に行きなさいって言うんだもん。あたし、学校、キライ・・・・・」
俯いた女の子の頭をそっと撫でる。
「学校で一人ぼっちだった?」
女の子は涙を浮かべて頷いた。
「もうひとりぼっちはいやなの! もう・・・・」
「そうか・・・・・」
ナオコは更に屈んで女の子の顔を見上げた。
「それじゃ、お姉ちゃんと友達になろう。そうしたら、きっと寂しくなくなるよ」
そう言って女の子の頭を撫でた。

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天から来た勇者13

「な、なんだこいつは?!」
タクヤ達が驚いて見上げる中、メーテは表情を強張らせた。
「う、うわあああああああんん!!!」
ニーニャが火のついたように泣き出す。
「ガーゴイルだ!!」
「ガーゴイル? あれが・・・・・」
シリアスが見あげたガーゴイルは、童話によく出てくるドラゴンに似ていた。大きさはおそらくスカイゴルドランの二倍強。
「あいつが・・・あいつが父さんや母さんを・・・ッ!!」
ロイテは持っていたボウガンをガーゴイルに向ける。
「やめろ! そいつじゃ届かない! 落ちたら誰かに当たっちまう!」
カズキはロイテの手を押さえつけた。
「邪魔するな!」
「やめなさい、ロイテ!」
メーテは鋭く叫ぶと、ニーニャを抱えて立ち上がった。
「皆、逃げるよ!」
「お、おう!」
何だかよくわからないタクヤ達も一緒に逃げだす。ガーゴイルが空中を滑空し、襲ってきた。
「ドラン! 皆! すぐに来てくれ!」
『心得た!』
子供たちは森の中を走った。見つかり難いよう、より深い方へと。だが、深くなるにつれて足元を取られ、次第に動きづらくなっていく。
「はぁ・・・はぁ・・・・」
普段、運動などロクにしないシリアスは、息を切らせて走っている。
「あっ・・・・!」
草の陰に隠れていた木の根に足を取られ、シリアスが転んだ。
「シリアス!」
メーテは抱えていたニーニャをプエルに預けると、すぐにシリアスの所へと走っていく。
「シリアス!」
タクヤ達も立ち止まり、シリアスに駆け寄るメーテを見た。
「さあ、急いで!」
「何故助けるのです」
白い顔に泥をつけたシリアスの問いに、メーテは自分の服で彼の泥を拭った。

              バサッ!!

「うわっ?!」
強烈な風が吹いて、子供たちは地面に倒れた。巨大な羽をはばたかせたガーゴイルが接近してきていた。咆哮が上がる。
「ああっ!」
ガーゴイルの腕が伸びてきた。メーテは村の焼けた夜を思い出した。咄嗟にシリアスを突き飛ばす。
「うわっ!」
倒れたシリアスの髪を、ガーゴイルの爪が掠る。
「メーテ!!」
「メーテ!」
ロイテやアマタが悲鳴をあげた。
「うっ・・・・・」
シリアスが顔をあげると、ガーゴイルの手にメーテが捕まっていた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

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