もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

もしも総監が東光太郎だったら第五話12

彼はナオコに手を差し出した。
「一緒においで。絶対に寂しくならないところへ連れて行ってあげる」
「絶対に寂しくならないところ?」
「そこにはたくさんの友達がいる。その友達は、家族みたいなものだ。絶対に君を裏切らないし、いつも一緒にいる」
そう言って微笑んだ。まるで彫刻のように美しい笑顔だった。
「心配はいらない。そこは楽園なんだ」
「楽園・・・・」
その言葉に涙は止まり、ナオコは彼の手を取った。


ガンフェニックスはハタノ市の外れにあるモリマ山に到着した。モリマ山は今の季節は山菜取りに来る人もいるし、林業も行われている。事前通達により人の姿は見えなかったが、それでも森の木々を傷つけないように、細心の注意を払い、リュウはガンフェニックスを着陸させた。
機体から降りると、各人がトライガーショットを構え、ソリチュラレーダーをインストールさせたメモリーディスプレイを見ながら周囲に気を配る。周囲に人の気配はもちろん、鳥も鳴き声をひそめているようだった。
「おいテッペイ、本当にここでいいのか」
『「はい、センサーの示している位置はそこで間違いありません』
ジョージの視力でも、異変はまだ見当たらない。
「上から見てもただの森だったけど」
「別に何も変わった様子はねえな」
マリナも耳をそばだてているが、捕らわれた人の悲鳴やうめき声などは聞こえない。それでも何か、ねっとりと絡みつくような何かを感じる。
「でもなんだかイヤな感じ」
「誰かに見られているような気がします」
ミライは更に気配を感じ取ろうと、神経を尖らせた。

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もしも総監が東光太郎だったら第五話11

朝。期限良く起きたナオコは、登校中に友人達三人が歩いているのを発見した。
「おは・・・・」
走って追いつこうとするが、三人の会話が聞こえてくる。
「今月お小遣いピンチでさ~」
「あたしも~」
「こんなんじゃ放課後にドーナツ屋にも行けないよ」
「心配ないって。ナオコに出させれば」
「え、それって悪くない?」
「いいんだよ。お母さんが医者だから、あの子結構お小遣いもらってるんだから」
ナオコの足が完全に止まる。お小遣いはそんなに多くはもらっていない。きちんともらっているのは生活費だ。この間奢らされたカラオケ代だって、お小遣いが足りなくて泣く泣く生活費の方から出したのだ。光熱費はあまり削るところがないから、一人で食べるとわかっている時の食費を削って埋めた。「そうだよね。そうじゃなきゃ、あ~んなノリの悪い子といる意味ないもんね」
「『友達でしょ?』って言えば、絶対お金出すんだから」
「だよね!」
あはははは・・・・
笑い声がこだまして聞こえる。涙が出てきた。
このまま学校に行って、形だけ心配されて、「大丈夫、なんでもない」って言ってそれだけになって、たぶん購買とか学食を奢らされて、放課後になったらドーナツ屋さんに行って? でも実験の時のグループは? 体育の時は誰と組むの? 掃除当番、私一人でやるの?
さっきまでの朝を迎えた嬉しさは何処かに吹き飛んでしまっていた。
(なんで私、学校に行かなきゃいけないの・・・・・・?)
何もかもが嫌になって、ナオコは通学路に背を向けて走り出した。


ナオコは人気のない公園の遊歩道沿いのベンチに座りこんだ。平日の朝には、まだ人がいない。昨日と同じ公園なのに、今日は曇っていた。昨日はもっと陽の当たる場所で、メロンパンを少し齧ったのに。あまりの落差に涙が出てきた。このままずっと、誰かに利用されるだけの人生が待っているんだろうか。
(東さんもきっと、社交辞令で言っただけよね・・・・)
それなのにあんなに浮かれていた自分がバカみたいだ。そう思ったらまた涙が出てきた。
涙を拭って目をあけると、自分の靴のつま先以外に別の人の足が見えた、
顔をあげると、白いフードの夕べの男性だった。
「あなたは・・・もう傷はいいの?」
「治った」
フードを外す。夕べ暗がりで見たよりも柔らかい印象に見える。
「君、寂しいのか」
「え?」
「人間は、寂しいと目から水を出す」
真っ直ぐ顔を指差されて、ナオコは慌てて涙を拭った。みっともない。
「どうして寂しいんだ?」
抑揚の無い声だったが、ナオコには『友人』達よりもよっぽど優しい声に聞こえた。
「あたしは一人ぼっちなの。いつもいつも・・・独りぼっちなの・・・・」

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天から来た勇者12

ひどく不機嫌なロイテにボウガンを向けられたお子達は、おとなしく両手を上げた。
「おまえら、何処から来た?」
その質問に、タクヤ達は顔を見合わせた。
「地球って言ってわかるかなー」
「わかんねんだろ、普通」
「だよね」
「何コソコソ話してんだよ!」
ロイテはさらにボウガンを構えなおした。
「うわ、機嫌悪ッ!」
「ロイテ? どうしたの?」
声に気付いたメーテが茂みの向こうから声をかけた。がさごそと下草や枝が動き、ユーバとナジェの後ろにメーテがいた。
「め、メーテ! 怪しい奴らがいたから、それで・・・・」
急に上ずった声を出すロイテだったが、お子達はそれをからかうようなことはしなかった。メーテの後ろで驚愕のあまり固まっているシリアスを見たからだ。
「お、お前たち・・・・」
一方のお子達もシリアスになんと声をかけて良いのか一瞬迷った。
「よ、よう・・・・・」
『主よ!』
ゴルドシーバーから空影の声が聞こえた。
「空影?」
『そちらに向けて巨大な生物が飛び立った気配がしたでござる』
「巨大な生物だって?!」
子供たちの頭上を影が遮った。
「?!」
メーテやロイテ達も顔をあげる。

          グオオオウウーーーーーー!!!

巨大な翼を持った翼竜が、獲物を見つけた歓喜に咆哮した。
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拍手ありがとうございます

yamiさん>タロウのピッコロの話、見ましたよー。あれは光太郎よりもタロウが全面に出ていましたね。タロウの姿でいっぱいしゃべるし。ピッコロ王子がタロウを王子だっていうのもまた良しw 悪い人なのに憎めない大泉さんの演技が素晴らしかったです。
ナオコはTVよりもみんなと絡められたらなと思っています。

4コマさん>ソリチュラ、思い出しましたかー? TVじゃ戦闘が短かったので、長い感じにしようと思っています。ウルトラマンは闘ってるから格好良いのだ!。

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もしも総監が東光太郎だったら第五話10

翌日、ミライは元気にディレクションルームに姿を現した。
「もう大丈夫?」
「はい! ご心配をおかけしました」
勢い良く下げたミライの頭を、リュウとジョージがぐしゃぐしゃにかき回した。
「ったく、心配かけさせやがって」
「無茶するんじゃないぜ、アミーゴ」
「はい!」
ミライが嬉しそうに返事をすると、ディレクションルームのドアが開いて、サコミズ、トリヤマ、マルが入ってきた。
「ウオッホン!」
トリヤマのわざとらしい咳払いに。慌てて全員席に戻る。サコミズはそれを見て苦笑した。
「それじゃテッペイ。説明を頼むよ」
「はい」
テッペイはオペレーションシートに座ると、一晩かかって調べ上げた成果を読み上げる。
「ミライ君の服に付着していたものを銀色の粉を解析したところ、なんらかの植物の花粉であることがわかりました」
沈黙していたスクリーンが動き、花粉のアップが映し出される。ケバが生えたような丸い粒が重なりあっていた。
「これは明らかに宇宙からきたものです。その根拠は、花粉に含まれている、ソリチュラ化合銀と呼ばれる物質。これは地球には存在しません」
今度は分子記号と結合図が出た。
「そりっつ・・・なんか、舌噛みそうな名前だな」
「ソリチュラです、ソリチュラ」
本当に舌を噛んでしまったトリヤマは横で流暢に連呼するマルを怒鳴りつけた。
「やかまし! つまり、そいつらは宇宙から来た植物怪人というわけだな」
「問題は、そいつらが人間の失踪とどう関係しているかってことだ」
ジョージが髪を撫でつけながら言った。リュウも大きく頷く。
「テッペイ、どうにかして、そいつら見つけ出す方法ねぇのか?」
テッペイは待ってましたとばかりにスクリーンにフェニックスネストを中心にした関東一円を映し出した。
「ありますよ。ソリチュラ化合銀を分析した結果、一定周波数の電波をはねかえす性質があるのをつきとめました。その性質を利用して、やつらの居場所を探知できます」
地図とレーダーの反応を重ねて表示させると、都内から離れたベッドタウンに、大きな光点が表示される。
サコミズから
「流石テッペイだな」
とお褒めの言葉を貰ったテッペイは、オシっと拳を握った。
「出ました! 居場所はハタノ市モリマ山中です!」
「よっしゃ! 先手必勝といきますか!」
リュウがヘルメットを持って立ち上がった。サコミズも頷くと席を立つ。そして腹の底から、良く通る声を出した。
「ガイズ、サリーゴー!」
「「「「「「GIG!!!!!!」」」」」」
ディレクションルームのドアが開いて光太郎が顔を出す。その脇を、リュウやミライが駆け抜けていった。
「あれ? もう出撃?」

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もしも総監が東光太郎だったら第五話9

一人で夕食を済ませたナオコは、マンションの外にゴミ出しに出ていた。両親は離婚していて、ナオコは母親と二人で暮らしていた。
携帯が鳴った。
「もしもし、ママ? うん、ちゃんと帰ってるよ。今日も遅いの? あ、そうなんだ。・・・・あたしは大丈夫! ちゃんとご飯食べてるから。うん、はーい・・・」
小児科医の母親は、人手不足のためにほとんど病院から戻ってきていない。母の仕事のことは理解しているつもりだし、生活費も充分に貰っている。
「患者さんのためなら、しょうがないよね・・・・」
だから溜息は吐いてはいけない。大丈夫、自分は一人じゃない。ちゃんと心配してくれる母がいる。多分、月に一度会う父親も。
父のことを思い出し、連鎖的に昼間あったおじさんを思い出した。
(俺と友達になろう)
父親と同じ年ぐらいの人が、屈託なく笑ってそう言った。
「変なおじさん。あの人、フェニックスネストにおいでって言ったよね・・・・」
そのまま携帯でインターネットに接続する。フェニックスネストがGUYSの本部だということは、ナオコだって知っている。GUYSの公式サイトを閲覧するが、総本部長の顔写真ぐらいしか載っていない。
「ま、そんなもんか・・・・」
ふと、接続を切る前に、『人員募集』の項目を見つけた。応募資格はライセンスの保有者のみ。それ以外は特に載っていない。
「GUYSに行ったら、あんな人達ばっかりなのかな」
ナオコは肩の力を抜いて笑った。ライセンス受験資格は16歳以上。ナオコも受験できる。受かれば入隊できるかもしれないし、そうしたら学校に行かなくても済む・・・・?
「そんなわけないか・・・・」
自嘲気味に笑ったナオコは携帯をポケットに入れた。部屋に戻ろうとした時、マンション内の公園の街灯を誰かが遮った。
「・・・・・?」
人影にしてはやけに白かった。
(まさか、幽霊、とか・・・・・)
ナオコは一瞬部屋に逃げ帰ろうかと思ったが、思い切って人影を見た。
白いフードを被った人影は、公園の並木道を足を引きずりながら、時折倒れていた。まるで前が見えないかのように、ただただ、真っ直ぐに歩いている。転ぶ回数が増え、とうとう這って前進しはじめた。
(なんで、あんなに真っ直ぐに・・・・・)
ナオコは警戒しながらも、思い切って近づいた。それでもまだ少し怖いので、背後から声をかける。
「あの・・・」
人影が振り返った。フードの中には、割と端正な青年の顔があった。
「具合が悪いみたいですけど、大丈夫ですか?」
青年はナオコを見たが、それだけで、また前進しようとする。這ったまま。なりふり構わぬその姿に、ナオコは何故か惹きつけられた。
「もしかしてケガしてるの? ちょっと見せてください」
自分の言った言葉に自分で驚いたが、今更否定するわけにもいかず、ナオコはフードを引っ張った。
彼は黙って行動するのをやめので、ナオコは勝手に傷口を見た。花火を直に押しつけた様な焼け爛れた皮膚だった。
「ひどい傷・・・・」
「すぐ治る」
「ほっといていい傷じゃないですよ。ちょっと待っててください」
ナオコは救急箱を取りに、部屋へと戻った。見ず知らずの人間の手当を申し出るなんて、自分でも意外だった。
(GUYSのHP見たからかも!)
それに、火傷や切り傷の応急手当は母に教わっている。
(GYUSのメディカルセンターとかに就職っていうのもいいかもね)
思わぬ人助け行為に浮かれながらナオコが戻ると、彼は大人しく待っていた。ご丁寧に、倒れた姿勢のまま。ナオコはズボンの布を切り裂いて、解けた布を肌から可能な限り取り除くと、傷口にファイブフラワークリームを塗って、ガーゼの上から冷却ジェルを張りつけた。
「これで大丈夫だと思います」
青年はよたよたと立ち上がると、ナオコを見た。そのまま礼も言わずに背中を向ける。
「なるべく早く! お医者さんに見てもらったほうがいいですよ!」
足を引きづったままの彼を、何故か無礼とは思わなかった。
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拍手、ありがとうございます!

4コマさん>お久しぶりです~! 拍手ありがとうございます!
格好良い光太郎さんと、かっこいい男の子になっていくミライを書いていきたいと思います。

yamiさん>この話が一番、光太郎が入っていても違和感ないんですよ。ものすごく馴染みます。
TVでも実は名を告げずに光太郎さんが助けてくれたのかも?!
ナオコとの会話も増やして行きたいと思っています。

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もしも総監が東光太郎だったら第五話8

ミライは徐々に瞼が動くのを感じた。体中がだるく、疲労感があったが、開こうともがく瞼の向こうから時折白い光が入ってくる。
(ひかり・・・・明るい・・・・・場所が違う!)
一気に意識が覚醒し、条件反射で同時に飛び起きる。
「ミライ!」
「ミライ君!」
心配そうに駆け寄ってくるリュウ達の声に安堵して、力が抜けた。頭痛がしていることに、今気づく。コノミがそっとミライの肩を支えて、またベッドに横たわらせた。
「まだ横になってた方がいいよ」
「光太郎さんは・・・・? それに、あの女の人・・・・」
「俺ならここにいるよ」
屈託の無い声がする。ジョージとマリナが少し場所を開け、光太郎が屈託の無い笑顔を見せた。
「大丈夫かい? 何か変な匂いのするもの吸ったみたいだけど」
「はい・・・・」
「君が助けた人は、無事に家まで送り届けてもらったよ。お巡りさんに頼んでね」
光太郎の言葉に、ミライは安心して微笑んだ。
テッペイはミライのカルテを片手に二人に説明する。
「まだ特定はできていませんが、ミライ君は神経をマヒさせてしまう物質を吸い込んでいます」
ベッドサイドに座っているリュウはミライに尋ねた。
「誰にやられたんだ?」
「花です。顔に大きな花の咲いている人間です」
リュウは軽く吹きだして見せた。
「ぷっ、なんだソレ」
「いや、確かに花だったよ。俺も見た」
「花ってことは花粉の一種?」
コノミが小首を傾げる。マリナはふと顔をあげた。
「それって、ウワサの植物怪人かも」
「なんだ、そりゃ」
「弟達から聞いたんだけど、いわゆる都市伝説みたいなものよ。この二、三週間、あちこちでウワサになっているらしいわ」
テッペイが納得したように頷く。
「それなら僕も聞いたことがあります。まるで植物がそのまま人間になったような姿で、見かけたらすぐに逃げないと攫われるって」
「見かけたら攫われるか。確かに、そうとも見えたなぁ」
光太郎は腕を組んで唸った。コノミは少し怖い話になってきたのを打ち消すように、手を振った。
「それって、あくまで都市伝説ですよね?」
「一概に、そうとも言えないみたいだよ」
音もなく病室のドアを開け、サコミズが声をかけた。座っていたメンバーは慌てて立ち上がり、光太郎も軽く頷いた。ミライも起き上がろうとするが、サコミズはそれを柔らかく制する。
「ああ、いい。実はここ最近、、ハタノ市とフジタニ市で行方不明者が急増しているらしいんだ。大半は失踪として処理されているんだが、その増え方が異常でね」
「ということは、やっぱりあいつが攫っていたということか」
決意の表情で頷く光太郎に、サコミズが釘を刺した。
「まだ出撃しないでくださいよ、総監」

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拍手ありがとうございます

yamiさん>そうですね。メビも結構寂しがりとか、甘えん坊な感じがしますね。TVでは表現されていませんでしたが、小説版ではちゃんと「そういう気持ち、わかるよ。わからないはずはないさ」と言っていましたし。
ナオコは他人の目を見てどうこう言えるほど、人生経験を積んでないと思っています。単なるきめつけ。人間は相互に誤解し、コミュニケーションを積み重ねてそれを修正いくと思います。

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もしも総監が東光太郎だったら第五話7

ミライが聞こえた声の先は、公園近くの線路の地下道だった。上を通る電車の脇にはちゃんと歩道もあり、ほとんど使う者のいない道だ。カーブをしてて視界も悪い。
ミライが地下道に飛び込むと、通路の真ん中辺りに、白いフードを被った人影がミライの方に背中を向けて立っていた。人影が追い詰めているのは30代ぐらいの会社員の女性で、「ひぃっ」と小さい悲鳴をあげて腰を抜かしている。手に持っていたトートバッグから書類や化粧品が落ちて散らばっていた。
「逃げてください!!」
ミライは人影に後ろからタックルをして叫んだ。女性の至近距離に倒れこむと、彼女はまた悲鳴をあげた。
「ミライ君!」
「光太郎さん!」
後ろから光太郎が追い付いてくる。光太郎はすぐさま状況を理解すると、人影を地面に押さえつけようと力を込めるミライの横を通り、女性を助け起こした。
「大丈夫ですか?!」
「あ、ああ・・・・は、花が・・・・」
女性が慄く指先で人影を指す。まだうつ伏せになっている人影が、じりじりと顔をあげた。そこにあったのは花だった。トゲのないサボテンのような緑の輪郭の真ん中に、アマリリスのような形の白い大輪の花が咲いていた。
「こいつ、植物の化け物か!」
だが光太郎はそれに飛びかかるようなことはせず、女性を連れて地下道を逃げた。
ミライは植物怪人のフードを掴んで顔面を地面に叩きつける。一瞬硬直した怪人は、左腕から太く絡まった蔦を伸ばしてミライの胴を薙ぎ払った。
「うわっ!」
横に転がり落ちたミライが顔をあげると、起き上った植物怪人が、目の無い顔を向けていた。

   ブシューーー!!

猛烈な勢いで金色の花粉がミライに向かって吹きつけられる。
「うわあっ!! げほっ、げほ・・・・」
急激に意識が遠のいて行く。ミライは両手をついて、逃げる植物怪人の姿を追った。
(あっちには、光太郎さん達が・・・・・)
必死に意識をつなぎ留め、左腕にメビウスブレスを出現させる。霞む視界の中放った一発が、辛うじて怪人の左足に当たったのが見えたところで、ミライは気を失った。


光太郎は地下道を抜けて地上に出ると、近所の交番へ女性を預けた。さっきのお巡りさんがまた頼もしそうに敬礼をしてくれる中、地下道へと戻る。
気持ち悪い程に甘い匂いが充満していた。
(ラフレシアみたいな匂いだ)
光太郎は袖口で口元を覆うと、地下道の中を慎重に進む。乱闘した場所にはミライが倒れているだけだった。光太郎は息を止めてミライを抱き起こすと、そのまま抱えあげて公園の方へと戻った。
「ミライ君、しっかりするんだ!」
陽の当たるベンチに寝かせると、メモリーディスプレイを取り出す。
「こちら東! フェニックッスネスト、応答せよ!」

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もしも総監が東光太郎だったら第五話6

ナオコは俯いたまま憮然として呟いた。
「知らないおじさんと友達になんてなれるわけないじゃない・・・・バッカじゃないの・・・・」
「そうかい? 彼女たちだって、最初は知らない人達だっただろう?
それとも歳の近いミライ君の方がいいかな?」
ミライは東の隣から立ち上がると、笑顔で右手を差し出した。
「ナオコちゃん、友達になろうよ」
「私・・・・・」
ナオコはベンチにコーヒーとメロンパンを置いた。ミライの目は真っ直ぐで子供のように無邪気に澄んでいた。
(この子、ひとりになったことがないんだ・・・・・)
ナオコはカバンを持つと立ち上がった。
「失礼します」
「えっ?」
「ナオコちゃん」
二人の視線が痛い。ナオコはそれでも頭を下げた。
「それと、メロンパン、ありがとうございました」
そのまま公園の外へと駆けだしていく。
「ナオコちゃん!」
ミライはその後を追いかけようとしたが、光太郎が止めた。
「光太郎さん?」
「大丈夫だよ。あの子はちゃんとお礼を言った。きっと、一人で立ち直れるし、君とも友達になれるよ」
「そう、ですか? そうですよね!」
「ああ!」
光太郎は返事をすると、メロンパンを頬張った。笑顔を返そうとしたミライの顔が不意に強張る。
「ミライ君?」
「今、悲鳴みたいなのが・・・・」
ミライはそういうと、ナオコとは別の方角へと走り出した。

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コメントありがとうございます

yamiさん>お気づかい、ありがとうございます。実はまだ頭は痛いのですが、ネタは浮かんできます。
昼間、目が痛いなあと思って目薬をさしても、全然良くならないので、よく考えてみたら、実は頭が痛かったと気づきました。鈍いので多分大丈夫です。



エルメェスの兄貴とかポルナレフのカッコエエ復讐劇を見ていると、自分もそんなのを書きたくなります。なんつーんですか、「復讐しても死んだ人は喜ばない」とか「生き返らない」というのも立派だけど、「“復讐”とは自分の運命への決着をつけるためにあるッ!」と、言いきれるような話が書きたいです。
しかしゴルドランではそれはムリ。
ウルトラで書くなら、ティガとかになるのかなぁ。
宇宙人が二人やってきて、追い詰められて逃げてきた方が実はスゲー悪いヤツで。追いかけてきた方は復讐に身をささげた時点でそれは自分だけの人生ではないと言い切れる覚悟がある。うむ、戦う前にダイゴに「覚悟はあるか? おれはできている」とか言うんだ。でもティガに負けてしまい、力尽きたところを、逃げてきた方にとどめを射されて、ここで初めてティガは本当に悪い方はこいつだったと気づくとか。

メビならやたらと親切な宇宙人が出てきてミライと仲良くなるんだけど、親切すぎて疲れてしまうミライとか。この宇宙人は二重人格で、神のお告げと信じて行動している善人の人格がミライと接し、もう一人の人格が『神』として指示を出す。でもってサコっちが正体に気づいて撃つのね。ヤプールの時みたいに。
「おまえは自分が悪だと気づいていない、最もドス黒い悪だ!」

スパロボ風なウルトラさんとかもでないかなあ。スパロボやったことないから、ブレサガ風で。
主軸になる話は新しいゲームのみのウルトラか、他に一年通してストーリーを展開しているっていったら、ガイアかメビか。ネクサスはちょっと他のウルトラを絡ませる”遊び”がないから無理っぽそうだなー。それかパラレル万歳のマックス。
何が見たいって、兄さんがたが皆若いタイムスリップですよ! 
仲間になる順番、初代さんが一番最後がいいなー。ウルトラ作戦第一号で、チームマーリンとか出しちゃって、ベムラーを攻撃したりとか。

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天から来た勇者11

ユーバに引っ張られてメーテが薪割り場に戻ってくると、シリアスが指から血を流していた。
「シリアス!」
慌ててメーテは髪留めに使っていた布を取り、シリアスの指に巻きつける。
ロイテはそれを面白くなさそうに見ると、その場をそっと離れた。
傷口よりも少し上にきつく巻きついた髪紐には、カレーシェの花の香りが染みついていた。
「血が止まったら、薬をつけるわね」
メーテの指よりも細くて白い指から滴る血が、痛々しく見える。持っていた布巾でシリアスの血を拭った。
「赤いのですね、私の血は・・・・」
その言葉に、メーテはドキリとした。
「当たり前じゃないの・・・・・」
まだ血が吸い込まれていく布巾に向けて、言葉が落ちていった。


お子達はドランを待たせて、トラップをよけながら歩いていった。ガサガサと下草をかきわけて進むと、人の声がする。
「おい、誰かいるぞ」
「このトラップ作った人かな?」
「どんなヤツだ?」
枝に顔をくっつけて、隙間から人の気配のする方を伺うと。
「おい、あれシリアスじゃないか?」
水色の長い髪は、一度見ただけで充分だった。
「本当だ。シリアスだよ」
ダイも頷く。しかも周りに散らばっているのを見ると、薪割りの最中らしいし、指を怪我して女の子に手当をしてもらっているようだし。
立体映像で見たことのあるだけのシリアスとは、まるで印象が違う。
「なーんかさ、シリアスって実は良いやつじゃね?」
「まさか、悪太を殺そうとしてたんだぜ」
カズキがシビアな意見を述べる。顔こそ見てないが、自分達だってしょっちゅう殺されそうになっていた。今でもそうだ。
シリアスの傍には、立体映像で見た時と同じように、狼に似た犬が寄り添っている。
「まさかあの映像はニセモノで、こっちが本物とか」
「どんなメリットがあってそうするんだよ」
「でも、こっちの方シリアスの方が、僕は好きだな」
ダイの言葉に、タクヤとカズキも頷いた。
「動くな!」
突然、背後からかかった声に、お子達はびくっと身を竦ませ、振り返った。同じぐらいの歳の少年が、ボウガンを構えて立っていた。ロイテだった。

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もしも総監が東光太郎だったら第五話5

「メロンパンって美味しいですね」
公園のベンチに三人並んで座り、ミライと呼ばれた少年が、満面の笑みでメロンパンに齧りつきながら言った。
「外がパリパリなのに中がふわふわです」
「ちょっと歯にくっつくのがたまにキズだけどね」
東という男性も豪快にメロンパンを頬ばった。親子にしては顔が似てないが、持っている雰囲気はなんとなく似ている。親戚かもしれない。ナオコはそんな二人を見ながら思った。
「どうしたの? 食べないの?」
東に言われて、ナオコは一口だけメロンパンに口をつけた。確かに美味しい。続けてぱくぱく食べてしまう。甘さを和らげるためにコーヒーも飲んだ。そのままの姿勢でナオコは呟くように言った。
「おじさん、なんであんな余計なこと言ったの」
「余計なこと?」
「そうよ。それに、あなたも」
ナオコはちょっとだけミライを見た。
「だっておかしいだろう? 君だってそう思ったから、反論したんじゃないのかな?」
「そうだけど、でも!」
ナオコのコーヒーを持つ手が震えた。
「関係無いのに、なんでそんなこと言ってくるの・・・・!」
言うと同時に涙が浮かんできた。明日が怖い。でもコーヒーが暖かくて、メロンパンが美味しくて。
「人の事も知らないで、勝手に絡んでこないでよ・・・・・!」
光太郎は、メロンパンと一緒に貰ったおしぼりを差し出した。ハンカチは忘れてきていた。
「でも、君は今まで無理して彼女たちと一緒にいたんだろう? 奢るお金だって限度があるし、無理に付き合う必要はないよ」
おしぼりの情緒のなさにナオコはそれを無視したが、東は勝手にメロンパンと指の間に押し込んだ。
「だって・・・・明日から私、どうなるの・・・・・? 学校に行っても一人で・・・・・」
「一人? 学校は皆で学ぶ場所なんでしょう?」
ミライはきょとんとした表情で質問した。
「勉強だけしていればいいってわけじゃないの!」
「でも、君はずっとそこにいるわけじゃないだろう? いずれ卒業して大学に行って、就職する。その時だって一人になることはたくさんある」
東はナオコの顔を覗きこむように視線を下げた。
「君、名前は?」
「・・・・・・・ナオコ」
「ナオコちゃんか」
東はナオコに笑顔を向けた。
「ナオコちゃん、学校で辛かったらフェニックスネストへおいで」
「フェニックスネスト・・・・?」
「光太郎さん、それは・・・・」
ミライが心配そうに東の腕を引っ張った。
「大丈夫だよ、トリヤマさんが頑張って、一般人に開放されているコーナーがあるから。
ナオコちゃん、学校で辛いなら、学校の外に友達を作ったら良い。俺と友達になろう」
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拍手、ありがとうございます!

yamiさん>続けて拍手、ありがとうございます!
光太郎さんには、ミライに対してハッパをかけてもらいたいな~と思いまして。サコっちは優しく見守ってくれるタイプだけど、光太郎さんは身近で色々教えてくれるタイプでしょうか。男の子と父親みたいな関係。休みの日には一緒にキャンプとかね。
DVDを見返すと、子供っぽいけど、凄く大人なんですよね、光太郎さん。


今日はちょっと体調が悪いので、投下は明日にします。

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もしも総監が東光太郎だったら第五話4

公園には派手なカラーリングのワゴン車が止まっていた。『メロンパン』の幟の前に、行列ができている。学校帰りのらしい女子高生の四人組は、その行列の最後尾で足を止めた。
「ここだよ、最近評判のメロンパン屋さん」
「知ってる! TVで見た!」
「やっぱり行列できてるわー」
友人が指差すワゴン車のパン屋を見て、ナオコは他の友人達の早い反応に、慌てて頷いた。
「そうね」
だが、彼女達にはその声は聞こえなかったようで、「ね、食べて行こう」「サンセーイ!」と話を進めている。
「ナオコ、ちょっと買ってきてくれる? うちら、あっちのベンチで待ってるから」
前を行く友人達は、そこで初めて振り返った。
また、言われた。ナオコは一瞬ぎゅっと目を瞑ると、口の中で何度も練習した言葉を出した。
「いいよ。じゃあ、お金」
「ゴメーン、今持ち合わせがなくてさ、ナオコ出しといてくれる?」
「ごめん、私の分も」
「あたしもお財布忘れてきちゃった」
ナオコは一秒程口ごもると、肩に力を入れた。
「でも、この間のカラオケ行った時のお金だって、まだ・・・・・」
咄嗟に言い返せたのはそこまでだった。すぐに勝ち誇ったような声が返ってくる。
「何も返さないなんて言ってないじゃん」
「ナオコも細かいなあ」
「私達、友達でしょ?」
ナオコは通学カバンを両手でぎゅっと握りしめた。今、ここで断ったら、明日からクラスでどうなるんだろう。ここでまた財布の中身を減らされるよりも、そっちの方が怖かった。
「・・・・・・・わかっ」
「君達」
ナオコの返事を、列に並んでいた少年が遮った。驚いて顔をあげると、ナオコよりは少し年上の少年が、真っ直ぐにこちらを見ている。
「そういうのって、おかしいんじゃないかな? 友達って、物を買ってこさせたり、お金を借りたりする為のものじゃないだろう?」
真っ直ぐな視線に、逆にナオコは怖くなって目を逸らした。同調したら、きっと。
「何この人」
「関係ないのに何言ってんの」
「キモーイ」
「そういう言い方はないんじゃないのかな」
同じように列に並んでいた、こちらは中年ぐらいの男性が振り返った。中年とは言っても、メタボ気味のオヤジ達とは一線を画した、精悍な雰囲気を持っていた。
「俺から見たら、君達の言葉づかいの方がよっぽど気持ち悪いよ」
「やだ、何言ってんのこの人」
男性はその言葉を無視して、ナオコの方を見た。
「言い返したのは偉いぞ。頑張ったね」
誉められたのってどれぐらいぶりだろう。一瞬そんなことを思ったが、すぐにそれは打ち消された。
「関係ないのに、何言ってんのこの人。マジうざい」
「もしかして変質者じゃない?」
「やだっ、キモーイ!」
友人達はそういうと、きゃあきゃあ騒いで逃げていく。
「あ、待っ・・・・」
ナオコは慌てて追おうとした。
「あ、待つんだ!」
一緒に逃げようとしたナオコの腕を、男性が掴んだ。
「や、やだっ! 放してください!」
「あの子達と一緒にいたら、また同じようなことを繰り返す羽目になるんだぞ!」
「っ・・・・・!」
知ってます! という言葉が喉までせりあがった。それを本能的に押さえつけ、ナオコは別の言葉を叫んだ。
「誰かーー! チカンーーー!!」
「ええっ?!」
キュッ! というブレーキの小気味良い音がした。自転車から降りたお巡りさんが、警棒を握ってナオコ達の方に来た。
「何ーー?! チカンだとーー?! 貴様かーー! 貴様がチカンかーーー?!」
少し歳のいったお巡りさんは、腰が若干引けた様子で男性を睨みつけた。
「ち、違いますよ!」
「ウソをつくな! そのしっかりと握っている手が何よりの証拠! 大人しくお縄を頂戴しろ!
ん?」
警棒を振り上げたお巡りさんは、メガネをかけ直すと、よく目を凝らした。
「あれ? 東さん! 東さんじゃないですか!」
「え?」
「え?」
ナオコはおろか、男性や隣にいる少年も驚く。
「いや~、その節はお世話になりました」
「はあ・・・・・」
「本官ですよ! ほら、バスのひったくりの!」
男性はその言葉に、「ああ!」と破顔した。爽やかな笑顔だった。
「で、今回はチカンの逮捕にご協力いただけるとは」
「違うんですよ。この子が悪い仲間といたから、ちょっと注意しようとして。そうしたらチカンと間違えられちゃいましてね」
「なーんだ、そうだったんですか」
お巡りさんは一人納得すると、ナオコの方を向いてちょっとだけ表情を厳めしくした。
「君、この方はね、我々警察の仕事にも協力してくださる立派な方なんだ。チカンと間違えてはいかんよ」
そこでまたコロッと表情を変えると、男性と少年に笑顔と敬礼を見せて自転車に乗った。
「良かったですね、誤解が解けて」
「ああ」
男性はナオコの手を放すと、少年の方を向いた。
「ミライ君、メロンパンとコーヒー、三つづつ買ってきてくれないかな?」
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もしも総監が東光太郎だったら第五話3

「タロウ兄さんは、今、養成所の筆頭教官をされています。僕もタロウ教官に教わったんです」
「タロウ兄さん? 教官? ええっ?! あいつが?!」
光太郎はメを丸くしたが、立ち止まることはなかった。
「「はい! 色々なことを教えてくださいました。地球の話をたくさん聞かせてくれて、僕も地球に行きたいなって、ずっと思ってたんです」
「あいつが教官かぁ・・・・そんなこと全然言ってなかったよ。ちゃんと勤まるのかなぁ・・・・」
そういう光太郎の口調は、先日「あいつに総監が勤まるのか」といったタロウとそっくりで、思わずミライは笑ってしまった。
「ん? どうしたんだい?」
「あ、いいえ・・・・・光太郎さんとタロウ兄さん、すごく似ています」
「そうかい? やっぱり同じ人間だったから、離れても似ちゃうのかな。
それにしても、兄さんか・・・・じゃあ君は俺の弟ってわけだ」
ミライははにかんで俯いた。
「まだ、ゾフィー隊長からは許可をもらってないんですけど、でも、タロウ教官が「兄さんでいいって」って言ってくれて・・・・・あの、インペライザーを倒した時ですけど」
「そうだったのか。あの時タロウが俺のところに来てたんだぜ」
「ええ?!」
今度はミライが目を見開いた。
「またしばらく地球にいるから、力を貸してくれってさ。でも、結局一緒になる前にまた光の国に帰っちゃったけど」
「あ・・・・あの、それじゃ、僕・・・・・」
口ごもるミライに、光太郎は眩しい笑顔を向けた。
「いいんだよ。またそのうち会えるさ。
君は? 大切な人と一緒に、ずっと地球にいたい?」
「え? それは・・・・・」
「俺はね、君が地球を好きになって残ってくれたのなら、尚更、他の星にも行ってみるべきだと思うんだ。いろんな場所へ行って、いろんな文化に触れて、いろんな人と出会って。
その上で、一番地球を好きになって欲しい」
「・・・・はい」
ミライはタロウの前でするように、コクンと頷いた。
「そうだ! 今度の休みにどこかに旅行に行こうか」
「ええ?! 旅行、ですか?」
「だって休みにどうしたらいいのかわからないんだろう? だったら地球のあっちこっちに行ってみなきゃ」
光太郎の笑みに誘われて、ミライも笑顔の花を咲かせた。
「はい! 楽しみにしています!」

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もしも総監が東光太郎だったら第五話2

(どうしよう・・・休みの日って何をしたらいいのかな・・・・・)
洗濯は終わったし、布団も干した。掃除も終わった。ミライは休日にやるべきことがわからず、途方にくれていた。
今までの休暇は、地球に慣れるためにサコミズが色々なことを教えてくれたり、彼の都合がつかなければ課題が出されていたりで、なんとかなった。リュウ達と別れる決心をしてからは、料理やサッカーや子供との接し方の勉強に費やした。
が、今日は何もない。リュウ達にウルトラマンだということがバレたのを幸いと、サコミズはミライに課題をくれることはしなかったし、シフト制の休日だからリュウ達と何処かに行くわけにもいかない。昨日、休日に何をしたいいのかわからないから訓練をすると言ったら、異口同音に「ダメ!」と言われた。
仕方なしにミライは外出着に着替えた。行先をどうしようか考えあぐねたまま官舎の外に出る。
「おーい!」
上から聞いたことのある声がした。
「?」
「おーい、そこにいるのはミライ君かぁ~?!」
振り返って声のした方を見上げると、一番広いベランダから、パジャマ姿の光太郎が元気良く手を振っていた。
「総監!」
ミライは表情を輝かせると、光太郎のいるベランダの下まで移動した。
「おはようございます!!」
「おはようー! 今日は休みかいー?!」
「はい! でも何処に行ったらいいかわからなくて!」
「じゃあー、俺も休みだから、散歩にでも行こうー!」
「はい!」
ミライは誘ってくれた光太郎に感謝しつつ、玄関に走った。少し待つと、白を基調としたラフな格好をした光太郎が降りてきた。
「やあ、お待たせ」
「いいえ。総監、誘ってくださってありがとうございます! 今日はお休みなんですか?」
光太郎はミライを促して外に出つつ肯定した。
「ああ。久しぶりの休みだから、たくさん寝たよ。君は?」
「ええと、何時もどおりに起きて、掃除と洗濯をして、布団を干してきました」
「そうか。それじゃ、布団が冷たくならないうちに帰らないとな」
「はい!」
二人は近くの商店街を通りぬけ、住宅街近くの公園へと足を向ける。
「総監は、お休みの日はどうされているんですか?」
「そうだな、まずはその『総監』っていうのをやめることかな」
「え?」
光太郎は悪戯っぽく笑った。
「『光太郎』でいいよ。この間だってそう呼んでただろう?」
「あ、あれは、そのっ・・・す、すみません!」
光太郎は立ち止って頭を下げるミライの顔を上げさせた。
「いいよ。プライベートの時は『光太郎』って呼ぶこと。わかった?」
「はい!」
満面の笑みを浮かべて喜ぶミライの頭を、光太郎は撫でてやった。
「君は光の国から来たんだろう? 今、タロウはどうしてる?」

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もしも総監が東光太郎だったら第五話1

満月の夜だった。都会の喧騒から外れた森に、月光を集めたてできたような、水色の光が落ちた。多少なりと周囲の木を薙ぎ倒したが、地中深く潜ったそれは、すぐに灰緑の蔦を地上の森に伸ばした。手近な木に巻きつき、養分を吸い取り、蔦はどんどん太さを増していく。
僅か一時間ほどの間に、落ちた地面からは芽が出て伸び、巨木になった。照らし出される月光を反射する白い大輪の花が次々と咲いて行く。巨木は森を見降ろすほどに成長すると、腕のような枝を振り回し、花をがくごと落とした。落ちた花のがくの下から足が生え、胴体が伸び、手足を持ち、地球人のような二足歩行の姿を取った。

月は何時の間にか、すっかり雲に隠れてしまっていた。
残業で帰るのが遅くなったOLは、街灯の灯りもまばらな道を歩いていた。家賃で選んだアパートは広めではあったが、それは帰りを待つ者のいない身で考えれば、空虚な広さをつきつけるだけだ。
(もっと駅に近いところに引っ越そうかしら・・・・。レンタル店だって遠いし・・・・スーパーに寄って行かないと。今から何作ろう。面倒だなぁ。コンビニも飽きたし、食べるよりも先に寝たいわ。でも明日も仕事詰まってるし、食べないと持たないし・・・・・。あ~あ、料理の上手い彼氏でもできないかな)
ここ最近、一人きりで歩いていると、何時も同じことばかり考えている。冬でもないのに、ひゅっと吹いた風に思わず身を縮めた。その横を白い影が通り過ぎた。
「?!」
やけにはっきり見えた白さに、慌てて振り返るが、隣を歩いていったはずの白さは何処にもない。
(まさか、幽霊、とか・・・・・)
人影のない夜道が急に恐ろしく感じられて、彼女は家に早く帰りたくなった。誰もいない家だけど。視線を戻すと、目の前に、いた。
サボテンのような頭部に顔の代わりに白い花をつけた人影が、白衣を着て立っている。
「きゃーーーーー!!!」
悲鳴をあげる彼女に向けて、人間花は顔の中心から金色の花粉を飛ばした。悲鳴をあげたままの女性の口や鼻から、大量の花粉が体内に入り込み、彼女は咽てうずくまった。
「げほっ、げほっ・・・た、助けて・・・・誰か・・・・・」
「寂しいかい?」
誰もいない虚空に伸ばされた手を、人間花は手のような蔦を伸ばして絡めとった。

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拍手、ありがとうございます

報告さん>クセのあるお人・・・イサカルかな~。オリトラの中では一番人気ですw
拍手、どうもありがとうございます!

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MAKING MY BODY19

美麗な体のラインを惜しげもなく晒すシメオンの後ろから、地味に男が進み出た。左の腰に刀を指している。
「どうも、ルベンです。え~趣味は読書。特技、といっては何ですが、剣をたしなんでおります。どうぞよろしくお願いします」
ぺこりとまともにお辞儀をすると、すぐにイサカルの後ろに引っ込む。シメオンは相変わらず艶然と微笑んでいた。
「あのさ、頼んどいてなんだけど、あんたまともに護衛できるの? 芸能活動とか忙しいんじゃない?」
アシェルがシメオンの正面に立って指をつきつける。
「その点ならご心配なく☆」
「というよりも、そっちが副業なんで。あっしがまだ現役の時に、何かの役に立つかと放り込んでおいたんでさぁ」
「あ、そ」
アシェルは肩を竦めると引き下がった。代わりにディナがゾフィーの前に進み出る。
「以上の三名が隊長の護衛につきます。うっかりプライベート中に地球に行き、うっかり怪獣や星人とでくわして、うっかり戦闘を行わないよう、二四時間体制で行います」
「何ーーー?! 二四時間?! 待て、ディナ! それじゃ私の休み時間は?! 休暇は?! プライベート無しか?!」
「それが何か?」
「冗談じゃない!!」
「では、お怪我が治ってから考えましょう」
ディナの言葉がぐっさりとゾフィーを抉った。
「うう・・・・・・」
(明日からどうやって博士のところに行こう・・・・・)
ディナの要請に応えたぐらいだから、イサカルは厳しいかもしれない。
そーっとゾフィーが様子を伺うと、イサカルはニヤリと笑った。
「ま、プライベートに関しちゃ後で決めましょうや」
「イサカルさん!」
ゾフィーは表情を輝かせた。
「こいつぁかなり面白くなりそうだ」
イサカルはそういうと、ポンとゾフィーの肩を叩いた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

拍手、ありがとうございます!

4コマさん>はい。「ミラー」を書いている時はイカルス星人も加わって、大変紛らわしいことに。
イサカル、イカルガ、イカルスと、似たような名前にしてしまって、うっかり打ち間違いがこれから発生するかもしれません。てか、実際にやってました(笑)

yamiさん>ディナはなんだかんだで兄さんが心配なのです! ちょっぴりホの字なのです。でも兄さんは気づいていないのが理想。
兄さん、イサカルさんの前ではお子様です。一夜漬けのテストとかいろいろお世話になったに違いありません。きっと悪戯の数々もイサカルさんのおかげで食い止められてしまったとかあるかもしれません。

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天から来た勇者10

ロイテが鉈を振り下ろすと、コンという小気味の良い音とともに木が割れて、薪になった。
「何ボケっと突っ立ってんだよ。オマエもやれよ」
切株の上には太めの枝と鉈が置いてある。
「なんですかこれは」
シリアスは鉈と枝の両方を手にとってしげしげと眺めた。鉈はズシリと重く、武器としてはバランスが悪そうだし、枝は皮の部分が痛い。お腹に布を巻いたままのレイザーが、割れた薪の匂いを嗅いでいた。
「何って薪にするんだよ」
「タキギ?」
「おまえ、火を起こしたこともないのかよ! 信じられねー!」
「火を、起こす・・・・・?」
シリアスにとって身近な火といえば、火炎放射器やナパーム弾といった血生臭いものぐらいしか思い浮かばない。唯一まともに平和利用されているとすれば、晩餐の時にテーブルを彩る蠟燭ぐらいだ。そこに灯る炎をどうやって点火しているのか、シリアスは知らなかった。
「シリアスって何をしていたの?」
ユーバやプエル、ナジェは興味津々でシリアスを囲む。
シリアスはしばし返答を考えて黙った。この子供たちに政治や経済、工学の類の話をしてもわかるだろうか。瞬時に答えは出た。Noだ。相手の理論を叩き伏せる快感をこの子供たちに言っても無駄だろうと思った。
そこでふと、シリアスは辺りを見渡した。
「ここには大人はいないのですか?」
途端にユーバ達は俯いた。ロイテは鉈を置くと、猛烈な勢いでシリアスの胸倉を掴んだ。
「てめえ、ワザと言ってんのか?!」
「何を、するのです・・・・・!」
シリアスはロイテの手首を掴んだ。そのまま引きはがそうと力を込める。
「何をしているの! ロイテ!!」
メーテの声がして、慌ててロイテはシリアスから手を離した。シリアスは服を直すと、埃だらけのロイテの手が触れた辺りを払う。
メーテがアマタとニーニャを連れて、男の子達のところへ来た。
「め、メーテ!」
「ロイテ、暴力はいけないって前から言っているでしょう?」
「だってよ、コイツが・・・・」
ロイテがシリアスを指さして睨みつける。
「あ、あのね、きっとシリアスはガーゴイルを知らないんだよ!」
プエルが二人の間に入るように一生懸命に考えたことを叫んだ。
「ガーゴイル?」
シリアスの疑問符を伴った声に、メーテは一瞬俯いたが、気丈にもすぐに顔をあげた。
「三年前、突然現れたモンスターよ。人間を襲って食べているの。あたし達のお父さんやお母さんも、皆・・・・」
「うっ・・・うえ・・・・・」
ニーニャがその時のことを思い出したのか、メーテの足にすがって泣き始めた。
「今じゃ生き残っているのはあたし達、たった七人しかいなくなってしまった・・・・」
メーテはしゃがんでニーニャの涙を拭ってやった。
「だから、あたし達は生きなきゃいけないわ。絶対に」
「あのトラップは、そういうことだったわけですね」
シリアスはレイザーの怪我した網を思い出して呟いた。
「さ、それよりも早く食事にしましょう。ロイテ、薪は割り終わった?」
「あと少し」
「そう。それじゃ、なるべく早くお願いね」
メーテはそう言うと、二人を連れて戻って行った。
「ふん」
ロイテはシリアスの方を一度だけ見ると、そっぽを向いて薪割りの続きに取りかかった。
レイザーがシリアスのズボンを引っ張る。
「レイザー、私は・・・・・」
くぅん・・・と小さく声が漏れる。シリアスは為貴を一つ吐くと、まだ両手に持ったままの鉈と枝を見比べ、切株の上に枝を置いた。見よう見真似で薪割りにかかる。
「あのさ、シリアス」
「なんですか」
神経を集中させているシリアスの横に、プエルがくっついてきた。
「昨日は星が綺麗だったんだ。だからきっと勇者様がガーゴイルを倒してくれるよ」
「勇者?!」
振り下ろした鉈が、枝を掠った。
切株の上に、血が滴った。

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MAKING MY BODY18

「出世しましたな、隊長さん」
ゾフィーは網を振り払って慌てて立ち上がった。
「イサカルさん、あなたがまさか・・・・」
「おっと、敬語は止めてくださいやし。あっしはもうアンタの護衛役で部下だ」
イサカルはかつてウルトラ忍者部隊の長として警備隊に貢献していた。ウルトラの父の信頼も厚く、人によっては父よりも彼に心酔している者もいる。ゾフィーも訓練生の時からずっと世話になっていた。
怪我で右腕を失ってからは引退して、ウルトラの父が説得しても復帰しなかったというのに。
「しかし、私のような若輩者に、あなたが護衛につくだなんて・・・・・」
ゾフィーは酷く戸惑ったまま、もごもごと言葉を濁した。
イサカルは左手を差し出した。目の前に出た大先輩の手を、慌ててゾフィーは握り返す。
(あのブルーのお嬢ちゃんに頼まれたんでね。イイ子じゃぁないか)
突然入ってきたテレパシーにゾフィーは驚き、目を瞬かせた。
(ディナが?! 私のために? あなたに?)
このクセのある大人物を、いったいあの真面目一辺倒のロボットみたいな彼女がどうやって説得したのだろう。そしてそれを彼が受けるとは。
ディナがイサカルを護衛にさせるということは、ただ能力を見込んでだけではない。それ以上の価値を計算に入れている。彼が護衛につくというのとは、同時にイサカルに認められたということだ。物理的な護衛よりも、影響力としてはそっちの方が遙かに強い。イサカルはそれを恐れて、というよりも面倒がって隠居していたのだ。
そして何よりもゾフィーの相談相手になる。
(ま、『面白い』って言ったのは隣のお嬢ちゃんだがね。あんまり心配をかけるモンじゃあねぇ)
イサカルはテレパシーを切ると、ゾフィーの手を離した。
「隊長にまでなっちまえば若輩も何もあったもんじゃありませんや」
「え、ええ・・・・まあ・・・・・」
「ま、あっしも一人じゃ心もとないんで、部下を連れてきやした」
イサカルの言葉を待っていた男女の二人が、応接室から姿を表した。どちらもシルバー族で、女性の姿はどこかで見たような気がした。
「きゃーーー!」
「凄いですぅ~!」
「ん? どうした?」
黄色い悲鳴をあげた双子に、ゾフィーは振り返る。
「だって、あの人シメオンさんですよ!」
「去年の宇宙美人コンテストの優勝者!」
「ほら、今月の『ビューティーマウンテン』の表紙だって!」
キルシュが取りだした女性向けの雑誌に、にっこり微笑んでいる女性がいる。イサカルの横に並んだ彼女は敬礼をすると、雑誌に写っているよりも危険な笑みをゾフィーに向けた。
「これから護衛をさせていただきます、シメオンです。どうぞよろしくねっ☆」

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MAKING MY BODY17

「護衛?! そんなのいらないぞ!」
ジロリ、と室内の視線がゾフィーに突き刺さる。
「あ、いや、今は人手不足だ。私の護衛に人員を割くことはできない」
「問題はありません。外部からすでにスカウトをし、今日より任務につきます」
「今日から?! 待て! そんな辞令は聞いていないぞ!」
ディナは持っていたプレートを起動させ、ゾフィーに差し出した。
「昨日付けで発行された辞令です。使用プレートのレベルは重要度AAA。捏造、改竄の余地はありません」
浮かび上がったホログラフィ文字は確かに自分の筆跡のサインがされている。一度書きこんだら消すことのできない、強力なプロテクトがかかったRAM専用プレートだ。
「私が?! こんなのものを、昨日のサインに?!」
だが、よくよく考えてみれば、昨日はサインする書類が多すぎて、ろくすっぽメを通さないまま、ディナの仕分けたプレートに機械的にサインをしていた。あの中の一枚の中に、コレが。
「あああ・・・・・・・・」
「では、紹介します」
ディナが合図をすると、アシェルが応接室のドアを開けた。
「仕事をしたら面白いモンが見られるってぇんで来てみたら、まさか本当だったとはね。思いもよりませんでしたや」
独特の口調が聞こえ、落ち込んでいたゾフィーはバッと顔をあげた。
「い、イサカルさん?!」
隻腕のレッド族の男性が、床に座り込んでいるゾフィーを見て微笑み、軽く左手を上げた。

テーマ:二次創作 - ジャンル:サブカル

3000HITありがとうございます!

気がついたらカウンターが3000超えてました。す、凄い!! な、なんか前よりもスピード上がってない?!

来てくださっている方々、本当にありがとうございます!
できるだけ毎日更新していくように頑張ります!

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MAKING MY BODY16

ゾフィーは自分の執務室の床に、ドンと下ろされた。周りをディナ、アシェル、キルシュ、ペシェに囲まれ、逃げ場がない。
「大丈夫ですか、隊長? 網を外しますね」
レピが柔らかい声でそういうと、ゾフィーの体に絡まった網をレーザーナイフで切り裂いた。
「あ、ありがとうレピ」
礼は言ったものの、その場に立ち上がることができない。
(な、何かマズイことをしてしまったのか? スイーツ星のケーキを食べた時はキルシュとペシェにちゃんと分けたし、ティーポットを壊した時はレピに謝ったし・・・まさかうっかりアシェルに頼まれたチケットを取り忘れたことか!? それともディナの休暇届けにまだ印を押してないことか?!
まさか全員そろって「お暇させていただきます」なんてことはっ・・・・!)
そんなことをされたら10日も経たないうちに過労死してしまう。
「ま、待ってくれ! とりあえず事情を! 私が何かしたら謝るから!」
「わかりました。では先に事情から説明しましょう」
ディナは手にプレートを持ったまま話し始めた。
「きっかけは現在の隊長のお体の具合です」
「私の? 別に健康だが・・・・・」
「まあ、隊長ったら」
レピはくすくす笑いながら、背後から右腕のギプスをつついた。
「また、先日死亡された件、その前のタール漬けの件、磔の件を鑑み、話し合った結果」
(まさか「愛想がつきたのでお暇いたします」ではっ!)
「わーー! すまん! これはちょっとした油断が! いややっぱり前線に出ていないから! やっぱりデスクワークだけではまずいから、こう、もうちょっとローテーションを!」
「あなたに護衛をつけることにしました」

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拍手、ありがとうございます

4コマさn>そうですね~。副隊長っていませんよね~。やるとしたら初代さんかセブンさんでしょうか。でも二人とも地球に行っちゃってますしね。むしろゾフィーの地位を狙っているぐらいの野心家とかいいかもしれません。うん、ディナに倒されなければいいけど(笑)
光太郎さんは地球最強生物ですね(笑)

yamiさん>ディナを気に入ってくださってありがとうございます! オリトラを褒められると嬉しいです。たまには優しいディナも書いてみたいけど・・・・?

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酒場にて14

「しかしまあ、あなたがたがきてくださるのはありがたい」
と、マスターが、まぶしく笑う光太郎を見ながらそっと双子の兄弟に囁いた。
「光ちゃん、歌だけはダメで」
田中さんも横から口を挟んだ。
「でも、あの声と楽器で、ずいぶん怪獣や獣を追い払ったらしいけど」
「・・・・・また凶悪な武器もってますね」
さっきの素っ頓狂なオカリナの音色を思い出し、明日人は苦笑した。が、田中さんの答えは違った。
「楽器で本当に殴ったらしいですよ」
明日人は軽くカウンターにつっぷしたが、そのままの姿勢でくっくと喉を鳴らして笑った。
「そいつはちょっと楽器が気の毒だね。じゃあ、気の毒な楽器の救済でもするか」
「助かります」
笑った顔は布袋顔で、田中さんの人柄が見てとれた。
「じゃあ、次の店行きましょうか~!」
後ろの席では、できあがってる人達が更に騒いでいる。光太郎も混じっていた。
「あ~ら、ダメよお。これ以上酔っぱらうと、素顔が出ちゃうじゃないの~」
「おう、おめーの素顔より、美人の地球人顔になれや~」
「仮装すればいいんだよー」
「なーに言ってるの! 今はね、コスプレっていうのよ! コ・ス・プ・レ!!」
そんな喧騒をカウンターから眺め、明日人は目を細めた。
「…ねえ、兄さん。東京中にこういう店、一体何軒あるんだろうね?」
「さあな。でもいいじゃないか」
「うん。凄く・・・いい」
明日人は、にっこりと素直な笑顔を浮かべると、立ち上がってグラスを天に掲げた。
「よし、きょうはじゃんじゃんいっちゃおう!」
「そうこなくちゃな!」
同じく立ち上がったゲンが、キンと空のグラスを当てる。


陽気な酒場の喧騒は、朝やけが出るまで続いていた。



                    END
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MAKING MY BODY15

ゾフィーは午後から仕事をする為、博士と別れて自分の執務室へと足を向けた。
部屋の中ではまだディナ達が午前の仕事をしているだろう。自分の部屋だがノックぐらいはした方がいいかもしれない。
ノックをしようと左手をあげると、何故か背筋がゾクッとした。
「なんだろう・・・・嫌な予感がする・・・・・」
そのままどうするべきが悩んでいると、唐突にドアが開いた。
「うわああ?!」
辛うじて顔面への直撃だけは避けた。
「おはようございます、隊長」
中から顔を見せたのは青いラインを持つ第一秘書のディナだ。何時も通りに無機質で無表情だが、何故か今日に限っては冷気を帯びているような気がした。
「お、おはよう」
何故か冷気を纏っているような気がして、そのまま二、三歩後辞去る。
「まだ、午後の執務には早いみたいだな。もう少し、時間を潰して・・・・」
「いいえ、お仕事が溜まっていますので、どうぞ」
ディナが優雅に手を広げて招き入れる。ゾフィーは自分の勘に正直に従った。
「すまん、なんだかわからんが後にする!」
「あ、隊長!」
ディナは素早く後ろを振り返った。
「アシェル!」
「任しときーー!!」
ドアの近くに待機していたアシェルが、投網を持って廊下に出た。そのままゾフィーに向かって網を放り投げる。
「おりゃーーー!!」

    ばさっ

「うわっ?! な、なんだ?! なんだ?!」
右手が使えないのも相まって、網に絡まったゾフィーはそのまま廊下に転がった。
「「は~い、隊長さん一名ご案内で~す」」
棒を持ったキルシュとペシェがやってきて、網の間に棒を通して肩に担ぐと、ハイホーハイホーと隊長室へと連行していく。
「な、なんだなんだこれはーーー?! 私が一体何をしたーーー?!」

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