もしも小話

アニメや特撮等、筆者の見たものの「もしも~」的な話を載せたりするブログです。無断転載禁止。

もしも総監が東光太郎だったら第八話15

風が吹き、パウダースノーが巻き上がる。雪は太陽光を反射しながら、倒れたウーの体を次第に隠していった。
「ウー・・・・」
「消えてく・・・・」
飛び立ったメビウスの姿から地球人の姿になると、ミライは風太を残してきた場所に走った。
胸を押さえて蹲る風太の姿があり、ミライは慌ててその体を支える。
「風太君!」
「うん、大丈夫。山神様も無事だったよ。
お兄ちゃん、村を守ってくれてありがとう」
「でも、風太君・・・・」
ミライの腕の中にいる風太の体に雪がまとわりつく。風太は自分の足で立った。
「お兄ちゃん、寒かったんだよね?」
「ううん、大丈夫だったよ。それより風太君、君があの怪獣を呼んで助けてくれたんだよね?」
風太は大きく頷いた。
「ミライー!」
リュウが雪を蹴散らしながらミライを探してくる。
「ミライくーん!」
「ミライー!」
他のメンバーも光太郎に連れられてミライを探しに来た。
「アミーゴ、何をやっているんだ?」
「独り言、ですかね?」
「うーん、ちょっと違うと思うけどね」
サコミズは中腰で誰かに話しかけているミライを見た後、光太郎を見た。
「僕、ずっと一人だったから、一緒に遊んでくれて楽しかったよ。
ありがとうお兄ちゃん」
「僕も楽しかったよ。雪って綺麗だね」
風太がその一言に嬉しそうに笑うと、風が吹いて雪を撒き上げた。
雪が目に入ったミライが一瞬眼をつぶると、次に瞼を開いた時、風太はもういなかった。
「・・・・風太君? 風太君?!」
慌てて周囲を探すミライは、リュウや光太郎達に気付いた。その仕草に、リュウ達がミライの側に駆け寄る。
「リュウさん! 皆も!」
「ミライ君、さっきから何をしていたんですか?」
「風太君がいなくなっちゃったんです! ほんの一瞬、風が吹いただけなのに、もう・・・・」
「風太君?」
「風太君なら、ウーと一緒に山に帰ったよ」
光太郎がミライの肩に手を置いて、倒れていたウーの方を指差す。
「帰っちゃんですか・・・・? もう?」
ミライは足跡の見えない雪原を見渡した。一緒に作った雪だるまもない。
「アミーゴ、ミライはさっきから誰のことを言ってるんだ・・・・?」
ジョージが寒そうに腕をさすりながらリュウを見る。
「わっかんねーんだよ・・・・俺だって昨日から見てないのに、ミライのやつはずーっとああ言ってるんだ」
「え? ちょっと、どういうこと?」
「雪山の伝説ってところだろうね」
サコミズが少しうろたえているジョージやマリナの背後から、ぽんと肩に手を置いて言った。
「光太郎さん、僕、風太君と一緒に雪だるま作ったんです。でも・・・・」
「雪だるまなら、ちゃんとあそこにあるよ」
光太郎はさっき走って行こうとした山の方を指差した。
「あっ!」
風太が一生懸命に雪だるまタロウの角をつけようとしているのが見える。
「あの、総監・・・・見えて、るんですか・・・・?」
リュウが怖々と光太郎の袖を引っ張る。
「風太くーん!」
ミライが誰もいない山の方に向かって手を振った。気が逸れているその隙に、そっと光太郎がリュウに耳打ちする。
「いいや。でも、俺たちが見えないからって、あそこに誰もいないとは限らないだろ?」
「それって、ミライがウルトラマンだからですか?」
「ウルトラマンだって見えないものはたくさんあるさ。
大事なのは、自分が見えないからってそれを否定しないことだよ」
「また会おうねーーー!!」


               終

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もしも総監が東光太郎だったら第八話14

パウダースノーがさらりと宙を舞った。キラキラと光る雪が次第に一か所に集まり、雪のように真っ白な毛並みになる。全身を長い毛足に覆われた巨大な生物が現れた。
「あれは・・・・!」
「ウーですよ! ウー! 雪山に伝わる伝説の!」
テッペイがガンウインガーの中で興奮した声をあげる。
ウーはメビウスを打ち据えるスノーマウントに飛びかかると、そのまま雪の上を転がった。
「あいつ、いい怪獣なんですか?」
リュウが光太郎を見上げる。光太郎は大きく頷いた。
スノーマウントはウーを払いのけると、雪の上に倒れたウーを何度も踏みつけた。ウーはその足からなんとか逃げ出すと、転がったままスノーマウントの尻尾にしがみついた。
「いいぞー! 頑張れー!」
スノーマウントは尻尾を掴まれたまま、暴れて腕を振り回す。ウーの頭に何度も手が当たった。ウーからあがるうめき声に、メビウスが背後を振り返るが、まだ雪崩が止まりきらないのでバリアを解くことができない。悔しがるようにメビウスは頭を振った。
「サコミズさん、なんとかウーの援護を!」
光太郎がメモリーディスプレイ越しに頼む。
「わかっています!」
だが、ウーはスノーマウントの尻尾を強く引っ張ると、そのまま雪の上に引き倒す。倒れたスノーマウントはすぐに立ち上がり、同じく立ちあがったウーと組みあった。
「近すぎて当たっちゃうわ!」
互いに腕を掴んだまま、押し合い、位置を変える怪獣達に、照準をつけるのが難しい。
スノーマウントの尻尾がドン・・・・! と地面を叩く。それを見た光太郎が指示を出す。
「尻尾だ! やつは尻尾で雪崩を起こしている! そこを攻撃するんだ!」
「GIG!」
「マリナ、俺が撃つから操縦代わってくれ」
「OK、任せたわよ!」
ガンローダーが空中を旋回する。それを察したガンウインガーが、翼でスノーマウントの皮膚を切り裂きそうな程に接近して怪獣を驚かせ、一瞬の隙を作った。
「バリアントスマッシャー!」
ジョージの指がトリガーを引く。二条の光のうちの一本がスノーマウントの尻尾に当たり、一条が雪を溶かした。
スノーマウントが悲鳴をあげ、ウーを地面に叩きつける。切り取られた尻尾が雪の上をのたうちまわり、メビウスの背中に当たった。スノーマウントはウーを踏みつけながら、ガンウインガーとガンローダーに向かって冷凍光線を吐いた。
「山神様!」
風太が胸を押さえて地面にしゃがみこむ。
「ミライー!!」
リュウが声の限りに叫んだ。
「あいつやられちまうぞ! お前を助けてくれてるんだぞ!!」
ようやく雪崩の収まったところで、メビウスがリュウの方を向いて頷く。
すっくと立ち上がったメビウスの全身を炎が祝福するように覆い尽くす。
炎に彩られたメビウスはスノーマウントに飛びかかると、その体をウーから引き剥がして、止まった雪崩の上に放り投げる。そして大きく飛び上がると、回転して炎を纏ってスノーマウントにキックを突き刺した。腹に風穴の開いたスノーマウントは、全身に油を浴びたように一瞬で炎にまみれ、積もった雪崩を溶かしながら倒れていった。



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もしも総監が東光太郎だったら第八話13

  セヤッ!

光の粒子が結晶化して、ウルトラマンメビウスが雪上に降り立った。舞い上がった粉雪がキラキラとメビウスの身体の周囲を舞う。
「ミライ!」
息せき切ったリュウが光太郎のところに辿り着く。
「アイハラ君! 戻ってきたのか!」
「俺だって戦いますよ!」
「避難は完了したのかい?」
「全員、小学校のグラウンドに避難させました!」
二人の頭上では、ガンウインガーとガンローダーのイナーシャルウイングが収納され、通常モードへと移行していた。
その変形の隙を守るように、メビウスがスノーマウントに組みつく。両腕の付け根を掴んだまま、横に引き投げた。バシンと音を立てて、スノーマウントの尻尾が地面を叩く。その尻尾を支えに、スノーマウントは起き上がりこぼしのようにひょいと立ちあがると、メビウスに接近した。太い腕がメビウスの胸を叩く、メビウスも負けじとハイキックで距離を取ると、そこにウイングレットブラスターが叩き込まれる。メビウスはよろけたスノーマウントに連続してパンチとキックを放った。スノーマウントは尻尾でドン・・・・! と地面を叩くと、再び冷凍光線を吐いた。咄嗟にメビウスはそれを転がって避ける。スノーマウントは、また尻尾でドン・・・・! と地面を叩いた。バリアントスマッシャーがスノーマウントの足元に打ち込まれ、メビウスが立ちあがるまでの僅かな時間を稼ぐ。
「いいぞミライ!」
「あの尻尾・・・・何をやっているんだ?」
メビウスが立ちあがり、両腕を大きく上げて構えを取る。
スノーマウントがドン・・・・! と、今度は足を踏みならした。
「おっ・・・と・・・と・・・・!」
「うわっ!?」
地上にいる光太郎とリュウが雪の上で素っ転んだ。雪の中に埋もれた耳に、水道管に耳を当てたような音が聞こえてきた。
「! この音は・・・・!」
雪まみれの光太郎が起き上がる。山が、揺れている。
「アイハラ君、逃げるんだ!」
「何言ってるんですか!」
「雪崩だ! 飲み込まれるぞ!」
光太郎がリュウを立たせた瞬間、決壊したダムから溢れた水のように、雪山から液状に見える雪が落ちてきた。
「な、雪崩だっ!」
それを目の当たりにして、リュウは光太郎と一緒に逃げ出す。
「いけない! あの雪崩の量だと、村の方にまで・・・・!」
サコミズの顔が青くなる。

  セヤッ!
 
メビウスが周囲の山から平地を守るように広範囲のバリアを張った。大量の雪がバリアに当たって、津波のように砕けて粉雪を散らす。
メビウスのカラータイマーが点灯した。
「ミライ!」
「ミライ君、しっかり!」
左右から迫る雪崩を押さえているメビウスが、がっくりと膝をつく。その背中に向かってスノーマウントが何度も腕を振り下ろす。


風太は打ちのめされるメビウスを見て息を飲んだ。
「ああっ、お兄ちゃんが・・・・!
山神様、お兄ちゃんを助けて!」

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もしも総監が東光太郎だったら第八話12

「GIG!」
「パーミッショントゥシフト マニューバ!」
マリナはブリンガーファンのスイッチを入れた。回転速度を通常よりも遅くして、貯水池の上だけの局所的竜巻を引き起こす。減圧によってもたらされた低温に、貯水池の水があっと言う間に怪獣ごと凍りついた。
「スペシウム弾道弾発射!」
ガンウインガーから4発のスペシウムが放たれた。氷の彫像と化したスノーマウントの全身が、熱と光にまみれた。
「よっしゃ!」
それを見ていたリュウが地上でガッツポーズを取る。
だが、割れたスノーマウントの氷の破片は、爆風の熱で溶け、足元の氷と融合し、そしてまた残っていた脚部に次々と張りついていくと、あっという間に復元してしまった。
「そんな!」
「どういうこと?!」
驚くジョージ達のガンローダーめがけて、スノーマウントは冷凍光線を吐いた。だが、マニューバモードの動きのおかげで直撃は食らわない。それもあと10秒ほどしか残っていない。
「落ち着くんだ。まだ通常の火力攻撃手段は通じる。クルーズモードに戻り次第、攻撃を続けるんだ」
サコミズの落ち着いた声が二人を奮い立たせる。
「くそ、マケットウインダム持ってきてれば・・・・!」
リュウは歯ぎしりをしながら走りだす。
光太郎もすぐに近くに武器になりそうなものがないか視線を走らせる。今は空中に向けて冷凍光線を吐いているが、あれが地上に向けられたらまずい。
「雪をお湯で溶かしても、すぐに凍っちゃうのと同じか?」
「光太郎さん、僕、行きます!」
ミライはスノーマウントに向かって走りながら左腕を掲げた。
「メビウース!!」


巨体が雪の上に降り立った音に、風太は顔をあげた。
「あ、お兄ちゃんだ!」

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もしも総監が東光太郎だったら第八話11

「怪獣・・・・!」
ミライがしばらく走っていくと怪獣が何かを追いかけるかのように、下を向いて走っているが見える。
「あれは・・・・、光太郎さん!」
光太郎は足場の悪い雪の中を、時折振り返りながら、どこかに向かって走っている。転げるように雪にダイビングをして、振り向きざま、スノーマウントに向かって雪玉を投げた。雪玉は冷凍光線に当たり、巨大化してスノーマウントの足元に落ちる。それに足を引っ掛けたスノーマウントは、前のめりに地面に倒れた。バリバリと氷の割れる音がして、スノーマウントが貯水池に落ちる。
「よし!」
上手く水を被らなかった光太郎は、満足そうに頷いた。
「光太郎さん!」
「ミライ君! 風太君とどこに行っていたんだい? 顔が真っ青じゃないか!」
ミライの顔を見た光太郎は、驚いてミライの頬に手袋を外した手を当てる。それからポケットから使い捨てカイロを取り出すと、ミライの手に押し付けた。
「体が冷えていると堅くなる。怪獣の攻撃だって避けられなくなるぞ。俺はこれから直接攻撃してみるから・・・・」
エンジンの爆音が光太郎の声を遮った。
「ガンフェニックス!」
「一旦離れよう!」


眼下に光太郎とミライの姿を発見したサコミズは、冷水をばしゃばしゃとはね散らかしている怪獣を見下ろした。
「姿かたちは、ドキュメントTACにある超獣アイスロンに似ていますが、異次元反応はありません!」
「超獣は、ヤプールが作りだしたものだけじゃないと言うからね。昔からこの辺に棲んでいたのかもしれないな」
「隊長! 攻撃しますか?!」
貯水池の上から起き上がったスノーマウントを見てマリナから問いが入る。サコミズは雪の上を逃げる光太郎とミライを確認すると、頷いた。ガンフェニックスを分離させる。
「テッペイ、ウイグレットブラスターだ」
「りょ、了解! ウイグレットブラスター、発射します!」
「バリアントスマッシャー!」
ガンローダーとガンブースーターからミサイルが発射される。体のあちこちで爆発が起こり、スノーマウントが腕を振り上げ、冷凍光線を吐きだす。第二波で撃ったミサイルが次々と凍り、雪の上に落ちて行く。
「み、ミサイルが不発に?!」
「ジョージ、あの冷凍光線に気をつけるんだ。
メテオール解禁!」

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