もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

ZATVSグローザム3

グローザムの周囲に氷柱が何本も立ち、次第にそれはZATの視界を遮るようになってきた。
「ふはははは・・・! どうした! 他には何もないのか?!」
「隊長! ナパーム弾が切れました!」
「ミサイルで攻撃だ!」
次々と発射されるミサイルは、氷柱を壊し、砕け散った氷がグローザムの体表を鎧のように覆っていく。
「くっくっく・・・そろそろお遊びはおしまいだな!」
グローザムが刃のような腕で氷柱を薙ぎ払い、近づいたスカイホエールに手をあげる。
「うわあっ!」
思わず南原が操縦桿に力を込めた時だった。
炭の山が弾け飛び、中から飛び出したタロウがグローザムの背中に組みついた。
「タロウ!!」
「よっしゃ!」
「う、ウルトラマンタロウ?!」
驚くグローザムの背中にタロウは何度もチョップを叩きこむ。なんとか首を後ろに曲げたグローザムは冷凍光線を吐き出すが、間一髪タロウはそれを避けた。グローザムが光線を吐きながら立ち上がる。タロウは大きくジャンプすると、空中で身体を捻ってそれをかわす。そのままスワローキックがグローザムを捉える。だが、グローザムも大したもので、よろけただけですぐにタロウに襲いかかった。左右腕の氷の剣を交互に振るう、タロウも同時に両手でガードし、二人は同じタイミングで互いの腹に蹴りを放った。
反動でよろけた二人が、距離を取って睨みあう。
「タロウー! そいつの身体をバラバラにしてくれ!」
北島がコンドルの中で叫ぶと、タロウはその声を聞き届けたのか、振り仰いで頷いてくれた。
グローザムが冷凍光線を吐いた。タロウはキングブレスレットを巨大な剣山に変形させると、飛び上がってグローザムの真上にそれを落とした。
「ぐわっ!」
単純な痛みだけの短い悲鳴をあげて、グローザムが凍ったダムの上にバラバラになる。
「塩投下!」
「了解! 塩投下!」
スカイホエールとコンドルの真下から、大量の塩がグローザムに向けてばら撒かれる。
「ふははは・・・・! 俺様が元に戻れるぐらいしているだろうが!
・・・ん?」
破片となった自分の身体が、ダムの氷の上から動かない。
「な、何故だ?! 何故動かん?!」
全身が凍りのグローザムは、塩のおかげでダムの氷と一体化してしまっていたのだ。
タロウは剣山を今度は熊手に変形させると、自分がさっき崩した備長炭をかき集め、グローザムの上に積み上げた。


数日後。
「へーっくしょん!」
「東さん、まだ風邪治らないんですか?」
「仕方ないだろ。雪山で遭難してたんだぜ」
光太郎は森山嬢の差し出したティッシュで洟をかみ、軽く上野を睨みつけた。
「だったら、この間の山奥ダムの水を飲んだらどうかしら?」
「山奥ダムって、あの氷の宇宙人倒したところだろ。ダムの水じゃ名水にならんだろ」
北島がお茶をすすりながら森山嬢を見る。
「それが、あの星人が解けてから、あそこの水を飲んだ人は、怪我や病気があっという間に治るって評判なんですって」
「はは・・・・そりゃあいい。宇宙人パワーってヤツだな」
「えー?! やめてくださいよ、副隊長!」
うろたえる光太郎に、メンバーの温かい笑い声が向けられた。

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ZATVSグローザム2

スカイホエールとコンドルは、間に大量の備長炭を乗せてダムまで飛んだ。森山嬢は単騎でスーパースワローを駈っている。
ダムの岸壁では、凍った水と一緒にタロウまで凍らされている。
「よーし、今助けてやるからな。
炭投下!」
ロープが切り離され、氷漬けのタロウの上からゴロゴロと炭が積み上げられる。
「ふん、無駄なことをしに来たな、地球人どもめ!」
グローザムは口から冷凍光線を吐いた。
「おっと! 食らうかってんだ!」
南原は軽口を叩きながらホエールを上昇させる。
「攻撃開始!」
朝比奈の号令のもと、三機は三方向から一斉に攻撃をしかけた。グローザムは口から冷凍光線を吐き出して、飛んでくるミサイルを次々と落としていく。それをかいくぐって、スワローの攻撃は確実にじわじわとグローザムの体表の氷を削っていく。
「よし、スーパーナパーム投下!」
「投下!」
南原と上野がナパーム弾のスイッチを押す。凍ったダムの上に炎が投げ落とされる。
「ふん、この程度の火で俺様が溶けるとでも思ったか!」
グローザムは嘲笑しながら燃え盛る炎を凍らせていく。
「くう、火まで凍らせるなんて! これじゃ氷河期になっちまう!」
「かまわん、とにかくナパームを投下だ。ありったけぶちこめ!」
朝比奈の目は、タロウの足元にぽたりと落ちる水滴を見つめていた。

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ZATVSグローザム

あらすじ

いきなり現れた怪獣がダムを凍らせてしまったあげく、タロウの腹にツララをぶっ刺して凍らせてしまいました。


朝比奈は作戦室の中を、ゆったりと歩きまわった。北島や荒垣はイライラと机の上を指先で叩き、南原は頭を掻きむしり、上野は鉛筆を手の中で遊ばせている。
「う~ん・・・・どうやったらタロウを助けられるのか・・・・」
「そういえば、東とはまだ連絡がつかんのか?」
「一緒にスキーに行った白鳥兄弟とは連絡がついたのですが、途中で遭難したらしく、はぐれてしまったそうです」
「そうか。探しに行きたいのはヤマヤマだが、タロウと怪獣を放っておくわけにもいかん。そっちはレスキュー隊に任せよう」
「はい」
森山嬢は努めて何時もの冷静な表情で頷いた。
ジリリリリン・・・・と内線が鳴った。
「はい、こちら作戦室。あん? ああ、わかった」
荒垣は受話器を置くと、南原と上野の方を見た。
「出前が来たから取ってこい」
「ああ、もうそんな時間ですか」
「腹が減っては戦はできぬ。良いアイディアも浮かんでこないと」
「行ってきます」
二人がオカモチを二つ抱えて戻ってくると、森山嬢がお茶を淹れてくれる。急に空腹感が襲ってきた。
「いただきます」
と朝比奈が言うと、ZATのメンバーはそれぞれ自分の箸を取った。
「それにしてもどうやったらあの怪獣をやっつけられるんですかねえ。タロウの光線でバラバラになったって元に戻るんですよ」
「周りのダムを凍らせたりしてるぐらいだから、あいつの身体は氷でできてるんじゃないか?」
「でも、氷だったらタロウの光線で解けちゃうんじゃないかしら?」
「その辺が解明できれば・・・・あ、このサンマ、今日はオヤジさんが焼いたな」
北島はかぶりついていたサンマから口を離した。
「そういえば、今日は女将さんは子供の授業参観でいないって言ってたわ」
「焼き魚は女将さんの方が美味いんだ。ちゃんと炭で焼いてくれるから」
北島は黒こげの皮を落とすと、少し焼き過ぎて堅くなった中身をほぐす。
「オヤジさんだとガスコンロで焼いちまうからな」
「魚焼くなんてどれも一緒じゃないのか?」
「全然違うぞ。キャンプなんかだと、魚は遠火で焼くだろう。あれと一緒だ。ガスコンロの上でガー! と焼いても、表面だけが焼けて、中身はよく焼けないんだ。その点、炭火なら中の方から先に火が通るから、焼き過ぎもないし、上手い魚が焼ける」
大根おろしと本部に置いてある醤油をかけ、ご飯の上に乗せた。上野は北島を見ながらカレーを掬った。
「なんで中の方から先に焼けるんですか?」
「家電メーカーに努めてる友人の話じゃ、遠赤外線っていうののおかげらしい。表面は焦がさず、中身はしっかり焼きあげる」
朝比奈はソバを一口すすると、箸を軽く持ち上げた。
「案外、使えるかもしれんな」
「え?」
「なるほど!」
荒垣が天丼の上にパシンと箸を打ちつける。
「つまり、炭火であの怪獣を倒せるってことですか!」
「温度が高くないなら、油断するかもしれませんね」
カツ丼を頬張りながら南原が頷く。
「よし、それで行こう! 『炭火焼作戦』だ!」
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土から生まれた守り神22

「タロウ、何処にいったんだろう」
五郎が不安そうに月夜を見上げる。
「きっと、あの人形を元の場所に返してくれたんだよ」
健一は笑顔でそう言った。
「そういや、あのお兄さんは?」
良太の言葉に、ふと健一と上野は顔を見合わせた。
「そうだ、光太郎さん!」
「探してくるから、君たちはここで待っていてくれ」
上野はそう言うと、崖の下に滑り降りていく。ずれたヘルメットを直して大きな足跡の方へ走ると、
「おーーい! おーーーい!!」
薄闇の中、大きく手を振る光太郎の姿が見えた。
「東さん!」
「あ、光太郎さん!」
聞こえた声に、健一達も崖を滑り降りて駆けだした。



古墳の上に、土が掛けられていく。
ZATのネットワークで残りのハニワが全部見つかったので、彼らを元いた場所に戻すのだ。
「ああ・・・・古代のロマンが・・・・」
「せっかくのマンション計画が・・・・」
埋められていく古墳の前で、考古学者の吉川と、地主が嘆いていた。
「ま~、墓荒らしは良くないっちゅーことだな」
朝比奈がブルトーザーによって埋められていく古墳を見ながら言った。国の上層部に掛け合って古墳の発掘を止めると、そのまますぐに現場に来たため、少々寝不足気味だ。
「墓荒らしじゃないんですよ! きわめて学術的な!」
「あ~、ナンマンダブナンマンダブ・・・必ず供養しますから、これ、この通り・・・・」
「おじさん達、あきらめたら?」
光太郎の横で健一や良太がからかった。
「次にここを掘って怪獣が出たら、おじさん達の責任だよ」
「そ、それは!」
「賠償金か?! なんてこった!」
うろたえる二人を見て、子供たちならずZATのメンバーもくすくすと笑う。
「ほらほら、そんなこと考えてる暇があったら、別の発掘場所でも探したらどうです?」
「『時は金なり』ってね」



       おしまい
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土から生まれた守り神21

タロウはハニワの肩を掴むと、腹に向けて何度もキックを放った。それから逃れようと、再びハニワが顔でパンチをする。手を離してよろけたタロウに更にロケットパンチを撃った。タロウは側転で避け、軽く腰を落とすと再び大きくジャンプをした。空中で身体を何度も捻り、予想のつかない場所へ、天高くから蹴りを入れる。
丸い胴がゴロゴロ転がっていくのを追いかけ、タロウはハニワを両手で高く持ち上げた。そのまま思いっきり地面に向かって放り投げる。
ハニワがバウンドすると、旋回していたスカイホエールが戻ってきて、ハニワに向けて大量のドライアイスを投下した。辺りにもうもうと白い煙が立ち込め、あっという間に木々の枝葉に氷の結晶がついていく。
「寒いよー!」
「怪獣は?」
「何も見えないよ!」
「危ないから、もっと離れるんだ!」
上野は二酸化炭素を避けるため、健一達をできるだけ高い所へと避難させる。それを見たタロウはキングブレスレットを団扇に変形させると、風で煙を払った。
やがて冷気が収まると、そこには固まりかけたハニワが、バキバキと音を立てながらタロウに迫ろうとしていた。
動きが鈍い分、返って不気味さが増している。目や口の下に、白い氷が涙やヨダレのようについていた。
タロウの全身が虹色に輝く。

『ストリウム光線!』

T字型に組まれた腕から放たれた、極色彩にして超高熱のエネルギーが凍ったハニワを直撃する。派手な爆発音を立ててハニワの身体は木端微塵になった。
「すげー!」
「やったやったー!」
「やっぱりタロウはすごいや!」
喜ぶ良太達の横で、健一は上野を見上げ、上野も子供たちを一人ずつ気遣った中、最後に健一を見て笑ってくれた。
「あ、あれ見ろよ!」
五郎が比較的足元に飛んできた破片を指差す。よく見ると、それは素焼きの破片ではなく、自分たちが持ってきた小さなハニワの人形だった。それが無数に散らばって、どれもこれもわたわたと手足を動かしている。
それを見たタロウは大きくうなづくと、地面にしゃがんでそっと手を差し伸べた。散らばったハニワ達が、短い足を必死に動かしてタロウの掌に乗ると、タロウは勢いをつけて飛び立った。


しばらく飛んだタロウは、まだビニールシートがかけられている古墳の側に着地した。そっと膝をついて手の中のハニワ達を下してやる。
ミニハニワ達は、わちゃわちゃと古墳の中に入ろうと、必死に走っていった。時折短い足が石に躓いて転ぶ者もいたが、石の出入り口のところで、皆が振り返ってタロウを見上げた。
一生懸命に手を振る彼らを見て、タロウは大きくうなづくと、今度は一人で空に向けて飛び立った。

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